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クソゲー?名作?「賛否が分かれた」有名ファミコンゲーム4選

マグミクス / 2023年2月26日 20時10分

クソゲー?名作?「賛否が分かれた」有名ファミコンゲーム4選

■1面中ボスに泣かされ、トンデモ野球に驚いたあの頃

 世の中には、さまざまなゲームが溢れ返っています。しかし、そのどれもが面白いかと問われると、明確な答えは出せません。出来の良さに差があるのはもちろんですが、1本のゲームに絞って見た時でさえ、人によって評価が分かれるためです。

 それでも多くの場合で、好評か不評かのいずれかに傾きやすいもの。しかし、なかには「クソゲー」と断じる人もいる一方で、「面白い」と受け取るファンも少なくない──そんなゲームも存在します。

 特に、家庭用ゲームの黎明期とも言えるファミコン時代は、かなり有名なゲームでも、その評価がまっぷたつに分かれたことも珍しくありません。当時はゲーム文化の歴史がまだ浅く、特に若年層のファミコン少年たちは、直感でゲームの良し悪しを判断していました。

 ファミコン時代は、果たしてどんなゲームが「クソゲー」と「名作」の間で揺れていたのか、ご覧ください。

●ファミコンで高難易度と言えば『魔界村』!

 よく意見が分かれていたのは、横スクロールアクションの『魔界村』です。囚われた姫を救うため、鎧に身を包んだ騎士が魔王に挑む本作は、まずアーケード向けに展開。そこからファミコンに移植され、家で『魔界村』が遊べると喜びの声が上がります

 しかしその声は、ほどなくして悲鳴と絶望のうめき声へと変貌。ファミコンへの移植なのでグラフィックの面で見劣りするのはやむを得ない話ですが、アクションのキモであるゲームバランスに難点があったのです。

 その顕著な例として、中ボス的な存在「レッドアリーマー」との戦いが挙げられます。こいつは空を飛び、遠距離から弾を吐いたと思ったら急降下で体当たりを行うなど、かなりやりにくい強敵。ここでゲームオーバーを迎えるプレイヤーが続出しました。

 アーケード版はちょっとした操作で武器を連射するテクニックがあり、その技はレッドアリーマーにも有効でした。しかし、ファミコン版では挙動が変更され、その結果「レッドアリーマー」に真っ向勝負を挑む羽目になります。

 しかも「レッドアリーマー」と最初に戦うのは、1面の途中。序盤の道中に過ぎず、1面のボスよりも遥かに手前です。難しいゲームはたくさんあるものの、1面中盤で難易度が跳ね上がるのは、かなりのハイペース。ゲームに慣れるよりも早くやられてしまうので、不満に感じるのも無理はありません。

 このほかにも、移植の関係でアーケード版から難しくなった箇所があったり、さらに2周クリアしないと真のエンディングにたどり着けないなど、厳しい面が多数。こうした点から、『魔界村』をクソゲーと判断する人もいました。

 ですが、ファミコンへの移植に合わせた調整が施されている箇所もあり、当時多かった無頓着な移植とは少々異なります。また、「レッドアリーマー」が強敵なのは事実ですが、もちろんちゃんと倒せるので、決して理不尽なわけではありません。そのため、意見が分かれやすいゲームとなりました。

●『燃えろ!!プロ野球』は、リアルな見た目でトンデモ野球!? 

 当時、野球人気は高く、TV中継も頻繁に行われていました。そのため、ファミコン最初期に登場した『ベースボール』や、定番となった『プロ野球ファミリースタジアム』など、野球を題材としたゲームも多数登場しています。

 そんな野球ゲームのひとつ『燃えろ!!プロ野球』は、しかし一味違う異彩を放っていました。まず見た目も大きく変わっており、当時のゲームに多かった打者視点ではなく、TV中継と同じアングルの投手視点を採用。臨場感の向上だけでなく、投球の高低差も表現しやすくなり、ゲーム性にも影響を与えました。

 しかし、リアルな表現を実現させながらも、ゲーム自体に色々な「トンデモ」が潜んでいました。そのなかでも、「バントホームラン」はその代表格です。内容は至ってシンプルで、バント状態で構えたバットにボールが当たっただけで、そのままホームランになってしまう、という珍現象です。

