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「シャアはニュータイプのなり損ない」はホント? 富野監督いわく「覚醒の条件」とは

マグミクス / 2023年2月25日 6時10分

「シャアはニュータイプのなり損ない」はホント? 富野監督いわく「覚醒の条件」とは

■シャアは軸がブレブレ?

『機動戦士ガンダム』の大人気キャラクター、シャア・アズナブル。革命家の血を受け継ぐニュータイプにして、アムロ・レイのライバル、赤い彗星の異名を持つエースパイロットです。

 しかし続編の『Zガンダム』においてはパプテマス・シロッコとハマーン・カーンのタッグに乗機・百式を大破寸前まで追い込まれ、「ニュータイプのなり損ない」と罵倒されてしまいました。

 この記事では、本当のニュータイプとは何なのか、そしてシャアの迷いについて考察します。

●本当のニュータイプって何?

 ニュータイプとは、シャアの父親であるジオン・ズム・ダイクンが提唱した「宇宙時代の新しい人類」というコンセプトです。

 その厳密な定義は明かされてませんが「地球を離れて宇宙という広大な生活圏を手に入れた人類は認識能力が拡大し、肉体的、精神的にあらゆる物事を理解する事ができ、それが全人類に広がった時、かつてない相互理解が可能となる。それは、新しい宇宙空間という生活圏で生活するために人類がとり得た進化という形である」という思想が元になっています。

「ニュータイプとは戦争などしなくてもいい人間だ」とレビル将軍が言ったように、本当のニュータイプとは相互理解できるよう進化した人類のことで、モビルスーツパイロットとしての戦闘力とは何の関係もありません。

●シャアがシロッコに罵倒された理由

 ハマーンとのふたり掛かりとは言え、シャアを圧倒したシロッコがシャアを「ニュータイプのなり損ない」呼ばわりしたのは、単純な戦闘力の評価ではありません。「シャアの迷い」を見抜いたからです。

 この頃のシャアは、一年戦争でザビ家への復讐を果たしたせいか、行動がブレていました。それは『Zガンダム』時代の足取りを見れば明らかです。

■『Zガンダム』では「いい人」になってしまったシャア

クワトロ時代の乗機は肩部の「百」マークと金色の装甲、ムーバブルフレームが特徴的 画像は「MG 1/100 百式 Ver.2.0.」(BANDAI SPIRITS)

 終戦後、シャアはザビ家の遺児ミネバを守って、地球連邦に投降しなかったジオンの残党と合流し、小惑星アクシズに潜伏します。そこでハマーンと出会うのですが、アクシズの内輪もめを嫌悪し、地球圏の偵察と称してアクシズを離れます。

 地球圏ではクワトロ・バジーナという偽名を名乗って反地球連邦組織エゥーゴに所属し、カミーユらと共に地球連邦を私物化する軍閥「ティターンズ」と戦うことになるのですが、指導者のブレックスが暗殺されると「シャア・アズナブル」としてエゥーゴを託されてしまいます。アクシズでのしがらみを嫌って地球圏に来たのに、さらに重い役割を担うことに。

 そしてティターンズとの戦いの中、世論を味方につけるためダカールの連邦議会を占拠して全世界に向けてテレビ演説を行った際、自身をジオン・ズム・ダイクンの遺児であるキャスバル・レム・ダイクンであると名乗りました。

 これらは自ら必要に迫られて選択したことですが、果たしてシャアはジオンの赤い彗星でしょうか、それともエゥーゴのエースパイロット「クワトロ大尉」でしょうか、あるいは腐敗した地球連邦を正そうと戦う革命家の息子キャスバルでしょうか。

 復讐に生きていた頃と違って『Zガンダム』のシャアには大きな目標がなく、周囲にさまざまな役割を期待されながら戦っていました。多くの役割を場当たり的に受けざるをえなくなった結果、シャアは状況に流されながら戦う主体性のない人物になってしまったのです。

 シャア自身も自分のあり方がブレていると自覚しており、それが迷いとなって本来の実力を発揮できず、シロッコたちに圧倒されてしまったと言えるでしょう。

 シロッコはそんなシャアの生きざまを見て、新しい時代を拓く人物にふさわしくないと失望したのです。

●迷いを捨てれば最強のシャア

 1985年に発行されたアニメ雑誌「アニメック」に掲載された富野監督インタビューによれば「迷いを捨てたシャアはとほうもなく強い」「アムロなんか何も知る前に殺されてしまう」とのことです。

 しかし地球人類を粛清することを決意し、アクシズ落としを敢行しても迷いを捨てられないのがシャアという人物です。アムロと対等の戦いをするためにサイコフレームの技術を流出させるなど、あえて非合理的な判断をしています。

 明確な目標や勝利のために全てを捨てるような合理性を最後まで持たず、自己矛盾や割り切れなさを抱えながら戦ったシャア。生い立ちの複雑さや気高い理想から来る深みのある人間性は数十年を経て多くのファンを魅了しています。

(レトロ@長谷部 耕平)

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