ブームに便乗「ポケモン風」ゲーム・3選 国民的人気キャラも!?
マグミクス / 2023年3月31日 21時25分
■ゲームボーイで誕生した数多の「ポケモン」フォロワー
1996年2月に誕生したRPG「ポケットモンスター」(以下、ポケモン)シリーズは、人気が衰退し始めていたゲームボーイ市場に新風を吹き込み、90年代後半から現在まで続く一大「ポケモン」ブームを築き上げました。同シリーズはゲーム史の観点から見ても重要であり、後世のゲーム作品に多大な影響を与えたことはまず間違いありません。
その証左と言うべきか、『ポケットモンスター 赤・緑』の発売からしばらくすると、ゲーム市場には「モンスターの収集要素」をメインに据えた“ポケモン風ゲーム”が大量に登場します。当時の「ポケモン」ブームに乗り、大小問わずさまざまなメーカーがソフト開発に乗り出しました。
有名どころで言えば、『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』や『メダロット』などが挙げられますが、なかには「そんなものまで?」と言いたくなるような一品も世に姿を現したのです。
●ゲゲゲの鬼太郎 妖怪創造主現る!(1996年12月13日発売)
1960年に故・水木しげるさんによって生み出されたマンガ『ゲゲゲの鬼太郎』。同作品を題材に作られたのが、「ポケモン」の誕生から約10ヶ月後に発売された『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪創造主現る!』(以下、妖怪創造主現る!)です。
「妖怪ポストに届いた依頼を解決する」という名目のもと、プレイヤーは主役の鬼太郎をはじめ、原作でおなじみの妖怪たちと一緒に各地を巡ります。ちなみに、妖怪のビジュアルはTVアニメ第4期(1996年~1998年放送)に基づいています。
『ゲゲゲの鬼太郎』という版権を活用した作品のため、仲間になる妖怪はいずれも個性的な面々ばかり。猫娘、一反木綿、ねずみ男など、知名度の高い妖怪から意外な妖怪を仲間に迎え入れることができます。
その際は捕獲アイテムなどで捕まえる必要はなく、「戦いが終わった後に声をかけてくる」「改心した末に仲間入りを果たす」といった具合に差別化されているのも特徴です。ただし独創性にやや欠けると言うべきか、全体的な作りは“妖怪版ポケモン”と言い表せるほどで、戦闘画面から妖怪図鑑にいたるまで、色々な部分が似通った作りになっていました。
●サンリオタイムネット(1998年11月27日発売)
上述の『妖怪創造主現る!』だけでなく、企業が抱える人気IPを生かしたポケモン風ゲームは他にも存在します。例えば1998年11月発売の『サンリオタイムネット』は、63年の歴史を誇る「サンリオ」が監修したRPG作品です。
過去編・未来編と2バージョンが用意された同作品には、サンリオを代表するハローキティをはじめ、バッドばつ丸、マイメロディ、キキとララ……等々、世に出たサンリオキャラクターが勢ぞろい。「時間軸が乱れた世界を修復する」というシリアスな作風が特徴的で、プレイヤーは異世界に降り立ち、多種多様なキャラクターと共に奔走することになります。
サンリオ監修と聞けば「女の子向けの可愛らしさ溢れるゲーム?」と想像できるかもしれませんが、蓋を開けてみると、ややシュールな雰囲気を醸し出しています。と言うのも、同作品はお馴染みの人気キャラクター同士が直接戦うのではなく、彼らはトレーナーとしてモンスターを使役し、実際に戦うのは描き下ろしのオリジナルキャラクターだったからです(ハンギョドンなどの例外を除く)。
「リボンをつけたモアイ像」「擬人化したウンチ」などオリジナルキャラクターたちもどこか癖が強く、手に取る前後で印象が大きく変わると言っても過言ではない一作です。
■モンスターと携帯電話で繋がる
2016年3月24日発売・ニンテンドー3DS『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー3』 (C)2015 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved. (C)SUGIYAMA KOBO
●携帯電獣テレファング(2000年11月3日発売)
「ポケモン」ブームに端を発するポケモン風ゲームの大量発生は2000年代に入っても続きました。ここまで来ると恐竜・ロボット・海洋生物・昆虫……と既にモチーフは出尽くした感があったものの、2000年11月にリリースされた『携帯電獣テレファング』(以下、テレファング)は一味違いました。と言うのも、同作品は捕獲などでモンスターを直接迎え入れるわけではなく、「モンスターと電話番号を交換する」ことで仲間になるからです。
「携帯」とタイトルにある通り、『テレファング』はユーザーインターフェースからゲーム内の用語を含め、徹底的に携帯電話を意識して作られていました。その最たる例が電話番号の交換です。『テレファング』では、矛を交えた電獣(モンスター)と意気投合した後、お互いの電話番号を登録することで初めて“仲間”と呼べる存在になります。
その後、戦闘になった際に電話をかければ電獣を呼び出せるのですが、「忙しいからちょっと遅れる」と言いだして駆けつけるのに時間がかかる場合もあったりと、本当に誰かと待ち合わせしているような感覚をシステム上で演出していました。
少々荒削りだったものの、「ポケモン」フォロワーにとどまらない独創的な作風で話題を集めた『テレファング』は、一作で終わることなく、2002年4月に続編『携帯電獣テレファング2』へとバトンを繋ぎました。
(龍田優貴)
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