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執念の塊! 計画が入念すぎて怖いキャラ 「何人犠牲に?」「でもカリスマ」

マグミクス / 2023年3月3日 17時10分

執念の塊! 計画が入念すぎて怖いキャラ 「何人犠牲に?」「でもカリスマ」

■怖さがやがて「カリスマ性」に変わる

 主人公だけでなく視聴者をも翻弄する悪役や、ダークヒーローには、入念な計画や策略をもとに執念深く追い込んでくる怖いキャラも多々います。「しつこい!」「それもお前が仕込んでいたのか!」と、驚かされることもしばしば……。しかし、やがて、そんな執拗さ、周到さが魅力的に見えてくることもあります。

『ゴールデンカムイ』(原作:野田サトル)に登場する鶴見中尉は、最強と謳われた帝国陸軍第七師団に所属しており、主人公・杉元佐一たちと敵対する人物です。かつて日露戦争で砲弾の破片を受けた際に頭蓋骨前頭部を欠損、前頭葉の一部を損傷したため、ホーロー製の額当てで額から目の上までを覆っています。ビジュアルも強烈な上に、この損傷が原因で感情が昂ると額当ての下から「変な汁」が漏れ出すなど、狂気と奇抜さを持った存在です。

 そんなクレイジーさが目立つ鶴見中尉ですが、部下からは熱狂的な支持を受け、上司への尊敬以上の感情を抱いている者もいます。鶴見中尉は自らの協力者、手駒とするために、目を付けた部下たちの過去や人間関係を調べ上げ、それぞれに隠された想いや欲求、トラウマなどを利用することで、見事に懐柔していくからです。時には年単位の長い時間をかけて芝居を打ったり、あえて相手の心を折るような展開を作ったりと、どこまで本気でどこまで嘘なのかわからなくなるほどの壮大な仕掛けで部下はもちろん、最初は警戒していた剥製職人・江渡貝など協力者の心もつかんでいきます。

 これらを「鶴見劇場」と呼ぶ部下のひとり・月島軍曹のように、鶴見中尉の打算的な本心を知ったうえで忠誠心を示す者もいるほどの、「最強の人たらし」です。そこまでする背景には、鶴見中尉のある悲しい過去も関係していたのですが、その並外れた人心掌握力と巧妙に仕組まれた計画は、敵だけでなく味方のことも翻弄しました。

 味方をも翻弄する恐ろしい悪役といえば、『鋼の錬金術師』(原作:荒川弘)のラスボス「お父様」も思い浮かびます。主人公のエドワード、アルフォンス・エルリック兄弟の父であるヴァン・ホーエンハイムの血液を媒介して誕生した「人造人間」で、物語を通して登場する「七つの大罪」の名を持ったホムンクルスたちの生みの親です。

 彼はもともと、本編の舞台となるアメストリス建国よりも遥か昔のクセルクセス王国時代、偶然にして生まれた存在で、「フラスコの中」でしか生きられない、黒い影のような姿をしていました。しかし、生まれながらにして博識だったことから、不老不死を求めた当時の国王に頼られており、自身の肉体と自由を得るために国王を騙そうと決めます。そして、大規模な「国土錬成陣」を設置させることで、自分とホーエンハイム以外の国民を、賢者の石へと変えてしまいました。結果としてひとつの国家を一夜にして滅ぼし、賢者の石の力でホーエンハイムとそっくりの肉体を手に入れたのち、袂を分かつことになります。

 その後「お父様」はアメストリス建国に深く関わり、自らが生み出したホムンクルスや掌握済みの軍上層部を通じて、国家内部を操作していきます。最終目的である「神」たる完全な存在となるため、長い年月をかけてアメストリスで暗躍するのでした。「フラスコの中」から飛び出し、さらに大きくなった野望を果たすために、冷酷かつ執拗な行いを積み重ねていく静かな狂気は恐ろしいです。

■主人公だけど引いちゃう周到さ

ルルーシュ・ランペルージが描かれたアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』キービジュアル (C)SUNRISE/PROJECT GEASS Character Design (C)2006 CLAMP・ST

 その他、『PSYCHO-PASS サイコパス』(原案:虚淵玄)の第1期に登場した槙島聖護は、数々の事件を裏で操っていた黒幕であり、人間の精神状態や性格傾向を科学的に分析する「シビュラシステム」に対し、否定的な考えを持っている反逆者です。

 犯罪者となる危険性を示す「犯罪係数」が上がる状態においても、システムで認識できない「免罪体質者」であることから、「シビュラシステム誕生以降、最悪の犯罪者」と言われています。自身の目的を果たすためなら、殺人を含む犯罪に手を染めることも厭わない非常に冷徹な性格で、穏やかな雰囲気と整った顔立ちからは想像できない凶暴性と身体能力を持っている人物です。

 槙島は「人間は自らの意志で選択・行動するからこそ価値があり、魂を輝かせることができる」という思想のもと、シビュラ下の社会で殺意を持て余す潜在犯たちに目を付けては背中を押し、犯罪のための技術や知識を与えていました。一方で、積極的に協力するものの、一度失望した相手はすぐさま見切りを付け、徹底して破滅に追い込んでいます。

 物語中盤からは実行犯となってシビュラの根幹を襲撃したり、一時身柄を拘束されたのち脱走したり、食糧事情を崩壊させるためのバイオテロを画策したりと、大がかりな事件を次々に起こし、社会を揺るがしていきました。極めて知能が高く教養があるため、ウィットに富んだセリフが多く、終始自身の思想を貫いたこともあり、悪役ながらファンも多いカリスマ性を持ったキャラです。

 物語の主人公でありながら、悪で悪を裁くダークヒーローとなっていくのが『DEATH NOTE』(原作:大場つぐみ・小畑健)の夜神月です。何不自由ない暮らしを送っていたハイスペックな天才でしたが、名前を書いた相手が死ぬ「デスノート」を拾ったことで自ら悪人を制裁するようになります。そして、犯罪者のいない、善人だけで構成された新世界を創造する「新世界の神」となることを最終目標として、大量殺人を行うようになっていきました。

 この大量殺人は「キラ事件」として扱われ、月は捜査にあたったLを葬るために一度デスノートを手放します。これはキラを信奉する弥海砂と、海砂が契約している死神・レムにLを殺害させる策略の始まりに過ぎず、遠回りをしてでも自ら手を下さずに目的の相手を排除しようという、周到かつ凶悪な計画でした。

 一時的ではあるものの武器であるデスノートを捨てて「ノートに関する記憶」も消し、強敵を倒すために人の心理まで利用する月は、その後も天才的な頭脳を悪行に使い、どんどん恐ろしい顔になっていきます。

 その他、『コードギアス 反逆のルルーシュ』(原案:大河内一楼・谷口悟朗)のルルーシュ・ランペルージも、ダークヒーローとして人気が高いキャラクターです。眉目秀麗、頭脳明晰なルルーシュは「ギアス」という人を操れる力を得たことで、「優しい世界」の実現を目指すようになりました。理性的・理知的な合理主義者で、ルルーシュとしての自分と反逆者・「ゼロ」としての自分を使い分けつつ、邪悪な力を駆使して大国ブリタニアに挑んでいきます。

 何度も失敗や敗北を繰り返したのち、物語は悪の皇帝となったルルーシュが描いたシナリオのもと進んでいきますが、その非情な行動の数々の裏には世界を巻き込んだ壮大な計画が隠されていました。自身が独裁者になってでも、命に代えてでも、世界を変えようという執念に震えます。

(椎崎麗)

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