ある意味「最強」説のあるモブキャラたち 「実はラスボスかも」

■最強モブキャラは『ONE PIECE』第1話に登場？

　決して目立つ役割ではなくても、マンガやアニメに欠かせない愛すべき「モブキャラ」たちは重要な役割です。メインではなくても、限られた登場シーンで強烈なインパクトを残したモブキャラは少なくありません。今回はある意味最強とも噂されるモブキャラを3人紹介します。

　まず紹介したいモブキャラは『ONE PIECE』（著：尾田栄一郎）のヒグマです。ヒグマは記念すべき第1話に登場したヒグマ山賊団の頭領であり、シャンクスに対し「56人殺したのさ　てめェのように生意気な奴をな」と豪語する粗暴な性格の持ち主でした。彼は800万ベリーの懸賞首であることを見せびらかせて暴れると、ルフィを殴って歯を折りシャンクスからは煙玉を使って逃亡。結果として、近海の主に食べられてしまいました。

　よくあるモブキャラの顛末ですが、その後、海賊の世界の「最強」のひとり・四皇に出世したシャンクスの評価上昇に伴って、ヒグマに関していくつかの疑問が浮上します。子供とはいえ、すでに「ゴムゴムの実」の能力者であったルフィの歯を折った実力と、いずれ四皇になる実力の持ち主であったシャンクスから、短い間とはいえ、逃亡できる能力を持ち合わせるヒグマ。一部で、「相当な実力者なのでは」とささやかれています。

　ヒグマの実力については、ネット上でもたびたび盛り上がります。「四皇のシャンクスみたいなのを56人殺した？ 実は四皇はもともと『60皇』いて、ヒグマが四皇にまで減らしたのでは」など、「56皇殺し」の異名まで付けられるほどです。さらには「『実はラフテルにいる説』を推したい」「海賊と山賊って対極だし、もはやラスボスまである」とまで持ち上げられてしまう始末です。モブキャラ冥利に尽きるでしょうが、ただ読者から馬鹿にされているだけの可能性も……。ヒグマの明日はどっちなのでしょうか。

■最強モブキャラはバトルだけに限らない！？ 意外なキャラが登場？

決してメインではないキャラが最強に！？　サザエさんのアニメ放映50年記念のキービジュアル　(C)長谷川町子美術館

　続いて「現在週刊連載以外の連載方法」を模索中の『HUNTER×HUNTER』（著：冨樫義博）から、名もなきモブキャラを紹介。キャラクター名のない残念なモブキャラは「団長の手刀を見逃さなかった人」と呼ばれています。

　第11巻で、幻影旅団の暗殺を目的に雇われた殺し屋として登場しました。彼は防犯カメラを見て、幻影旅団団長・クロロが恐るべき速さで繰り出した手刀を見抜きます。その後「団長の手刀を見逃さなかった人」はクロロと1対1で勝負することになりますが、戦闘シーンは端折られ、クロロが念能力で作った「密室遊魚」に肉体を貪り食い尽くされてしまいました。

　一見すると、クロロの強力さを印象付ける役割が与えられただけのモブキャラです。しかし、実はクロロとタイマンを張る時点で、相当な強者だと考察されています。SNSなどでも「クロロ自身からサシでやろうと言われているのだから相当強者」「ヒソカのチョイ下くらいでは」「戦闘後にクロロも少し服が破れているからかなり強い」などの声が。一方で手刀を見逃さなかったが故に悲惨な死を遂げた、彼に同情する人も見られます。

　最後は国民的人気アニメ『サザエさん』（フジテレビ）の中島くんです。意外と思われるかもしれませんが、ネットでたびたび話題にあがるモブキャラ界の第一人者です。中島くんは言わずと知れたカツオの親友で、勉強好きの優しい性格が特徴。頻繁にカツオを野球へ誘うイメージが強いのではないでしょうか。「野球ばっかりやっていて大丈夫なの」と心配する視聴者も多いようですが、中島くんの祖父は教育熱心な人物です。頻繁に野球こそすれ、裏では勉強もしっかりこなしており、カツオを差し置いてテストで100点も取っています。

　モブキャラというには有名すぎるかもしれませんが、すぐ奇行に走るサザエさん一家とは違い、常識人の立ち位置を築いている中島くんの評価は高いです。文部両道で人当たりも良く、SNSには「『よお磯野。野球しようぜ』で何でも解決できる素晴らしい感性の持ち主」「野球もできて頭も良い。人柄も良い。最強じゃねえか」といった意見も多くありました。

（LUIS FIELD）