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『スパイファミリー』のラスボスは誰? デズモンドではない可能性も

マグミクス / 2023年3月5日 19時10分

『スパイファミリー』のラスボスは誰? デズモンドではない可能性も

■アーニャを中心にした疑似家族が世界を救う!

 心が読める幼女「アーニャ」と女暗殺者の「ヨル」、敏腕スパイの「ロイド」が、お互いに秘密を抱えたまま疑似家族を維持するために奮闘する『スパイファミリー』。可愛い絵柄と愉快な演出が特徴のホームコメディですが、実は主要キャラクターは暗い過去を抱えており、大切なものを守るために戦っています。この記事では『スパイファミリー』における本当の敵について考察します。

※この記事では『スパイファミリー』の未アニメ化の内容を含みます。ご了承の上お読みください。

●登場人物に共通する暗い過去、戦争の影

 本作の主要人物は暗い過去を背負っています。例えばコードネーム「黄昏」こと敏腕スパイのロイドは西国(ウェスタリス)の戦災孤児でした。家族を失ってから復讐のために年齢を偽って兵士になった後、無知の罪を思い知ります。そこで戦争そのものを抑止するため、スパイのスカウトに応じたのです。

「いばら姫」ことヨルは両親を亡くした後、幼少期から東国(オスタニア)の暗殺組織「ガーデン」でウェットワークに手を染め、殺しの対価で弟を養ってきました。そのせいか少女のように純真で優しい心を持ちながら、殺人に忌避感がありません。この奇妙なアンバランスさはコメディとしてはいささか重すぎで、ディストピアSFの傑作『1984年』で語られる二重思考そのもの。ヨルのメンタルがこの先も大丈夫なのか、一読者として不安に感じるほどです。

 アーニャに至っては「被検体007」と呼ばれる人体実験の被験者です。人体実験を施した組織や両親については謎に包まれていますが、アーニャの年齢からして戦中ではなく戦後に実験が行われたことは明らかです。

 さらにペットのボンドは動物実験のプロジェクト「アップル」被検体8号ですし、情報屋のフランクリンも兵士として戦場を経験しています。このように主要な登場人物はひとり残らず戦争や犯罪によって本来あるべき人生を失っており、だからこそ平和の重要性が身に染みているのです。

■戦争の火種は東国の地下社会に

超能力が使えるアーニャとボンドは仲良し。共に生体実験の被検体だったが、フォージャー家では幸せな日々を送っている。画像は「プレミアムフィギュア・アーニャ・フォージャー&ボンド・フォージャー」(セガ)

 東国の統一党党首、デズモンド・ドノバンは戦争の準備を進めていると疑われている政治家ですが、そのパーソナリティは謎に包まれ真意が読み取れません。隣国の西国からしてみれば、何を考えているか分からず、いきなり戦争を起こしそうな危険人物に見えます。そこでデズモンドの真意を探るため「オペレーション・ストリクス」が始まりました。

 しかし今のところ戦争を望んでいるのは東国の非合法組織ばかりです。西側の要人、ブランツ外相を暗殺して東西対立を煽って開戦しようと目論んでいたのは東国のテロ組織ですし、ガーデンと関係の深い東国のマフィア「グレッチャーファミリー」をお家騒動で乗っ取ったのは開戦派のレオナルド・ハプーンという人物です。

 今のところ東国に戦争を望んでいる様子は見られません。むしろ不満を戦争に向けさせようとする国内諸勢力を、国家保安局による合法的な締め上げとガーデンによる非合法の暗殺で抑え込んでいるように見えます。

●本当の敵はデズモンドではなく、旧国家の亡霊たち?

 以上の点から、『スパイファミリー』における本当の敵はデズモンドや統一党ではないかもしれません。そこで考えられるのは西国と東国の元になった旧国家の残党という線です。西国と東国の歴史は不明ですが、本作の舞台の元ネタが東ドイツと西ドイツであることからして、本来はひとつの国だったものが東西に分裂して現状に至ったのかもしれないのです。

 つまり旧国家の残党が再統一を夢見て、政情不安定な東国の地下組織に働きかけて戦争の機運を作ろうと工作している可能性です。戦争になれば勝敗はどうであれ、勝った国の統治により東西はひとつになるでしょう。

 また東西分裂前の旧国家があるとしたらアーニャとの関係も疑われます。テストで今は使われていない「古語」の成績が良かったことからして、アーニャは古語が使われている環境で育ったのかもしれません。もしかしたら古語は統一前の国家の言語で、人体実験を施した組織で使われていた可能性も。

 今のところ、東西両国家の成り立ちをはじめとして多くの謎が残されている本作ですが、今後は登場人物の過去と戦争の原因がドラスティックに交錯し、因果が明らかにされていくと予想されます。2023年制作決定が発表されている劇場版『スパイファミリー』とアニメ2期。公開・放送日は共に未定ですが、連載を追うなどしながら楽しみに待ちましょう。

(レトロ@長谷部 耕平)

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