不便すぎ、用途が限られる…歴代ポケモンの「残念なモンスターボール」
マグミクス / 2023年2月14日 20時10分
■実は奥深い「モンスターボール」の世界
ゲーム「ポケットモンスター」の世界では、トレーナーたちが手持ちポケモンを捕獲するために「モンスターボール」と呼ばれるアイテムを使用します。1996年に発売された『ポケットモンスター 赤・緑』の頃から、プレイヤーはモンスターボールがなければポケモンを捕獲することができず、トレーナーバトルなどでポケモンを使役することもできません(一部シチュエーションを除く)。また、赤と白のツートンカラーで構成されたカプセル型のモンスターボールは特徴的なデザインから、「ポケモン」シリーズのアイコンとして優秀に機能しています。
しかし、モンスターボールは何も優秀な面だけが目立つわけではありません。便利なアイテムかと思いきや、歴代「ポケモン」シリーズには使い道が限られていたり、不便きわまりなかったりするモンスターボールが存在しました。今回は「残念なモンスターボール」と称し、ゲーム版における具体例をパターン別にご紹介します。
シリーズ第一作目から登場したモンスターボールとは、主に野生ポケモンを捕獲する際に使うアイテムです。最もオーソドックスなものをはじめ、ポケモンが捕まえやすい「スーパーボール」や「ハイパーボール」などの上位版、さらには伝説ポケモンなども一発で捕獲可能な「マスターボール」など、種類が多岐にわたる点が最大の特徴です。ゆえに、ポケモンの種類や、遭遇するシチュエーションに合わせたモンスターボールの使い分けが大事な場合もあります。
ただ、なかには「使えなくはないけど不便」なモンスターボールがあるのも事実です。例えば『ポケットモンスター ルビー・サファイア』(以下、RS)より実装された「タイマーボール」は、「戦闘時にターン数が経過するほどポケモンを捕まえやすくなる」という特殊ボールです。しかし補正倍率が最大(4倍)まで到達するまでに、戦闘開始から30ターンも待つ必要がありました。後続タイトルではパラメータ調整を経て使いやすくなりましたが、当初のタイマーボールはとにかく労力と時間がかかりすぎたのです。
タイマーボールと似た例を挙げるなら、同じく『RS』から登場した「ネストボール」も含まれます。その効果は「対象のポケモンが弱いほど捕まえやすくなる」というもの。レベルの低い野生ポケモンほど捕獲率が上昇するものの、レベル30付近で補正倍率がほとんど上がらなくなります。つまり、ゲームがある程度進んだ状態で遭遇する野生ポケモン(レベル30以上)には効果があまりないということ。「進化前ポケモンを捕まえる」などの用途を除き、結局は使い勝手の良いハイパーボールや他の特殊ボールを選ぶことになります。
■使い道が極端すぎるモンスターボールとは?
2018年11月発売「モンスターボール Plus」。「ポケモン」シリーズタイトルと連動した周辺機器で、ポケモンの捕獲が直感的に楽しめる。捕まえたポケモンを外へ連れ出し、ユーザーの歩数に応じて経験値を付与する育成機能も搭載 (C)2018 Pokemon. (C)1995-2018 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
ここからは、特定のポケモンにしかほとんど効果がないモンスターボールをふたつ見てみましょう。
ひとつ目は『ポケットモンスター サン・ムーン』にて初登場した「ウルトラボール」。その名の通り、「ウルトラビースト」と呼ばれる強力なポケモンの捕獲に特化した特殊ボールです。ボール自体の、ウルトラビーストに対する補正倍率も5倍となかなかの性能を誇ります。その半面、通常ポケモンの捕獲には適しておらず、補正倍率もガクッと減少。最もオーソドックスなモンスターボールにも劣るため、ウルトラビースト戦以外で使用するメリットはほぼないと言ってよいでしょう。
ふたつ目の「スピードボール」はさらに使い道が極端な特殊ボールで、「逃げ足の速いポケモンを捕まえやすくなる」と書かれているにも関わらず、当初は「モンジャラ」「コイル」「ベトベター」の3体にしか効果が適用されませんでした。後年になって「素早さの高いポケモン」へと対象が修正されたものの、初登場タイトル『ポケットモンスター 金・銀』の時点では先述の3体だけにしか効果が及びませんでした。
『金・銀』の伝説ポケモンである「エンテイ」「スイクン」「ライコウ」は遭遇時にいきなり逃走してしまうので、このスピードボールを大量に用意して捕獲を試みたプレイヤーも多かったはず。筆者もそのひとりでしたが、後から「3体の伝説ポケモンにスピードボールは効き目なし」と知った際、かなりショックを受けたことをいまだに覚えています。
実際に「ポケモン」をプレイして初めて分かるモンスターボールのありがたさ。今回ご紹介した特殊ボールの種類や使い方にくわえ、「モンスターボールを投げた後にボタンを連打」「伝説ポケモンはモンスターボールの方が捕まえやすい気がする」……などなど、ローカル性を含んだ「モンスターボールあるある」に目を向けてみるのも面白そうです。
(龍田優貴)
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