まさかの「再利用」で驚いたアニソン3選 「元ネタ知らない人多そう」

■アニメを観ていない人にもおなじみ！

　TVのBGMやCMでのカバー曲など、「どこかで聴いたことがある楽曲」には、意外にも「もともとアニソンだった曲」も多くあります。

　最近話題になった例としては、不動産・住宅情報サイトの「LIFULL HOME’S」のCMで、人気アニメ『おジャ魔女どれみ』第1シリーズのオープニング曲「おジャ魔女カーニバル！」の替え歌が使用されています。さらに出演している女優の川口春奈さんはお団子ヘアですが、これは『おジャ魔女どれみ』の主人公・春風どれみに寄せたものでした。CMを見た人びとは、SNSで「髪型も似せてるとこもわかってる！」「CM作った人は絶対同世代でしょ」「おジャ魔女世代が家買うようになってきたからか。ピンポイントだな」とつぶやくなど、好評なようです。

　今回は、その他にもある、意外な形で「再利用」されているアニソンを紹介します。

●バラエティ番組とドラマで使用！『バカサバイバー』

　関西テレビで放送されている人気バラエティ番組『千原ジュニアの座王』では、OPテーマとしてウルフルズの楽曲「バカサバイバー」が使用されています。『バカサバイバー』はもともと『ボボボーボ・ボーボボ』の後期OPとして使用されていました。突如始まる関西弁のセリフパートが印象的な楽曲は、不条理なギャグを連発する『ボーボボ』の作風に負けないインパクトを残しています。

　そんな「バカサバイバー」には歌詞のなかで「生き残れ」「勝ち残れ」といったフレーズが登場しますが、『座王』は「芸人同士がイス取りゲームをしながら、即興力でさまざまなお題で競い合い、ただひとりの優勝者を決める」という番組ルールであるため、使用されているのかもしれません。『ボーボボ』も『座王』も知っている人の間でも、「『ボーボボ』ファンがガチンコのお笑い番組のスタッフにいると思うと感慨深い」「もともとバラエティっぽい曲だし、イントロで毎回アガる」と好評です。

　さらに「バカサバイバー」は、2022年にNHKで放送されたドラマ『あなたのブツが、ここに』のEDとしても使用されていました。コロナ禍で投げやりになった主人公がキャバ嬢から宅配ドライバーに転身し、さまざまな困難に立ち向かいながら成長していくポップなヒューマンドラマです。出演者が勢揃いして『バカサバイバー』に合わせて踊るエンディングでは、先輩ドライバー役として出演している声優・津田健次郎さんがキレキレのダンスを披露しています。

●あのCMの曲は実はアニソンだった！『スマイル』

　2020年に「オロナミンC」のCMで、女優の森七菜さんが歌っていた楽曲が「スマイル」です。森さんの楽曲だと思っていた人々もいたようですが、もともとは音楽ユニット、ホフディランが作った曲であり、アニメ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の初代EDテーマでした。

「スマイル」がアニメ『こち亀』で使用されていたのは、放送が開始された1996年です。「いつでもスマイルしようね」と明るく歌う楽曲は聴く人の心を癒していました。そんな『スマイル』は、ときにはちゃめちゃな行動を取りながらも、周りの人を笑顔にする主人公・両さんを描いた『こち亀』に合っていたと言えるでしょう。

●TikTokで再ブーム！「恋愛サーキュレーション」

　2009年に放送されたアニメ『化物語』第10話のOPテーマ「恋愛サーキュレーション」が、2021年にTikTokで国内外でトレンドとなりました。声優・花澤香菜さんが演じるキャラクター、千石撫子（せんごく・なでこ）のイメージに合った、かわいらしい声と言葉遊びがふんだんに盛り込まれた歌詞が堪能できるこのは、『化物語』を観ていない人からも高い評価を得ています。

『恋愛サーキュレーション』が10年以上経ってから再ブレイクした理由は、海外のYouTubeチャンネルの「Lizz Robinett – Vocaloid & VGM Cover Singer」で、カバーがアップされたことにありました。やがて国内外を問わず、多くのユーザーがTikTokで「踊ってみた」動画のBGMとして使用し、さらにはNiziUやPerfumeといった人気アーティストまで、「踊ってみた」動画を投稿したことで、アニメを見ていない世代にも知られることとなったのです。

　2016年にリリースされたTikTokでは、「恋愛サーキュレーション」だけでなく、昭和のレトロなポップスなどの再ブームも起こしています。今後も、意外なアニソンが「踊ってみた」で再び注目されるかもしれません。

（田中泉）