『ドラクエVII』胸クソ展開？「昼ドラ顔負け」なドロ沼恋愛劇とは

■さまざまな思惑が絡み合う4人の恋物語

『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』（以下、ドラクエVII）は、20年以上前にPlayStation用ソフトとして発売。3DSやスマートフォン向けアプリとしてリメイクされ、今なお多くのファンに楽しまれているRPG。同作は魔王によって封印された過去の街などを訪れ、住民の抱えた問題を解決しながら魔王の手先を討伐し、封印から解き放っていくストーリーです。しかし中には「これってホントにドラクエなの？」と言いたくなるような、昼ドラ顔負けのドロ沼恋愛劇が繰り広げられた街も存在します。

　舞台となったのはハーブ園で有名なグリンフレークという町。恋愛劇の登場人物は、ハーブ園の主人の息子であるイワン、借金のカタとしてイワンと無理矢理婚約させられているリンダ、イワンのもとで働くペペと、イワンのメイドであるカヤの4人です。

　リンダはイワンと婚約しているものの、ハーブ園の庭師であるペペと両想い。そしてイワンはリンダとペペの恋心を知っていながらも、強引にリンダを奪おうとしています。さらにメイドとして働いているカヤはイワンに心を寄せており、三角関係ならぬ四角関係に。

　恋愛劇は進み、リンダはペペに愛の告白をします。しかしぺぺは反応も示さずに無視。そうこうしているうちにイワンとリンダの婚約が発表され、町はお祝いムード一色となりました。とはいえペペを諦めきれないリンダは再度ペペに迫るものの、ペペは無言のまま。そんな彼に対してリンダは遂に激怒し、その場を去ってしまうのです。

　実はこのとき、ペペは罪悪感を感じていたのです。リンダは借金を返すためにイワンへ嫁ぐしか方法がなく、ペペは自分のエゴによって邪魔するわけにはいかないと考えていました。そしてやるせない想いに暮れつつ、ひとりで町を出て行ったペペ。本心では駆け落ちしたかったリンダも、彼が町を出ていったことで悲しみに暮れることになります。

■それぞれ思い通りにいかない恋、その結末は？

豊富なキャラクターが楽しく冒険する様子が描かれた『アルティメット ヒッツ ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち - 3DS』のパッケージ（スクウェア・エニックス）

　町を出て行ったペペは、グリンフレークの東に新たなハーブ園を作りました。さらに親を失った少女を養女として引き取り、想い人と同じ「リンダ」と名付けることに。つまりペペはリンダのことをずっと忘れられずにいたのです。一方のリンダは夫のイワンが周囲の反対をよそに、ハーブ園をブドウ園にしたため事業が失敗。そのとき既にイワンとの間に子供がいたにもかかわらず、愛想を尽かしてペペの元へと向かうことにしました。

　勢いよく家を飛び出したリンダですが、夫と子供を置いていった自分に、ペペを愛する資格はないと悟ります。残りの人生をシスターとして過ごすことに決め、すぐ近くでペペを陰から見守りながら生涯を閉じました。一方のイワンはカサドールという名の金持ちに買収されてしまいます。そのうえイワンの元で働いていたカヤでさえもカサドールに奪われる始末。

　結婚して一気に金持ちの妻へと成り上がったカヤのお陰で、イワンはカサドール一家の庭師になり一件落着。と思いきや、未だイワンに恋心を抱くカヤは火曜サスペンス劇場さながらにカサドール毒殺計画を起こしたのです。カサドールは幸い命を取り留めたため、イワンとカヤのふたりは一緒に町を出て行きました。

　主人公たちはその後、現代のとある修道院へ立ち寄ることに。そこでぺぺとリンダの恋が、思わぬ形で結実したことが判明します。思わず涙してしまうような展開が待ち受けていますので、ぜひ『ドラクエVII』をプレイして確かめてみてくださいね。

（LUIS FIELD）