「クソゲー」を買って後悔! 損するのは「お金」と「時間」だけじゃない?
マグミクス / 2023年3月16日 20時50分
![「クソゲー」を買って後悔! 損するのは「お金」と「時間」だけじゃない?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_144051_0-small.jpg)
■「クソゲー」が「クソゲー」を呼ぶ、恐るべき悪循環
コンピュータゲームが歩んだ歴史の中で、数多くの名作・良作が生み出されてきました。ですが、同時に「クソゲー」も世に放たれており、ゲームファンの心に浅からぬダメージを刻んでいます。
「クソゲー」の定義は人によって解釈が異なる点もありますが、「面白くない」「明らかな設計ミス」「難易度が高いのではなく理不尽」「世界観をぶち壊す」「バグが多い」「破綻している」など、楽しさに繋がらず出来の悪いゲームを指すことが一般的です。
人が「クソゲー」を遊ぶと、まずその出来栄えに失望し、怒りや落胆といった感情が湧き上がります。また、プレイした時間も無駄に感じられ、その「クソゲー」のせいで時間と金銭を無駄にしたと悔やむまでが基本的な1セットです。
ですが、「クソゲー」を買って被る影響は、その時失った時間とお金だけではありません。この他にどんなデメリットがあるのか、苦い経験を元にお伝えします。
●「クソゲー」が売れると、新たな「クソゲー」に繋がる恐れが
残念ながら、令和の時代でも「クソゲー」と呼ばれるゲームは存在します。ですが、一時期と比べれば減ってきていますし、歴代の「クソゲー」と比べると、ある程度遊べる場合も少なくありません(それでも、時折度肝を抜くような「クソゲー」も登場するので、油断なりませんが)。
特に影響が大きかったのは、やはりファミコン時代。『スーパーマリオブラザーズ』の大ヒットでファミコンが一大ブームとなり、多くのメーカーが参入した結果、一部に粗製濫造と思えるものが続出しました。
「クソゲー」の厄介なところは、実際に遊んでみるまで分からない点です。体験版があれば事前にチェックも可能ですが、全体から見ると事前に体験版が出るケースは稀。また、リリースする側が「クソゲー」だと自覚している場合、わざわざ体験版を出す気配りを見せるとは思えません。
時代的に難しかったり、体験版のリリースがなかったりと、「クソゲー」を事前に察知するのは難しいもの。その結果、「クソゲー」を掴んでしまう被害者は、どの時代でも後を絶ちません。
購入者がひとり生まれると、1本分の売り上げが発生します。個人レベルでは1本分の損失に留まりますが、販売側からすれば購入者の人数だけ売り上げが累積。もちろん、評判が悪いゲームは後の売り上げに響きますが、ゲームの売り上げは初動が最も大きい傾向にあるので、評判が広まる前にある程度売れてしまう場合があります。
この初動だけで黒字になってしまうと、クソゲーを出したメーカーの成功体験になりかねません。しかも、そのうま味を知ってしまうと、同じような作りで2匹目のドジョウを狙うことも少なくありません。
つまり「クソゲー」が売れてしまうと、更なる「クソゲー」が生まれる悪循環が発生し、被害の拡大へと繋がってしまうのです。一度きりではなく、悲劇が連鎖する恐怖。それこそ、「クソゲー」が持つ恐るべき点のひとつでしょう。
■「クソゲー」は、買った後もダメージを受け続ける
極端にひどすぎるものは減ったが、現役のゲーム機にも「クソゲー」は存在
●「クソゲー」を買ったことで失われる自信、そしてと友人の評価
ごく一部の物好き以外、誰も「クソゲー」を買いたいとは思いません。そのため「クソゲー」に対する警戒は怠りませんが、それでも潜り抜けてくるのが「クソゲー」です。
誰もが避けて通りたい「クソゲー」を掴んでしまうと、ゲームを見極める自分のセンスにがっかりすることも。遊んでもないゲームの面白さを毎回正確に見抜くのは、誰であっても不可能です。しかし、いざ失敗してしまうと、落ち込んでしまうのは避けられません。
ですが、落ち込む以上に気になるのが、周囲からの視線です。「ゲームを見極めるセンス」は、同じ趣味を持つ友人たちの評価にも繋がります。「クソゲー」を掴んだと知られたら、軽くツッコまれるのは日常茶飯事。「クソゲー」を掴んだ失敗による損失は、お金や時間だけに留まりません。
ことさら貶めてくる相手は、それはそれで空気が読めないので問題ありませんが、ちょっとしたネタにされるのは避けにくいところ。お金を失いネタにもされるなんて、踏んだり蹴ったりです。いっそ、自ら笑い飛ばした方がマシかもしれません。
●持ってるのも嫌だ! でも、売るのも気が重い!
ネタにして笑い飛ばせるかどうかは、個人の好みにもよります。そういう解消が向いてない場合、いっそ「クソゲー」を売り払い、所持していた事実自体を過去に葬る手もあります。
ですが、ここでも「クソゲー」の厄介さが邪魔をします。まず、「売る」という行為に及ぶには、「クソゲー」ともう一度向き合わなくてはいけません。もう二度と見たくないような「クソゲー」を所持し、それを売りに行く。考えるだけでも、気の重い作業です。
また店頭買取に持ち込むと、この「クソゲー」を買った持ち主として自分が晒されます。買い取る側は単なる仕事なので特に何も思っていないでしょうが、売る側は心穏やかにとはいきません。心労が重なり、さらにダメージが蓄積されます。
対面が嫌なら、配送して買い取ってもらう手もあります。しかし、そのためには梱包が不可欠。また、送料の負担も無視できません。「クソゲー」の処分には、精神面・物理面の双方に負担がかかる、難儀な作業なのです。
そしてある意味、最大のダメージを受けるのが、買取価格の安さ。世間的にも「クソゲー」との評価が広まると買取価格にもダイレクトに響き、発売からあまり時間が経っていないのに相当低く見積もられることも少なくありません。
買っただけでもダメージを受けるのに、売る時にもダメージを受ける「クソゲー」。だからといって、所持しているのもシャクという八方ふさがり。どこに駒を進めても、損しかしない──これこそ、「クソゲー」がもたらす最大のネックと言えるでしょう。ああ、もう二度と巡り合いませんように!
(臥待)
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