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『刃牙』大人気・烈海王の名場面! スピンオフもいいけど「復活希望」の声も?

マグミクス / 2023年4月17日 17時55分

『刃牙』大人気・烈海王の名場面! スピンオフもいいけど「復活希望」の声も?

■烈海王のかっこよくて優しい場面に注目が集まる!

 人気格闘マンガ『刃牙』シリーズは、強烈なキャラたちの残した、クセの強い名言・名シーンも見どころです。特に中国拳法を極めた天才・烈海王の言動の数々には、「中国4000年の歴史」を感じることができます。シリーズ途中で死亡してしまったものの、現在でも強烈な存在感を示し続ける烈海王の名シーンを振り返ります。

 烈海王は1部『グラップラー刃牙』の「最大トーナメント編」で初めて登場し、準決勝までほぼ無傷で勝ち上がる圧倒的な強さを見せましたが、主人公・範馬刃牙に敗北しています。当時の烈は中国拳法の強さを証明するために大会に出場し、他の武術を見下したかのような発言もありました。それも、彼の圧倒的な実力と、中国拳法への自負があったからなのですが、登場からしばらくの期間は「嫌なやつ」と思われていたかもしれません。

 そんな「最大トーナメント編」の最中でも、烈海王は強烈な名言を残しています。「キサマ等の居る場所は既に…我々が2000年前に通過した場所だッッッ」と叫ぶ烈海王。天才空手家・愚地克巳が生み出した必殺技「マッハ突き」を見て、烈海王の口から出た一言で、実際に烈は克巳を瞬殺しています。

 続く刃牙との試合では、刃牙が烈海王との試合をすでに「想像上」で終わらせてくるという状況のなかで善戦するも、そのあまりの強さゆえに、刃牙の「範馬の血」を目覚めさせてしまったことで敗戦。しかし記憶に残る名勝負を残し、その後も物語を盛り上げる人気キャラとして定着していきます。

 2部の『バキ』以降、どんどん紳士的な人物になっていった烈海王は、数々の「優しい名場面」を残しました。例えば、「最凶死刑囚編」で、一度は殺し合いをした敵・ドイルを救うため、彼を背負って最短距離を突っ走ります。そして、途中に川があることに気づいた烈海王は……「問題はない!!15メートルまでなら!!!」と、人ひとりを担いだ状態で、川に沈むことなく渡り切るというとんでもない脚力を見せつけました。

 このシーンは、「エリマキトカゲの走り方そっくり」とイジる声もあるなど、烈海王の代表的シーンとして有名です。右足が沈む前に左足を出すという、都市伝説のような芸当を見せていますが、足の指で相手の身体をつかんで投げ飛ばせるほどの足技の持ち主なので、これくらいはギリギリできるのかもしれません。人を助けるためにこそ、最大限に実力を発揮するという点も、好感度が上がります。

「最凶死刑囚編」では、「敗北」によって精神が幼児退行してしまった死刑囚・ドリアンに対して、烈海王(海王でもあるドリアンの後輩)が「キャンディを買ってあげる」ことを約束する場面も。人気のシーンです。ドリアンに優しい言葉をかけながら、目に涙を浮かべる烈の姿が印象的でした。

 その後の「中国大擂台賽(ちゅうごくだいらいたいさい)編」では、柳龍光の「毒手」で死にかけた刃牙を助けるために、烈はさまざまな手を尽くします。再度「毒手の使い手」である李海王と刃牙を戦わせるという無茶な手段ではありましたが、最終的に刃牙の毒は見事「裏返り」ます。そして、烈の振る舞った食事と「14キロの砂糖水」で、刃牙の身体が完全回復した場面では、烈は「復ッ活ッ」「範馬刃牙復活ッッ」と連呼。こちらも有名な場面となりました。

■烈海王は「異世界」から帰ってくるのか?

