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映画『デスノート』2部作がBS12で放映 ミサ役を競った戸田恵梨香と満島ひかり

マグミクス / 2023年4月2日 18時5分

映画『デスノート』2部作がBS12で放映 ミサ役を競った戸田恵梨香と満島ひかり

■興収80億円を超えた、藤原竜也と松山ケンイチの競演作

 藤原竜也さんと松山ケンイチさんが激しい演技バトルを繰り広げた大ヒット作といえば、実写映画『デスノート』とその完結編『デスノート the Last name』(ともに2006年)です。平成「ガメラ」三部作で特撮ファンをうならせた金子修介監督が、大場つぐみ(原作)&小畑健(作画)両氏のベストセラーコミックを映画化。犯罪者のいない理想の世界を目指す主人公・夜神月(やがみ・らいと)を藤原さん、頭脳明晰な名探偵・Lを松山ケンイチさんが演じています。興収は2作合わせて、80億円を超えています。

 二部作が大成功を収めたことで、人気マンガの実写映画化ブームに火がつくことになりました。藤原さんは『カイジ 人生逆転ゲーム』(2009年)もヒットさせ、『るろうに剣心 京都大火編』(2014年)での悪役・志々雄も話題となりました。L役で一躍ブレイクした松山さんは、コメディ映画『デトロイト ・メタル・シティ』(2008年)やSF映画『GANTZ』(2011年)などでも大活躍することになります。

 2023年4月2日(日)、9日(日)の19時からBS12の「日曜アニメ劇場 特別編」にて2週連続で放映される『デスノート』『デスノート the Last name』の見どころ、そして大ヒットした要因を探ります。

■カメレオン俳優ぶりを発揮した松山ケンイチ

 名前を書かれた者は死ぬことになる死神のノート「デスノート」を、大学生の夜神月(藤原竜也)が拾ったことから物語は始まります。警視庁の捜査官である夜神総一郎(鹿賀丈史)を父に持つ夜神月は、強い正義感の持ち主です。法律で裁けない犯罪者たちの名前を「デスノート」に書き込み、次々と殺害していきます。世間では一連の事件を「キラ事件」と呼び、「キラ」信者たちが現れるようになります。

 捜査本部は「キラ」の手がかりがどうにもつかめません。犯罪分析に優れた、世界的な名探偵・L(松山ケンイチ)が捜査に加わります。「キラは内部関係者」とLは推理し、夜神月に疑いの目を向けるのでした。夜神月とLとの壮絶な頭脳戦が展開されていきます。

 4月2日放映の『デスノート』の見どころは、やはり松山ケンイチさんのカメレオン俳優ぶりでしょう。二次元上のキャラクターだったLを、松山さんはビジュアルはそっくりに、プラス人間味を持たせて演じています。捜査に全神経を集中させるあまり、いつも猫背で、服装は白の長袖Tシャツ&ジーンズに裸足というルーズな姿です。甘い物が大好きで、ドーナツやバームクーヘンを串刺しにして食べるシーンは松山さんのアイデアだったそうです。

 松山さんの熱心な役づくりと藤原さんのクールさが、とても対照的です。そこに3DCGで描かれた死神のリューク(VC:中村獅童)が絡み、原作コミックの世界観と実写映画としてのリアルさとを絶妙のさじ加減で融合させています。マンガの実写化に定評のある金子監督の演出のうまさが光ります。

■オーデシションで競った戸田恵梨香と満島ひかり

DEATH NOTE デスノート the Last name」 ?大場つぐみ・小畑健/集英社 ?2006「DEATH NOTE」FILM PARTNERS

 4月9日放映の『デスノート the Last name』は、「第二のキラ」が登場し、先が読めないオリジナルの展開となっていきます。この「第二のキラ」となる弥海砂(あまね・みさ)こと人気アイドルのミサミサを演じたのは、当時17歳だった戸田恵梨香さんです。『デスノート』が映画デビュー作でした。

 両親を殺害された悲しい過去を持つミサは、犯罪者を処刑するキラを慕う「キラ信者」のひとりでした。ミサはもう一冊の「デスノート」を手に入れただけでなく、顔を見ただけで相手の名前が分かるという「死神の目」の能力も持つことになります。そのミサが夜神月に協力することで、Lの捜査は難航を極めます。

 警察に確保されたミサが監禁室に閉じ込められ、手足を鎖で拘束されるシーンは異様な緊迫感があります。人気アイドルが拘束されるという危ないシーンを、戸田さんはリアリティたっぷりに演じています。戸田さんも演技派として、一躍注目を浴びるようになりました。

 金子監督は、実はミサ役には『ウルトラマンマックス』(TBS系)でアンドロイドのエリー役を好演した満島ひかりさんを考えていたそうです。それもあって、満島さんも『デスノート』のオーディションに参加していたのですが、オーディションの最終選考で戸田恵梨香さんがミサを演じることに。満島さんは、夜神月の妹・粧裕(さゆ)に回ったという経緯があります。

 今や、戸田恵梨香さんも満島ひかりさんも、日本の映画やTVドラマに欠かせない演技派女優として高い評価を受けています。夜神月の自宅にミサがお邪魔する場面は、戸田さんと満島さんとの初共演シーンとなっています。

■暴力を伴う正義の在り方

 キャスト陣の熱演ぶりもさることながら、コミック、実写映画、アニメ版とさまざまな形で『デスノート』が大ヒットした背景には、当時の社会状況も影響していたのではないでしょうか。1990年代後半から2000年代にかけて、凶悪犯罪が多発し、社会を震撼させました。未成年者による犯罪も次々とメディアで報じられ、少年法の在り方が問われることになりました。

 犯罪は許されることではありませんが、夜神月のように暴力に対し暴力で応じても、本当に平和な世の中になるのかは疑問です。人知を越えた力を持つ「キラ」に恐怖する、管理社会になってしまうだけではないでしょうか。正義感から犯罪者を罰し始めた「キラ」こと夜神月ですが、次第に自分の邪魔をする者たちまで容赦なく排除していくようになっていきます。

 介護殺人をテーマにした松山ケンイチさんの最新主演映画『ロストケア』、庵野秀明監督が往年の特撮ヒーローを蘇らせた『シン・仮面ライダー』が現在公開中ですが、『デスノート』と同様に正義の在り方を観客に問いかける内容となっています。

 人気俳優たちの名演を楽しみながら、作品に込められたテーマ性にもぜひ注目してみてください。

(長野辰次)

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