第7部『SBR』は最初『ジョジョ』と関係なかった? 連載開始号を振り返ったら
マグミクス / 2023年3月6日 18時10分
![第7部『SBR』は最初『ジョジョ』と関係なかった? 連載開始号を振り返ったら](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_142087_0-small.jpg)
■「SBR」は『ジョジョ』と関係なかったような? 記憶を確かめる
大人気シリーズ『ジョジョの奇妙な冒険』(著:荒木飛呂彦)は、2023年2月17日発売の「ウルトラジャンプ」にて、待望の第9部「The JOJOLands(ザ・ジョジョランズ)」の連載がスタートしました。ファンからすれば、30年以上の時が経っても『ジョジョ』の物語が連綿と紡がれていることに、興奮と安堵が入り混じった感慨を抱くばかりです。
荒木先生は1987年の連載開始以来、ずっと『ジョジョ』を描いて来ました。それは間違いありません。ただ、「週刊少年ジャンプ」で連載を追っていた読者からすると、少しだけ記憶がモヤモヤする点があります。それは第7部「スティール・ボール・ラン」(以下、「SBR」)に関する次のような疑問です。
「『SBR』って、最初『ジョジョ』と関係ない荒木先生の新作として連載してなかった?」
というものです。リアルタイム読者の間では、「『SBR』はいつのまにか『ジョジョ』第7部になっていた」とたびたびネットでも話題になっています。連載開始当時の「週刊少年ジャンプ」をヒントに紐解きましょう。
まず、『SBR』の連載が開始された2004年2月2日発売の 「ジャンプ」を見てみましょう。表紙には大きく主人公のひとり、ジャイロ・ツェペリの姿のみが描かれ「荒木飛呂彦新連載」『スティール・ボール・ラン』という文字が踊ります。そこには『ジョジョ』第7部の記載はありません。また、この第1話には、現在は第7部主人公となっている、ジョニィ・ジョースターは登場しませんでした。
そのひとつ前の第6部「ストーンオーシャン」の、連載開始時を参考にしましょう。2000年1号の「ジャンプ」の表紙には、主人公・空条徐倫の姿と、その横にしっかり「ジョジョの奇妙な冒険 Part6」の文字が書いてあります。さらに『SBR』の連載開始の予告にも「荒木飛呂彦新連載」「19世紀末北米大陸横断サバイバルレース開始!!」の文言はありますが、「ジョジョ」の文字はありません。
極め付けは、連載開始時の荒木先生の「ジャンプ」巻末コメントです。連載開始時の荒木先生の巻末コメントは次の通り。
「ジョジョの奇妙な冒険P(パラレル)ワールドに突入した。そして、ジョジョでなくなったっていう事でSBR」
荒木先生本人が「ジョジョでなくなった」と、明言しているではありませんか。また、ジャンプ増刊誌「青マルジャンプ」のインタビューでも、「SBR」が『ジョジョ』の「パラレルワールド」であることは前提にしつつも、物語の本筋とは関係がないのでタイトルから『ジョジョ』を外した、という旨を語っています。
とはいいつつ、主人公の名前はジョニィ・ジョースターで「ジョジョ」ですし、ジャイロは第2部以来久々に名前が登場した、「ツェペリ家」の人間です。その他、ディエゴ・ブランドーのようなメインキャラはもちろん、「アブドゥル」や「シュトロハイム」など、ファンが思わず反応してしまうチョイ役キャラクターも登場。
また序盤からポコロコにアドバイスをする「スタンド」らしき存在(のちに「ヘイ・ヤー」というスタンドであると判明)が描かれるなど、「やはり『ジョジョ』なのか? 違うのか?」と、ファンからすれば半信半疑になる状態が続いたのでした。
そして、連載が進むにつれ、スタンドバトルも描かれるようになり、2005年3月に掲載誌を「ウルトラジャンプ」に移したタイミングで、正式にタイトルを『ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン』に変更したのでした。実際、コミックスも初版はシンプルに「スティール・ボール・ラン」でしたが、版を重ね『ジョジョの奇妙な冒険 Part7』という文言が追加修正されています。
当時の読者からすれば「『SBR』が『ジョジョ』になっていた」という印象は拭きれませんが、これもまた「いつのまにか術中にはまっている」というスタンド攻撃のようで、荒木先生節を全身で感じられたことは確かです。
とはいえ、もし「SBR」が最後まで『ジョジョ』の名を冠せず、あくまでも別作品であったら、あの「1st.STAGE」のような、乗馬技術や「鉄球の回転」を利用した駆け引きの猛レースがどこまで白熱していったのか……また別の「パラレルワールド」を想像してしまいます。
(片野)
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