ポンコツすぎて逆に愛せる、ファミコンのクソゲー4選 凶悪難易度に「悟り」を開く?
マグミクス / 2023年3月30日 21時25分
■長く愛され、今も新作が登場?
昭和のファミコン全盛期、量産されるゲームのなかには少なからず、ひどいバグや凶悪な難易度、雑なつくりなどで「クソゲー」と揶揄されるゲームがありました。子供のお小遣いでは年に数本買えればいい方だったゲームカセットのなかで、そんな「クソゲー」をつかんでガッカリした経験はみなさんお持ちだと思います。
でも、そんな「クソゲー」のなかにも、あまりの難易度やバランスの悪さのおかげで魂に火をつけてしまったり、おバカすぎて憎み切れない、それどころか愛してしまう要素を持っているソフトがありました。今回はそんなソフトを4本、振り返ってみましょう。
●「クソゲー」の語源? 今も愛され続ける『いっき』
権べと田吾、たったふたりの農民による百姓一揆をモチーフとした『いっき』は、「米を取り返す」と説明書にあるのに実際は小判を集めるというゲームシステム。妙に印象的なお邪魔キャラ、そして全方位シューティングなので上位武器「竹やり」を取ると逆に弱体化してしまう……一説には「クソゲー」という言葉を産み出すきっかけとなったゲームともいわれています。
ですが、『いっき』はバランスの悪さも飲み込んだうえでファンと開発陣に愛され、2010年にはPlayStation 3でオンラインゲーム化、2011年にはソーシャルゲームも配信され、2023年にはPCゲームとして「いっき団結」が配信されるなど、息の長い展開を見せています。
●虚弱体質の代名詞『スペランカー』
次は「虚弱体質」の比喩表現にも使われるようになってしまった『スペランカー』です。
1985年にファミコンへ移植された『スペランカー』は、移植の際の難易度調整で「15ドット以上落ちると死ぬ」「爆風やフラッシュに当たると死ぬ」「敵と接触すると死ぬ」という仕様になり、難易度が爆上がりすることになりました。
そのあまりの難易度に「クソゲー」呼ばわりされることになり、後に「スペランカー」が「虚弱体質」を指すスラングになるほど、みんなの脳裏に刻まれたのです。
しかし『スペランカー』の難易度は逆に人びとのやりこみ魂に火をつけ、ファンを産み出しました。ネットでは今でも攻略動画がたびたびアップされています。そんな彼らの愛が、後継作である『みんなでスペランカーZ』や『みんなでワイワイ!スペランカー』を産み出す原動力となりました。
■凶悪難易度、ノーセーブ! でもプレイしちゃう
『星をみるひと』のタイトル画面。ここからゲームスタートした瞬間から、なんの説明もなしにRPG風フィールドに放り出される
●凶悪難易度に「悟り」を開く人続出『星をみるひと』
その昔、雑誌「ファミコン通信」の企画「やりこみ大賞」で、クリアするだけで表彰しますとされたゲームがありました。それが『星をみるひと』です。
1秒に2歩しか歩かないキャラの遅さ、つながりがおかしいマップ、「逃げる」が選べない戦闘。そしてなにより、ノーヒントでフィールドに放り出され、バリアに覆われマップに表示されない隠れ里の方向へ歩かないと死亡確定するという、不親切すぎるスタート……。
「このゲームには『歩く』と『死ぬ』しかない」「クリアできれば悟りが開ける」と評されるほど理不尽だらけな『星をみるひと』に、克己心を奮い立たせた人はかなりの数にのぼり、悟りを開いた人たちは攻略同人誌や攻略サイトを制作。今ではネットで手軽に『星をみるひと』の攻略情報が手に入ります。
●ノーセーブ。金金金!『仮面ライダー倶楽部 激突ショッカーランド』
最後に、筆者が何度も遊んでしまった愛すべきゲーム、『仮面ライダー倶楽部 激突ショッカーランド』を紹介したいと思います。
このゲームは連打でキャラをぶつける紙相撲のような戦闘システムが特徴で、アクションRPGとしては悪くないのですが、いかんせん「セーブ機能がない」のと「とにかく何でも金が必要」という2点が凶悪です。
ステージのクリア条件は請求金額を払えるかどうかで、ボスを倒す必要はありません。ちなみに総計200万円ほど必要なのですが、1度に手に入るお金は5000円が上限。フィールドに用意されたカジノや質屋を駆使しても、20時間くらいは余裕でかかってしまいます。なのにセーブ機能なし。つまり一度電源を入れたらクリアまでやめられないのです。
ステージ攻略を助けてくれるお助けライダーも、3万円払って店で買うという世知辛い仕様でした。筆者は半日ほど電源つけっぱなしでプレイしていい所まで行ったのですが、母親に怒られて強制電源カットされた苦い思い出があります。
以上4本を振り返ってみましたが、ファミコンソフトは発売されただけでも1054本、ディスクシステムを合わせれば1253本存在します。みなさんの愛すべきクソゲーはなんでしょうか?
(マグミクス編集部)
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