注目作多数の春アニメ！人気原作モノに対抗できそうな「オリジナル」作品は？

■春は原作ものも魅力的、でもオリジナルアニメも面白そう！

　2023年が始まり、つい最近冬アニメが始まったと思っていたら、もう最終回を迎える作品が出てくる時期になりました。この冬は放送延期する作品が目立ったものの、それでも「異世界転生モノ」や、「なろう原作」のアニメを中心に例年の冬にないほど多くの作品が放送されており、充実したアニメライフを送っている人も多いでしょう。

　そして来たる春アニメは、『地獄楽』や『【推しの子】』『スキップとローファー』『僕の心のヤバイやつ』といった、強力な原作の待望のアニメが目立ちます。しかし、それらにも負けないほど気になる、完全新規のオリジナルアニメも粒ぞろいです。

●『魔法少女マジカルデストロイヤーズ』

　春のオリジナルアニメのPVのなかでも、「コッテコテのオタク描写」で強いインパクトを感じるのが『魔法少女マジカルデストロイヤーズ』です。同作の舞台は、謎の組織によってオタク文化が排除された日本。そんな状況のなかで、オタク文化とアキバを愛する若き革命者・オタクヒーローと、彼を慕う3人の魔法少女たちが反旗を翻すというストーリーです。

　過去に、魔法少女アニメでは『魔法少女まどか☆マギカ』や『魔法少女育成計画』、オタク文化ものだと『AKIBA’S TRIP -THE ANIMATION-』『逆転世界ノ電池少女』『アキバ冥途戦争』といった傑作があります。『魔法少女マジカルデストロイヤーズ』が、そうした過去の類似ジャンルとどういった違いを見せるか、気になるところです。

●『絆のアリル』

　バーチャルYouTuberに明るくない方も、「キズナアイ」の名前くらいは聞いたことがあるでしょう。『絆のアリル』はそんな彼女のアニメプロジェクトです。内容としては、キズナアイの背中を追ってバーチャルアーティストを目指す少女が、仲間とともに活動していく物語となるようです。

　これまでもバーチャルYouTuberは主題歌歌唱や声優としての出演、はたまたバラエティ番組仕立てでの登場などで、アニメと関わってきました。しかし、この作品ほど、物語に深く関わるのは珍しいケースとなりそうです。キズナアイ自体は2022年2月以来活動休止していますが、主要SNSでの総フォロワー数が1000万人を超え、TV番組などにも出演していた人気者。アニメファン以外にも、多くの人が視聴する作品となるかもしれません。

●『Opus.COLORs』

　第3期まで作られたミュージカルアニメ『スタミュ』のスタッフによる『Opus.COLORs』は、「絵画」がテーマの作品です。没入型デジタル絵画の新分野「パーセプションアート」が浸透した世界を舞台に、実作業担当のアーティストとプロデュース担当のグレーダーが、ペアで活動していきます。

　絵画というジャンル、しかも作品オリジナルの概念が並ぶため、ややとっつきにくさを感じる人もいるでしょう。しかし、この作品は声優陣がとにかく豪華。メインの役どころの内田雄馬さん、逢坂良太さんを始め、花江夏樹さん、豊永利行さん、梅原裕一郎さん、島崎信長さん、八代拓さん、古川慎さん、中島ヨシキさん、鈴木崚汰さん、仲村宗悟さん、山下大輝さん、岡本信彦さん、小西克幸さん、小野大輔さん、福山潤さん、鳥海浩輔さんと他作品なら主役級の男性声優を揃えており、眼福ならぬ「耳福」なアニメとなりそうです。

　上記3作品のほかにも、原案とするバラエティ番組『逃走中』をどうアニメ化するか楽しみな『逃走中 グレートミッション』や、近年佳作ばかり手がける迫井政行監督による『THE MARGINAL SERVICE』、演劇というやや珍しい題材の『ワールドダイスター』など、注目作は多数あります。

　2023年の春アニメは、『久保さんは僕を許さない』や『ゴールデンカムイ』（第4期）のような放送延期作品を除いても60作品以上が放送予定です。春らしく「大豊作」の予感がしています。

　冬アニメも佳境に入っていますが、みなさんもそろそろ春はどの作品を観るかチェックしてみましょう。

（はるのおと）