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『ルパン三世』の「最終回」ってどんな話? 原作よりも人気なアニメのラストとは

マグミクス / 2023年3月7日 7時10分

『ルパン三世』の「最終回」ってどんな話? 原作よりも人気なアニメのラストとは

■意外と知られていない『ルパン三世』の「最終回」

『ルパン三世』は50年以上にわたって愛されてきた、人気作品です。原作者のモンキー・パンチ先生は2019年に亡くなっていますが、アニメは今も断続的に制作されており、テレビシリーズ6作目『ルパン三世 PART6』が2022年に放送終了したばかり。2023年1月27日からは、北条司先生原作の『キャッツ・アイ』とのクロスオーバーアニメ『ルパン三世VSキャッツ・アイ』が、Amazon Prime Videoで配信されています。

 さて、アニメからゲーム、小説、パチンコに至るまでさまざまな派生作品がある『ルパン三世』ですが、原作を読んだことがない方も意外と多いのではないでしょうか? 原作を読むと、ルパン一味のおなじみのメンバー・石川五右ェ門の初登場が28話と遅いことや、64話の「義賊部々員」で銭形とルパンが同じ大学の先輩と後輩の後輩の関係で、峰不二子も同じ大学出身だったことが分かるなど、さまざまな意外な事実も明らかになります。

 そんな原作マンガ『ルパン三世』は単行本数は10巻と、比較的短めです。今回は原作『ルパン三世』の意外な「公式最終回」について、振り返ります。

 現在、「kindle unlimited」で全10巻が無料で読める双葉社の単行本では『ルパン三世』と『ルパン三世 新冒険』を合併させる形で収録しており、最終第10巻の最後は無印『ルパン三世』の最終話ではなく、『ルパン三世 新冒険』の最終話である「ルパン葬送曲」が収録されています。

 無印の『ルパン三世』の本来の最終回「さらば愛しきルパン」は、単行本では第7巻に収録されています。「最終話」ではなく、単に「第94話」とされており、以降のエピソードはそのまま連番で続きます。

 こちらのエピソードは「パンドラ」という組織が登場し、パンドラとの新たな戦いの始まりを匂わせて終了します。単行本での扱い上、最終回になっていませんが、内容的にも最終回の雰囲気はあまりありません。

「パンドラ」はモンキー・パンチ先生の別作品『パンドラ』に登場する組織で、このエピソードは「バックドア・パイロット(スピンオフ作品の事実上の第1話を、スピンオフ元のエピソードとして制作すること)」のような扱いだったと思われます。

 対して「ルパン葬送曲」では、単行本最後のページにはっきり「完」の一文字があり、単行本おまけの「ルパン資料篇」で「本十巻をもって一応完結とする」と、ルパン本人の口を借りて作者が語っているため、同エピソードを最終回とするのが妥当でしょう。

「ルパン葬送曲」は謎の指揮者タガニーゼにルパン一味が狙われるものの、タガニーゼの正体は変装した銭形警部(タガニーゼ=ゼニガタの逆さ読み)で、最終的に銭形がルパンに正体を見破られて逃げられる、といういつものお決まりのパターンで終わります。このエピソードは『ルパン三世 PART2』でアニメ化されていますが、大幅なアレンジが加えられており、ほぼ別物です。

 ちなみに、アニメには各シリーズごとに最終回がありますが、特にそのなかでも1977年から1980年に放送された『ルパン三世 PART2』の最終回「さらば愛しきルパンよ」は、人気投票企画で常に上位の人気を誇るシリーズ屈指の人気エピソードでもあります。

 原作の旧『ルパン三世』最終回とほぼ同じタイトルがついていますが、内容は全く別物で、偽物のルパン一味にそそのかされて装甲ロボット兵「ラムダ」を操り犯罪を繰り返す少女・小山田真希を、本物のルパン一味が助ける、というルパンたちの義賊的な面が出た内容になっています。

 このエピソードを見た方は、恐らく内容からも登場するロボット兵のデザインからも、「ジブリ」っぽいと感想を持たれる方が多いのではないでしょうか。それもそのはずで、同回の演出・脚本の「照樹務」は宮崎駿監督の別名義です。

 ちなみに、ゲストヒロイン・真希の声を演じているのは、宮崎監督が手掛けた映画『ルパン三世 カリオストロの城』でヒロイン・クラリスを演じた島本須美さんです。『カリオストロの城』が公開されたのが「さらば愛しきルパン」放送前年の1979年だったので、リアルタイムの視聴者は『カリオストロの城』を強く連想したことでしょう。

 宮崎監督は『ルパン三世 PART2』の145話「死の翼アルバトロス」でも演出・脚本を担当しており、こちらのエピソードもシリーズ屈指の人気を博しています。

『ルパン三世』のアニメは、今も断続的に制作されています。次元の声が勇退、その後死去された小林清志さんから大塚明夫さんの担当になり、今後もシリーズは続いていくことでしょう。「Part6」ではゲスト脚本家に押井守監督、人気小説家の湊かなえ先生など、大胆な人選の試みも見せており、今後のシリーズも楽しみです。

(ニコ・トスカーニ)

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