豪華スタッフが結集したのに「結果が微妙」スーファミソフト3選 「ビジュアルは最高(泣)」
マグミクス / 2023年2月22日 20時10分
■時代の影に埋もれた大作ゲーム
クリエイティブな仕事はどうしても不確定要素がつきまといます。いくら潤沢な予算や一流の人材がそろったとしても、リスクなしで100%成功するとは限りません。これはビデオゲームにおいても同じで、豪華メンバーがそろったのにもかかわらず、セールス面で不調に終わった作品が過去にいくつも存在しました。今回は1990年代に発売されたスーパーファミコン用ソフトのうち、結果が振るわなかったタイトルを3本ご紹介します。
●ハードSFの世界観は良かったのに?『超攻合神サーディオン』
1992年3月に発売された『超攻合神サーディオン』は、小説とゲームでマルチメディア展開を行ったロボットアクション作品です。メカニックデザイナーとして森木靖泰氏、カトキハジメ氏らが携わり、『新世紀エヴァンゲリオン』で知られる「ガイナックス」(制作会社)が監修を務めました。プレイヤーは太陽系の惑星「火球」に降りかかった危機を退けるべく、文明の叡智を結集した「超攻アーマー」を操縦して機械化惑星との戦いに挑みます。
全編を通してハードSFテイストが目立つ一方、肝心のロボットアクションはかなり惜しい作り。劇中では「サラマンダ」「アルセイデス」「レオパルド」と呼ばれる3形態が用意されているものの、快適性を考えると汎用性のあるサラマンダ一辺倒になりがちで、ほかの2形態にチェンジする意義が薄れています。さらに完全体の「サーディオン」は性能面も強力なため、他形態は一部(弾除け等)を除いて出る幕がほとんどありません。物語や世界観の設定が練り込まれている分、操作性やシステム面の調整不足が目立ってしまった印象です。
●ビジュアルは素晴らしいのに?『魔天伝説~戦慄のオーパーツ~』
PlayStationやセガサターンといった次世代機が誕生し、スーパーファミコンで言えば後期にあたる1995年10月。殺伐とした世紀末を描いたRPG『摩天伝説~戦慄のオーパーツ~』がリリースされました。こちらは造形師・キャラクターデザイナーの韮沢靖氏、イラストレーターの寺田克也氏がデザイン面を担当。21世紀の終わりに地形ごと宇宙空間へ飛び立った日本を舞台に、勇気ある若者が地球への帰還を目指して原因究明へ乗り出します。
ゲームの流れは「フィールドを移動」「3Dダンジョンを攻略」「イベントを発生させて次の目的地へ」というもの。一度しか登場しないキャラクターにもしっかりグラフィックが用意されているなど、ビジュアル部分の作り込みは目を見張る部分があります。
ところがその反面、ダンジョン攻略に伴うバトル回りはやや単調な仕上がりと言わざるをえません。モンスターのバリエーション不足にくわえ、ゲーム中盤あたりで戦闘パターンがほぼ固定化し、大抵の敵は役割分担(攻撃/回復/補助)のみで勝ててしまいます。演出面がキラリと光るからこそ、「もう少し戦闘が面白ければ……」と物申したくなる作品と言えるでしょう。
■ゲーム雑誌から生まれた期待度満点RPG!のはずが...
1995年8月4日発売『超魔法大陸WOZZ』。雑誌「ゲーム・オン!」の企画から生まれたファンタジーRPGで、漫画家の樫本学ヴ氏が設定画を担当した。画像はリリース時に作られた限定テレホンカード(BPS/レッドカンパニー/小学館)
●面白い要素盛りだくさんなのに?『超魔法大陸WOZZ』
人間界から召喚された少年少女が魔法界の危機を救う……。1995年8月発売の『超魔法大陸WOZZ』は、小学館のゲーム雑誌「ゲーム・オン!」の誌面企画によって生まれたファンタジーRPGです。勇者として任命されたのは、弓術に長けた「ショット」・重火器を難なく扱う「レオナ」・超能力を発現させた「チュン」の3名。プレイヤーは彼らを操り、魔法界を蝕む大悪魔「バラム」討伐の旅へ出発します。
本作はアイテム開発・マルチエンディング・高低差を生かした戦闘システムなど、さまざまな要素がふんだんに盛り込まれてたのが特徴でした。ただし、それらがうまく機能して面白さを何倍にも跳ね上げるかどうかは話が別。『超魔法大陸WOZZ』の場合、いろいろと詰め込んだことで、かえって作品のコンセプトが定まらなかったのかもしれません。
ゲームを構成するパーツ自体に大きな不備は見当たらず、バランス面も最後まで問題なく遊べるレベル。しかし本作を象徴するような「目玉」を生み出せず、いまいちインパクトに欠ける結果となってしまいました。
(龍田優貴)
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