今や大人気のNintendo Switch、でも発売前は「疑問の声」多かった?
マグミクス / 2023年3月19日 20時10分
■現在の好評とは裏腹に、賛否両論だった発売前の「スイッチ」
2017年3月3日に発売されたNintendo Switch(以下、スイッチ)は、今年の同日に6周年を迎えました。そろそろ次の世代に移ってもおかしくありませんが、衰える気配は全く見せず、今も現役機として確かな人気を誇っています。
確固たる支持を集め、大きな成功を成し遂げたスイッチ。ですが発売される前は、スイッチに対する不安や疑問の声も少なからずあり、賛否が分かれる状態だったのです。
今も絶好調のスイッチが、当時どんな形で不安視され、失敗するのではといった予想も出ていたのか。名機が迎えた6周年を機に、当時の背景を振り返ってみましょう。
●性能面や価格への期待が叶わず
スイッチが発売された2017年やその前年は、PlayStation 4(以下、PS4)が勢いに乗っていました。2016年だけでも、『DARK SOULS III』『ペルソナ5』『ファイナルファンタジーXV』『人喰いの大鷲トリコ』などの話題作が登場。そして2017年には、タイトル数をさらに増やしています。
またスマートフォンの普及も右肩上がりで、多くの人が手軽にゲームを楽しみやすくなりました。そして「PlayStation VR」の発売もあり、家庭用ゲームには「スマホでは味わえないリッチなゲーム体験」を望む声が大きく、その期待は発売前のスイッチにも向けられます。
ですが、スイッチの概要が明らかになると、まずは性能面への不安が急増。ゲームのハイスペック化(高画質、高フレームレート、大容量など)の流れは加速するばかりで、それを実現する高性能が求められたものの、スイッチが打ち出した方向性はPS4を凌駕するものではなく、処理性能の面では下回る部分も少なからずありました。
設計思想の方向性が違うため、一部の性能だけ切り取る比較は野暮な話ですが、ゲームのハイスペック化が止まらない状況を踏まえると、スイッチの処理能力に不安を感じるのも当然の話でしょう。
また、PS4は最初期に3万9980円(税抜)で発売されましたが、後に価格改定やバリエーション展開を推進。2016年時点では、「PS4 Slim」の500GBモデルが2万9980円(税抜)で発売中でした。
高性能を求めずに手頃さを重視するカジュアル層からは、この「2万9980円」をどれだけ下回るのかといった期待もありました。ですが、スイッチの希望小売価格は2万9980円(税抜)。PS4 Slimと肩を並べたものの、カジュアル層の心を大きく掴む価格とはいきません。
高性能を求めるコアゲーマー、低価格を期待したカジュアル層。そのどちらからも、スイッチに向けた不安が持ち上がる形になりました。
■スイッチ独自の特徴にも不安の声が
『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』が、Nintendo Switchの普及に大きく貢献した
●特徴である「携帯性」への疑問や、ラインナップ不足への不安感
スイッチは、モニタを一体化させた携帯性、TVに縛られずに遊べる利便性、Joy-Conのおすそわけプレイ、本体を持ち寄ってのローカルプレイなど、現行機にない特徴を多数備えていました。
こうした個性を好ましく受け止める人もいた反面、時代にそぐわないといった疑問の声も上がりました。また、「携帯してゲームを遊ぶ」というスタイルはスマホで満たされており、「今そこに踏み込んでも敗北するだけだ」との予想も飛び交います。
またモニタ一体型のデザインは、前世代機の「Wii U」を連想させました。Wii Uは、商業的に苦戦を強いられたまま現役を退いたゲーム機。名作も数多く生み出しましたが、ラインナップが十分だったとは言えず、「Wii Uの二の舞になるのでは?」と怖れて様子見に徹したゲームファンもいたほどです。
さらに追い打ちをかけたのが、スイッチと同日に発売されるゲームソフトのラインナップ不足。本数が限られるのは常なので仕方のない話ですが、他機種からのマルチ展開が多く、「スイッチを買わないと、これが遊べない」という訴求力を持つものはごくわずか。
同日に発売された完全新作のなかでは、Wii U版とのマルチ展開だった『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』、定番アクションの最新作『スーパーボンバーマン R』あたりに注目が集まったものの、ラインナップの弱さは不安視の要因となりました。
* * *
高性能は望めず、価格はPS4 Slimと同等。ゲーム機の携帯性への疑問、ラインナップの弱さと、さまざまな点に不安が集まったニンテンドースイッチ。しかし蓋を開けてみると、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』が爆発的な人気を博し、その牽引力で本体の売れ行きは好調な出足を見せました。
その後もミリオンセラーを記録するゲームを連発し、一時期は本体が売り切れて全く手に入らない事態にも。こうした好転が、当初漂っていた不安を一掃します。また、疑問視された携帯性も評価され、後に携帯モード専用の「Nintendo Switch Lite」を発売。こちらも順調な売れ行きを見せ、ユーザー層の拡大に寄与しました。
任天堂のゲーム機開発は、処理性能だけに絞ることなく、ユニークな遊びに繋がる設計思想が常に見られます。こうした挑戦は時に失敗も招きますが、成功は失敗の先にあるもの。Wii Uの後にスイッチをリリースした「ブレない任天堂」の在り方そのものが、成功の秘訣なのかもしれません。
(臥待)
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