ギャルゲーも出してた!? 任天堂のマイナージャンル名作選
マグミクス / 2023年2月16日 7時10分
■もはや網羅も時間の問題!?
『マリオ』、『ポケモン』、『スプラトゥーン』…とヒット作を挙げれば枚挙に暇がない任天堂のゲームタイトル。同社がこれまでにリリースしてきたタイトルはジャンルも多岐にわたり「まだ手を付けていないジャンルを挙げた方が早いのでは?」と思えるほどです。レトロなタイトルを中心に、ちょっとめずらしいジャンルの任天堂タイトルを振り返ります。
●新たなジャンル名を生み出した傑作探索アクション
最初に紹介するのはファミコン ディスクシステムでリリースされた『メトロイド』です。凄腕の女性バウンティハンター、サムス・アランを主人公とする探索アクションゲームで、『大乱闘スマッシュブラザーズ』のプレイアブルキャラとしてもおなじみです。
今回紹介するなかでは群を抜いてメジャーな作品ですが、本作は「あまりに名作だったのでひとつの新たなジャンル名になってしまった」というユニークな特徴があります。海外ではいつしか本作のような「サイドビューの探索型アクション」が”メトロイドヴァニア”と呼ばれるようになり、今日は日本でも同じ呼称が用いられるようになっています。
”ヴァニア”の部分は、初代PlayStationでコナミからリリースされた『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』の海外タイトル名『キャッスルヴァニア』に由来します。この2タイトルがいかに海外ゲーマーたちに刺さったのかがうかがえますね。
●ファミコン時代に豊作だったアドベンチャーゲーム
「見る」、「聞く」、「移動する」などのコマンドを選んで物語を進行させるアドベンチャーゲーム。ファミコン~ディスクシステム時代は任天堂も精力的で、「桃太郎」や「金太郎」など複数の童話をミックスした『ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島(前編・後編)』やNintendo Switchでリメイクされた『ファミコン探偵倶楽部』シリーズなど、いくつものタイトルが制作されました。
とりわけ変わりダネなのは、1987年にディスクシステムで発売された『中山美穂のトキメキハイスクール』でしょう。当時の人気アイドル歌手・中山美穂さんとタイアップしたタイトルで、トキメキ学園に転入してきた主人公が転校初日にぶつかってしまった女の子は、メガネをかけて正体を隠しているスーパーアイドル・中山美穂本人だった…というガチガチのラブコメでした。かなりめずらしい「任天堂の恋愛ゲーム」です。
また、『新・鬼ヶ島』のスピンオフ作品『平成 新・鬼ヶ島(前編・後編)』は、フィギュアスケートの羽生結弦選手が好きなゲームとして挙げたことでも話題となりました。
●レースはレースでもめずらしいラリーゲーム
任天堂のレースゲームは『スーパーマリオカート』がおなじみですが、ディスクシステムではマリオとルイージが制限時間内にチェックポイントを通過しながら遠く離れたゴールを目指すラリーゲーム『ファミコングランプリII 3Dホットラリー』がリリースされました。
ラリーという題材はもちろん、専用ゴーグルをかけると画面が飛び出して見える「ファミコン3Dシステム」にも対応しているのもユニークでした。タイトルやコンセプトがニンテンドー3DSと相性バッチリなので「リメイク作がきっと出るはず…!」と楽しみにしていたのですが、結局出ずじまいでした。…ザンネン!
■男性もハマったミリオンセラーのファッションゲーム!
3DS『Girls Mode 4 スター☆スタイリスト』公式サイトの動画「コーデのご提案」より (C)2017 Nintendo / syn Sophia
2008年、ニンテンドーDSで女児/女性をメインターゲットとしたファッションコーディネートゲーム『わがままファッション ガールズモード』がリリースされました。
スポーティー、ガーリー、フェミニンなど異なるコンセプトを持つ架空の16ブランドが展開される世界でセレクトショップの店長となり、各アイテムの仕入れやお客さんへのコーデの提案、さらには自分自身のオシャレを楽しめるゲームで、発売からほどなくして100万本を売り上げる大ヒットタイトルとなりました。
筆者は男性ながら奥の深い作りにハマってしまい、シリーズ全作を発売日に買ってプレイし続けていますが、2017年に3DSで『Girls Mode 4 スター☆スタイリスト』が発売されて以来、なかなか5作目がリリースされません。続きはまだですか……。
●3DSの意欲的な配信専用タイトル
3DSでは意欲的なダウンロード専用タイトルも見られました。2013年に配信された『だるめしスポーツ店』は、野球を題材としたミニゲーム集。元プロ野球選手という肩書きを持つちょっと冴えないオジサン「樽飯(だるめし)イヌジ」のスポーツ用品店を訪れ、彼が進めるレトロなミニゲームを気に入ったらニンテンドーeショップの残高を支払って購入する…という少額買い切り型モデルとなっています。各ミニゲームのパッケージデザイン、イヌジやスポーツ店のデザインなどに”昭和の哀愁”が感じられるのがユニークでした。
2014年にはニンテンドーeショップの残高でプレイ料金を支払うクレーンゲーム『バッジとれ~るセンター』が登場。取ったバッジはHOME画面を彩るのに使えたので、ついつい遊んでしまう魅力がありました。『マリオ』や『ゼルダ』などの人気シリーズをはじめ、最終的に10000種類以上ものバッジが提供されています。
Wii Uと3DSを対象としたニンテンドーeショップは2023年3月28日でサービス終了となるため、『だるめしスポーツ店』の追加ゲームは販売終了(体験版と購入したゲームは引き続きプレイ可能)、『バッジとれ~るセンター』はショップの残高を用いてのプレイが終了となります。
●多彩なジャンルの陰には涙を飲んだ未発売タイトルも…
これまでに意欲的なヒット作を数多く生み出してきた陰には、残念ながら発売中止となったタイトルもありました。昔の筆者が一番気になっていたのは、ニンテンドー64で発売予定とされていた『キャベツ』です。
食べる? 料理する? 転がす? もし世に出ていたら、キャベツでどんな遊びが楽しめたのでしょうか。直球のネーミングが逆に疑問を加速させるタイトルでしたが、詳細が発表されることなくひっそりと消えてしまいました。
ともあれ、任天堂は今もさまざまな遊びのゲームを模索しているはずです。人気シリーズの続編はもちろん、新たな楽しみを提供してくれる新規タイトルの発表も楽しみですね。
(蚩尤)
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