欲しいものは「1個選ばなきゃ！」←何個でも良くない？ 自由を増やせた自分に「花丸！」【作者インタビュー】

■「許可力」で大切なのは自分自身の気持ちだった？

　気持ちや行動をおさえがちだった自分が変わってきたことを描いたマンガ「許可力。」が、Instagramで3600以上のいいねを集め話題となっています。以前は欲しいものがいくつかあっても、「必ずどれかひとつだけを選ばなければいけない」と思っていた作者。しかし、自分の本当の気持ちに問い掛けて、「欲しいなら何個でも買っていい」という考え方にしてみたところ……という内容で、「分かります」「目からウロコです」「私も好きなだけ買いたいと思います！」などの声があがっています。

　このマンガを描いたのは、デザインやイラストの仕事をしている、アーティストのいとうちゃんさんです。Instagramやブログ「虚無と絶望（仮）～ネクラ日記～」でマンガを発表しています。いとうちゃんさんに、作品についてのお話を聞きました。

ーー今回のマンガを描いたきっかけを教えて下さい。

「こうしなければいけない」というような制限の思考がたびたび頭をよぎるので、「自分を不自由にしている思考から自由になりたい」と思い、その過程を記録しておきたくて描きました。絵日記にしておくと、数年後に読み返したときに楽しめるかなと思っています。

ーー「許可力」を意識するようになったのはなぜですか？

　自由奔放に生きている友人に「どうしたらそうなれるの？」と聞いたら、「そうなっていいって自分に許可するだけだよ」と言われ、たしかに……と納得したからです。

ーー制限なく、欲しいものを購入したときの心境を詳しく教えて下さい。

　ひとつ制限から解放されたことで、「人生に自由を増やせた！」とうれしかったです。いままでは「必要だから買う」が正しいことだと思っていましたが、単純に「買いたいから買う」という、そのときの気持ちを大事にした買い物の仕方も良いものだなと感じました。

ーー逆に、今も許可が出せないものはありますか？

「高いトイレットペーパーを買う」など、消耗品に対してお金をかけることには抵抗があります。日用品のような細かい部分に関しても、金額を気にせずに自分のお気に入りを選択できるようになりたいです。

ーー許可力の向上で、気持ちに変化はありましたか？

　昔の自分とは別人のように、心が穏やかな日を過ごせることが増えました。ダメだと思っていたことをやっても、結果何も問題がなかった……という経験を重ねるたびに、自分に対しての信頼と自信が少しずつ増えていく感覚があります。

ーー作品について、どのような意見が寄せられていますか？

「どうしたらそんなにセレブな友達ができるんですか？」「セレブが周囲にいすぎ」など、私の心の葛藤よりも知人の経済力に注目が集まってしまったようです。

ーー創作活動で今後、取り組んでいきたいことを教えて下さい。

　フィクションの物語を、マンガで描けるようになりたいです。

（マグミクス編集部）