野原ひろしの足の臭さはロボットも倒す？ 「家族を守る勲章の匂い」の声も

■しんのすけが父・ひろしの足の匂いで友達をなくす！？

　国民的人気アニメ『クレヨンしんちゃん』の主人公・野原しんのすけの父である野原ひろしは、「武器になるほど臭い」足が特徴です。「ジャスミンの香り」と自称していたこともありますが、ひろしのとんでもない足クサ・エピソードを知れば、失笑してしまうこと間違いなしです。

　ひろしの足の臭いは、たびたび家族を気絶させるほどの強烈さです。仕事から帰ったひろしの足の臭いで、しょっちゅうしんのすけとひまわりを気絶レベルまで追い込みます。冗談なのかわかりませんが、妻・みさえもひろしの靴下を洗濯する際は、マスクを着用するほど。

　ひろしが足のツメを切るシーンでは、そのツメの匂いを嗅いだしんのすけが顔を黄色くして気絶しかけ、その様子を見たひろしも自ら切ったツメの匂いを嗅いで気を失うという、兵器級の威力でした。

　ついにはツメ切りから全力で逃げるひまわりや、近くにいたシロまでとばっちりを受ける始末。面白がったしんのすけは、ひろしの足のツメを風間くんに嗅がせるために外へ持ち出そうとしました。しかしそんなしんのすけへ、真剣な顔で「捨てなさい！それを嗅がせたら、キミは友達を失うことになる」と諭すひろし。ひろしは自分の足の臭さがどれだけ破壊力があるのか、自らも気絶したことで身をもって認識したのでしょう。

　ほかにも映画『クレヨンしんちゃん バカうまっ！B級グルメサバイバル！！』では、前日から履きっぱなしの靴下を男性の鼻に押し当て、瞬く間に気絶させたシーンもありました。なぜか決め顔を見せるひろしでしたが、どんな刺激臭なら、数秒で気絶することになるのでしょうか……。

　ちなみにひろしの足臭は、人間だけでなくロボットにも効果があります。2014年公開の映画『ガチンコ！逆襲のロボとーちゃん』では、ひろしは敵のロボットに囲まれて引き倒されてしまいました。ピンチかと思いきや、ひろしは寝ころんだまま足を垂直に伸ばします。すると高感度センサーが不具合を起こしたらしく、何台ものロボットが一撃で動作不能になったのです。

　ネット上では、ひろしが足の臭さでロボットを倒したことに対して、「無機物に効く匂いって何なんだよ」「ロボットに嗅覚あんのか……」「電子機器も狂わすような、何か危険な細菌が潜んでいるのかも」といった意見も多く見られました。ロボットのセンサーを破壊するひろしの足の臭さは、もはや最強レベルの生物兵器といっても過言ではありません。

　それにしてもひろしの足の臭さは、何が原因なのでしょうか。ひろしは双葉商事の営業部第2課係長として働いており、仕事柄外回りも多い営業職です。通気性の悪い革靴を日々履き続け、汗で靴のなかが蒸れて臭いの原因菌が、大量発生しているのかもしれません。つまりひるがえせば、これはひろしが家族のために汗水を垂らして日々を過ごしている証拠。頑張っている勲章といえるはずです。

　映画『クレヨンしんちゃん』の「最高傑作」とも名高い『嵐を呼ぶ！モーレツ！オトナ帝国の逆襲』では、洗脳されて幼児退行していたひろしが、しんのすけに自分の靴の匂いを嗅がされ、それまでの人生を思い返して、大人として正気に戻るという感動の名シーンが描かれました。それまでの苦労が詰まった、勲章のような足の臭いだからこそ、自分を取り戻せたのでしょう。

　2023年の1月には助野株式会社と野原ひろしがコラボした、「消臭靴下」が販売されました。ひろし級の臭いを想定して、通常検査の10倍濃度にも及ぶアンモニア臭で挑んだ検査でも、効果を認められたとのことです。普通はマイナスである「足クサキャラ」という業を背負いつつ、消臭靴下とのコラボまで果たしたひろし。これからも家族のために、変わらず足に……いえ、額に汗して頑張ってほしいものです。

（LUIS FIELD）