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ただの影薄い脇役に見えて超重要人物だったキャラ 「いないと成り立たない」

マグミクス / 2023年3月1日 17時40分

ただの影薄い脇役に見えて超重要人物だったキャラ 「いないと成り立たない」

■あくまで一般人のまま「最強」に?

 主人公の近くにいる友人、かませ犬的な弱い敵キャラ、記憶に残るかどうかギリギリなモブなど……目立たなかったり、おとなしかったり、ただのゲストキャラだと思っていた登場人物が、のちに重要なポジションだった(になった)ことが判明すると、読者にとって大きなサプライズとなります。

 例えば、『進撃の巨人』(著:諫山創)に登場するベルトルト・フーバーは、主人公のエレン・イェーガーと同じ第104期訓練兵団出身の兵士で、調査兵団に入団後も活動をともにする仲間のひとりです。同郷のライナー・ブラウンとふたりでいることが多いものの、ライナーが面倒見のいい同期の兄貴分であるため、その影に隠れてしまっているようなキャラクターでした。

 身体能力が高く優秀でありながら寡黙で受身な性格のベルトルトは、一歩引いて周りを見ているタイプなこともあってセリフや目立った活躍も少なく、当初はファンの間でも「名前が覚えづらい」「影が薄い」と揶揄されることがあったのですが……。

 状況は一転、単行本10巻において、壁内人類を脅かすきっかけとなった巨人「超大型巨人」であることが明かされたのです。同時にこの場面ではライナーも、「鎧の巨人」だという事実がカミングアウトされ、読者を動揺させました。やはり同期のひとりであるアニ・レオンハートが、「女型の巨人」だと判明した8巻から、間を空けずに訪れたサプライズです。

「超大型巨人」といえば第1話から登場しており、同作の第1巻の表紙を飾るなど、ファンではない層にも広く知られている存在でしたが、これまで影を潜めていたベルトルトがその正体だとは、誰が予想したでしょうか。ここから怒涛の展開が続いていく『進撃』のなかでも、かなり衝撃的な出来事でした。

 続いて、『ジョジョの奇妙な冒険』第4部の(著:荒木飛呂彦)の川尻早人は、スタンド使いたちの戦いがメインとなる作中において、スタンドについて何も知らない一般人、さらに小学生でありながら、終盤のキーパーソンとなるキャラクターです。自分は本当の愛から生まれた存在なのか、と両親の不仲を疑っており、やや人間不信気味、そして陰気な雰囲気をまとっています。家中に監視カメラを設置して家庭内で起きた出来事を確認するなど、小学生らしからぬ行動を取っていましたが、この行動力や好奇心が物語に大きく作用していきました。

 第4部のラスボスである殺人鬼・吉良吉影が、自分を追うスタンド使いたちの目から逃れるためにとっさに隠れ蓑にしたのが、早人の父親である川尻浩作です。吉良は辻彩のスタンド「シンデレラ」の能力を強引に使い、顔や指紋まで浩作と「交換」して、彼に成り済ましていました(辻彩も浩作も殺されています)。何かがおかしいと勘付いた早人は、いつしか姿は同じでも父の中身は別人になっていると気付きます。やがて吉良と戦う決意をし、何も知らない母親と杜王町を守るため、主人公・東方仗助らを、吉良と引き合わせようと奮闘しました。

 スタンド能力を持っていないにもかかわらず、大人顔負けの知能と精神力、命がけの行動で文字通り「運命を変えた」早人は、『ジョジョ』にたびたび登場する「強すぎる一般人」のなかでも、最強との呼び声が高い、まさに「黄金の精神」の持ち主です。

■途中で設定が変わったキャラも?

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 ただの敵キャラだと思われていたところから重要人物になったのは、『ONE PIECE』(著:尾田栄一郎)に登場するネフェルタリ・ビビです。ビビといえば、ファンの間でも人気の高い「アラバスタ編」のメインキャラであり、主人公のモンキー・D・ルフィたちと冒険をした大切な仲間のひとりでもあります。

 そんなビビですが、最初は三枚目かつ弱そうな敵として登場しました。当初のビビは「アラバスタ編」のラスボスである、王下七武海サー・クロコダイル率いる犯罪組織・バロックワークスのメンバーとして登場。「ミス・ウェンズデー」のコードネームで呼ばれていました。ひょんなことからルフィら麦わらの一味と交戦し、独特な衣装と攻撃で翻弄(?)するものの簡単に拘束されてしまうという、雑魚キャラとして描かれます。

 ところが、その正体はアラバスタ王国の王女であると明かされ、国内で起きた反乱に関わっていると思われるバロックワークスに潜入調査していたことがわかりました。正体判明後は、一国の王女とは思えないおてんばなキャラクターや、芯が強く心優しい性格で人気となり、すぐさま一味に溶け込んでいきます。そして、アラバスタでの決戦の後には本格的に仲間入りを打診されますが、国に残ることを決意し、涙ながらに出航を見送りました。左腕の「仲間の印」を掲げた彼らの別れを描いた場面は、作中屈指の名シーンのひとつとして知られています。

 ちなみに、ビビがアラバスタの王女であるという設定はもともと予定していたものではなく、髪を下ろしたミス・ウェンズデーを描いた作者の尾田先生が「王女っぽい」と感じたことがきっかけで決まった展開だとか(「ONE PIECE 総集編 THE 21ST LOG」より)。尾田先生がどの辺りで王女にしようと思ったのか、考えながら読み返してみるのも面白そうです。

 最後に、モブキャラだと思っていたのに実は物語の鍵を握っていた、『ヒナまつり』(著:大武政夫)の山本アツシをご紹介します。アツシは街中で路上演奏をしていたロックバンドのリーダーで、父親代わりの新田義史に一時勘当された主人公・ヒナに、路上で稼ぐ方法を教えた親切なゲストキャラでした。

 しかし、そこでヒナの手品(=超能力)を目の当たりにし、ロックとイリュージョンを融合した「ロックージョン」に思い至って、メジャーデビューを果たします。「ロックージョン」でのさらなる成功を目指すアツシは、ヒナが未来からやって来た超能力者だとは知らず、動画で見た気功によって彼女のイリュージョンを再現できるのではないかと考えました。そうして気功を学びに向かった中国で出会ったマオもまた、ヒナと同じく未来から来た超能力者だったのです。

 物語後半になると、ただただ「ロックージョン」を志すアツシの強い想いが、未来でヒナたちが所属する組織・「超人会」のきっかけとなることが明かされます。「超人会」は人工的に超能力者を生み出して利用しては、人道的とはいえない処遇を与えていました。そして、組織の最高傑作であるヒナが生まれたことで、とある惨劇が引き起こされます。つまり、現在の世界でのアツシや周囲の行動を変えない限り、未来でまた同じ惨劇が繰り返されてしまうのでした。

 ギャグマンガであることから、「ロックージョン」もひとつのネタだろうと見過ごしていた人が多かったはず……。未来を、物語を、大きく揺るがすきっかけになるなんて、まさに「まさかの展開」でした。

(椎崎麗)

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