スーファミ『ドラゴンボール 超武闘伝』発売30周年 喋って戦う悟空やベジータに感動!
マグミクス / 2023年3月20日 6時10分
![スーファミ『ドラゴンボール 超武闘伝』発売30周年 喋って戦う悟空やベジータに感動!](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_144635_0-small.jpg)
■令和になっても色あせない「ドラゴンボール」ゲーム
1980~90年代の「週刊少年ジャンプ」黄金期を支え、名実ともにマンガ界の天下を取った鳥山明さんの『ドラゴンボール』は、アニメ・映画・ゲーム、玩具など、数多くのメディアミックス作品がこれまで作られてきました。
本日2023年3月20日で発売から30年目を迎えた『ドラゴンボールZ 超武闘伝』(以下、超武闘伝)は、主人公の孫悟空をはじめ、原作の人気キャラクターがド派手にぶつかり合う対戦格闘ゲームとして、記憶に残る方も多いのではないでしょうか。
スーパーファミコン用ソフト『超武闘伝』が登場したのは1993年の春。「ドラゴンボール」のゲーム化作品は、同作品よりも前から行われており、カードバトルを取り入れたRPG『ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人』やコマンド選択式のアドベンチャー『ドラゴンボールZ 超悟空伝 突激編』といったゲームが発売されていました。しかし、1990年代初頭に一大ブームとなり、多様なメーカーや版権IPがソフト開発に乗り出した「対戦格闘ゲーム」について、当時の『ドラゴンボール』ゲームはまだカバーし切れていなかったのです。
そこへ満を持して現れたのが、「ドラゴンボール」の登場キャラクターが一堂に会して戦う対戦格闘ゲーム『超武闘伝』でした。発売時は原作人気の高さも相まって、ソフトの出荷本数はゆうに100万本を突破。作中で孫悟空たちが見せた躍動感あふれるバトルを、プレイヤーがコントローラーを介して自由に演出できるようになったのです。
「相手の体力を削りきった方が勝利」という対戦格闘ゲームの基本システムを踏襲しつつ、『超武闘伝』は独自ギミックで「ドラゴンボール」における戦いを演出していました。その最たる例が「デュアル・スクリーン・システム」と呼ばれるもの。キャラクターの位置関係に応じて画面を分割(地上・空中)することで、「離れた場所から奇襲を仕掛ける」「空中から地上へ気弾を放つ」といった原作でよく見られるバトルシーンが、違和感なくひとつの画面内に収まっていました。
孫悟空(以下、悟空)の「かめはめ波」、ベジータの「ファイナルフラッシュ」などの光線技も、もちろん試合中に撃つことが可能。当たれば相手の体力をごっそり削ることができる反面、防御技で防がれたりカウンターで逆に跳ね返されたりと、メリットばかりではない仕様が戦いに深みをもたらしました。
■悟空やベジータが喋りまくる!徹底した原作愛
『超武闘伝』では、対戦キャラの距離が大きくなると画面が2分割表示になり、かめはめ波などの技の撃ち合いも楽しめた
『超武闘伝』が人気を博したのは、何も『ドラゴンボール』を対戦格闘ゲームへ落とし込んだ点だけではありません。リアルタイム世代の読者を惹き寄せたのは、むしろ同作品の原作愛、ひいては大量に収録されたキャラクターボイスだったのかもしれません。
これは「ドラゴンボール」に限ったことではありませんが、版権を使ったキャラクターゲームならなおのこと、原作の雰囲気を演出する要素(再現イベントなど)が必要不可欠です。その点、『超武闘伝』は野沢雅子さん(悟空役)・堀川りょうさん(ベジータ役)という豪華声優陣らによる尽力もあり、対戦格闘ゲームでありながらアニメ版を彷彿とさせる賑やかなバトルが楽しめたのです。
「オッスオラ悟空!」のあいさつにはじまり、同作品には戦闘時の掛け声、必殺技を放つ際の気合い入れ、さらに被弾時の悲痛な叫びまでボイスが吹き込まれてるほか、コンティニューを試みるプレイヤーへ「そう来なくっちゃ」と投げかける18号など、随所に散りばめられた原作ネタも豊富です。同時期に発売された対戦格闘ゲームのなかでも『超武闘伝』はとりわけキャラクターがよく喋り、難しく考えずとも『ドラゴンボール』の世界に浸ることができました。
同シリーズのキャラクターゲームとして新たな路線を見出し、『ドラゴンボールZ Sparking!』などの3D対戦格闘ゲームにつながる基礎を築き上げた『超武闘伝』は、攻撃および移動モーションのぎこちなさを含めて荒削りな部分があったものの、令和の時代まで続く「ドラゴンボール」ゲーム作品群の方向性に多大な影響を与えたのは間違いないでしょう。
(龍田優貴)
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