LINEスタンプにもなった烈海王の「グルグルパンチ」の衝撃シーン!『範馬刃牙』12巻より(秋田書店)

 名言・名場面の多い烈海王は『刃牙』の「公式LINEスタンプ」でも、その言動による名シーンが多数採用されています。そのスタンプのなかでも異彩を放つのが、烈が涙を流し「ウワアアアオオォォ」と叫びながら、腕を「ブンブン」と高速で振り回して走っている姿です。

 この場面は、烈海王が3部『範馬刃牙』の「野人戦争(ピクル・ウォーズ)編」で、誇り高き名勝負を見せた際の一幕。かつてティラノサウルスを捕食していた人類の遠い先祖で、驚異的な身体能力を誇るピクルは、自分に対して向かってくる「強者」にしか興味を持たず、食べないという誇り高き性格でした。

 強敵ピクルとの対決を自ら望んだ烈海王は、「わたしが餌となっては如何か」と言い放ち対決が実現します。「中国4000年の技vsピクルの原始の肉体」の勝負のなかで、積み上げてきた武術が通じない烈海王は、「もう技術(わざ)は使用(つか)わない」と誓い、「烈海王」の名を「烈永周(本名)が護るッッ」と、技をかなぐり捨てて、上記のように腕を回す「グルグルパンチ」で泣きながら突進していったのです。

 しかし、それでも身体に染み付いていた「術」を無意識で使ってしまう烈は、自分が目指していた「烈海王そのもの」の幻影を見て、「武に身を委ねる」姿勢でピクルに連撃を加えます。最終的にはピクルの強靭すぎる身体には勝てず、烈はピクルに「エサ」として右足を食べられてしまい、病院に運ばれました。

 烈海王の敗北に終わったこの戦いですが、ネタとして愛される「グルグルパンチ」込みで、ファンの間では人気を集めています。戦いの後に目覚めた烈海王は、足を失ったことに動揺するよりも、本来は「負けたらピクルのエサになる」と誓っていたのに生き残ったことを恥じるという、気高い精神を見せました。

 その後、片足となってしまった烈は、強さを追い求めボクシングの世界へ飛び込み、アメリカで数々の強敵と戦うなど、強さに対するストイックな姿勢を貫いています。この「ボクシング」編で、烈は手にはめたボクシンググローブを拳で「突き破る」という超絶技を見せましたが、本人は「古くて大きくて傷んだグローブを選んだ」自身を責めるなど、相変わらず自分に厳しい姿勢を見せました。

 そして迎えた第4部『刃牙道』では、烈はクローンとして蘇った伝説の剣豪・宮本武蔵との一戦で、読者に衝撃を与えます。戦いに生きる男・烈海王は、武器の使用を解禁し、自分が身に付けた武術の総力を尽くして武蔵と戦いました。そして、師匠・郭海皇から伝授された奥義「消力(シャオリー)」も駆使し、武蔵に幾度も攻撃を加えますが、この勝負は最終的には烈が斬られて死亡というショッキングな結末を迎えたのです。

 しかし、長年シリーズを支えた烈海王の人気は死後も衰えず、2020年からはまさかのファンタジー色の強い異世界転生スピンオフ『バキ外伝 烈海王は異世界転生しても一向にかまわんッッ』(原作:猪原賽、原案:板垣恵介、漫画:陸井栄史)も始まって、好評を博しています。異世界のモンスター相手でも烈海王の強さは相変わらずで、範馬勇次郎が刃牙に使った技「ドレス」をゴブリンで再現するなど、武術で異世界を圧倒中です。

 ちなみに、本家シリーズの5部『バキ道』では、烈の右腕が盟友・愚地克巳の身体に移植されました。その右腕の体組織と、徳川光成率いる研究チームの「クローン技術」があれば、烈を蘇らせることもおそらく可能です。『バキ外伝 烈海王は異世界転生しても一向にかまわんッッ』でも、烈海王と出会った天草四郎が「異世界からもともといた世界への復活」の可能性があることを、ほのめかしていました。

 一部のファンの間では、烈海王の本編への帰還を予想する声もありますが、果たして、烈海王が本家『刃牙』シリーズに、「復ッ活ッ」する日はやってくるのでしょうか。

(LUIS FIELD)

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