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最近のアニメに「実在企業」の本編登場が増えてきたのはナゼ? 特に注目されるジャンルとは

マグミクス / 2023年3月13日 19時10分

最近のアニメに「実在企業」の本編登場が増えてきたのはナゼ? 特に注目されるジャンルとは

■なぜやたら増えている?

 一般社団法人日本動画協会の「アニメ産業レポート2022」によると、2002年と比べて日本アニメの国内売上は約2倍、海外売り上げは約3倍に成長しているとのこと。今やアニメは一般化し、企業との「タイアップ」はごく当たり前のものとなりました。

 この記事ではアニメと企業のタイアップが増えている理由について考察します。

●2種類のタイアップ

 アニメと企業のタイアップは管見の限りにおいて、大きく2種類に分けられます(玩具を売るためのアニメ制作は除外)。従来型の「作品人気にあやかる形でのタイアップ」と「タイアップを前提としたもの」です。

 前者は『ドラゴンボール』や『エヴァンゲリオン』、『ONE PIECE』、『鬼滅の刃』、新海誠監督作品などが代表的です。これら超大人気作品のキャラクターやブランドのパワーを広告宣伝に活用します。例えば新海誠監督の『天気の子』は、アルバイトの求人情報アプリ「バイトル」のCMに使われました。作中で経済的に苦しい様子が描かれた帆高や陽菜が、バイトアプリの紹介をするのですから、『天気の子』をみた若年層への訴求が期待できます。

●タイアップを狙ってアニメ化する

 漫画家や小説家にとってアニメ化はひとつの到達点です。アニメ制作には多額の資金が必要とされるため、採算が取れるような人気作だけが選ばれます。しかしここ数年はアニメ化の際に作品人気と合わせて「趣味性が高くターゲット層が明確」で「企業とのタイアップが狙える」という点が考慮された作品が増えたようです。

 例えば2023年1月に放送が始まった『とんでもスキルで異世界放浪メシ』(以下、とんスキ)です。無料のWeb小説から始まった本作は、小説版だけで累計350万部突破の大人気作品。アニメ化の際にイオンリテール、エバラ食品工業、カゴメなどが協力企業として名を連ねているのが特徴です。

■食品メーカーがこぞって協力したのはなぜ?

実在のブランドが多数登場した『ゆるキャン△』 (C)あfろ・芳文社/野外活動委員会

 『とんスキ』は異世界に召喚された主人公「ムコウダ」が「ネットスーパー」のスキルを駆使して、強大な力を持つ魔獣「フェンリル」や「スイ」をお供に、きままな旅をする作品です。「小説家になろう」連載初期においては「ネットスーパー」のブランドが明記されていませんでしたが、コミカライズやアニメでは実在のブランドが登場します。アニメ1話でスキルを発動した際、イオンネットスーパーの画面表示に驚かされた視聴者は多いのではないでしょうか? もちろんムコウダが購入する食料品も実在のものばかり。

 主人公の27歳独身男性が「ネットスーパー」で調達した商品を使って、異世界のみんながあっと驚く美味しい料理を作るのが作品の肝なのです。

 イオンリテール等の協力企業は、本作のファン層と訴求したいターゲット層が重なると考えたに違いありません。TVCMと違いアニメは翻訳されて全世界に配信されます。アニメで自社商品が魅力的に描かれたら、その広告宣伝効果は大きいと言えます。また放送終了後もサブスクのライブラリに残り続ける点から費用対効果も高いでしょう。

●すべては『ゆるキャン△』からはじまった?

「趣味性が高くターゲット層が明確」で「企業とのタイアップが狙える」アニメが増えた理由を考える上で、キャンプマンガ『ゆるキャン△』の大成功は外せません。実在のブランドが多数登場し「ツーリングあるあるネタ」や「観光地ネタ」なども豊富な本作は、2018年にアニメ化され大ヒット。今に続くキャンプブームを巻き起こし、多数のタイアップを獲得しました。

●今後はメディアミックス+タイアップへ

 ひとつのコンテンツを複数のメディアに展開することで認知度を高め、相乗効果を狙うメディアミックスは一般化しました。今後は企業とのタイアップを狙った作品作りが増えてくることでしょう。

 作品人気によって大きく収益が左右されるアニメ制作は、一種のギャンブルに近いと言われています。事業の安定のためには「趣味性が高くターゲット層が明確」で「企業とのタイアップが狙える」ジャンルのアニメ作りは手堅く、ヒットすればリターンが大きいと思われます。

 趣味系アニメが増えたのは、手堅く作品を作りたい制作会社と認知力アップを目指す企業との利害が一致した結果ではないでしょうか。キャンプや料理だけでなくバンドや筋トレ、釣りなど、趣味をテーマにした作品がアニメ化された例は枚挙にいとまがありません。

 さて、次はどのジャンルがアニメ化されるでしょうか?

(レトロ@長谷部 耕平)

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