 バントホームランが可能な選手は限られていますが、構えたままのバットに当たったボールが、そのままフェンスを越えていく様は驚きの一言。一見リアルなビジュアルなのに、実体はトンデモ野球だった『燃えろ!!プロ野球』。本格野球派からはクソゲーと認識されつつも、これはこれで面白いと支持するファンも少なくありません。

■あの大人気アクションの続編も、賛否の的に

「毒キノコ」も新登場した『スーパーマリオブラザーズ2』

●名作アクションが、こんなに手ごわくなるなんて……

 ファミコンがブームとなった大きな要因のひとつは、『スーパーマリオブラザーズ』と言われています。操作感・手応え・演出と、ほぼ全ての面が高いレベルでまとまっており、時代の1歩も2歩も先を行く完成度に、多くのゲームファンが驚き、そしてプレイに熱中しました。

 ですが、この名作のシリーズ展開となった次作『スーパーマリオブラザーズ2』は、当時のファミコン少年たちの間で意見が大きく割れ、物議を醸しだします。

『スーパーマリオブラザーズ2』に手を伸ばしたプレイヤーの多くは、前作で味わった楽しさや面白さを求めていました。しかし、一定のプレイヤーはその望みに手が届かず、悔しい想いと共に散る結果を辿(たど)ります。

 というのも『スーパーマリオブラザーズ2』は、前作の高難易度版とも言える内容で、腕に自信があるプレイヤー向けでした。まず、マリオとルイージで操作性にも違いがあり、ルイージは高くジャンプできる反面、制御が難しい上級者向けのキャラに変化。また、ステージ構成や敵の挙動、配置などに変化が加わり、難易度が大幅にアップしました。

 ゲーム自体は難しいものの理不尽ではなく、作品を冷静に分析するならば十分に良作・名作の部類に入ります。しかし、太刀打ちできるほどの腕がない場合、コントローラーを投げ出して愚痴ることしかできません。

 しかも、本作がファミコンの周辺機器「ディスクシステム」向けに登場。本作のためにディスクシステムを用意した少年が、難易度の壁に阻まれて投げ出した場合、思わず「クソゲー…」と言いたくなる気持ちも分からないではありません。

●「死にやすさ」でネタになったが、実は風評被害?

 クソゲーと呼ばれたゲームは数多くありますが、長きにわたってクソゲーという単語と共に語られたのは、『スペランカー』が随一かもしれません。本作を遊んだことがない人からも、「クソゲーって言われてるよね」と囁かれるほどの知名度です。

 本作は、洞窟探検に挑む2Dアクション。危険な場所へと挑む主人公ですが、驚くほどの貧弱さに誰もが驚きました。アクションゲームは作品ごとにルールがあり、どれほど高い場所から落ちてもノーダメージなこともあれば、一定以上の高さから落ちると死亡するゲームもあります。

 この例で言えば『スペランカー』は後者ですが、その線引きがかなり絶妙で、自分の身長ほどの高さから落ちても死亡。それどころか、場所によっては「下り坂に向かってジャンプ」するだけで死んでしまいます。

 また高所から落ちた時、地面にぶつかる以前に死亡判定が出ているので、落下の衝撃ではなく「落ちる!」という恐怖からのショック死なのかもしれません。このほかにも、ちょっとした隙間にも落ちて死にますし、コウモリのフンに当たっても死亡。心身の両面でかなり弱々しさが目立ち、冒険にまるで向いていないのが分かります。

 この死にやすさがネックとなり、かなりのファミコン少年たちがクリアを断念。そして、あまりにインパクトが強い「死にやすさ」がよく話題となり、「クソゲー」という言葉と共に語られることで、知名度が無闇に広まっていきました。

 確かにゲーム内の表現を見ると、主人公の死にやすさはリアル世界に置き換えても心配になるほど。ネタになるの頷けるほどの虚弱体質ぶりです。しかし、一歩下がってゲームのデザインとして見た場合、優れた腕前を求める高難易度なだけで、ゲーム性に不合理な理不尽さはありません。

 繊細な操作を確実に実行し、その集中力を維持し続ける。要求されるハードルが高めなだけで、ゲームバランス自体は「クソゲー」と呼ばれるレベルとは明らかに異なります。風評被害の面も大きいので、再評価されるのを願うばかりです。

* * *

 遊んだゲームにどんな感想を持つかは、プレイした人の自由です。だからこそ、誰かの評価だけを鵜呑みにせず、自分で直接触れてみるのがお勧めです。そこに、意外な出会いが待っているかもしれません。

(臥待)

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