『ワンピース』は「有名人がモデル」のキャラ多数？ 作者「単純に好きなだけ」

■尾田先生の趣味満載！？

　大人気マンガ『ONE PIECE』に登場するキャラクターのなかには、実在の有名人がモデルになっているケースもあります。実際に作者・尾田栄一郎先生が、はっきりとモデルにした人物をあげていることも有名です。

　例えば単行本68巻のSBS（質問コーナー）で、「サンジのモデルにした」と答えていたのが俳優のスティーブ・ブシェミです。映画『レザボアドックス』『パルプ・フィクション』『アルマゲドン』など、個性的な演技をする俳優として、記憶に残っている人もいるかもしれません。しかし、サンジと見比べてもあまり似ているとは思えない人物です。尾田先生も「モデルというほど似せる気もなかったですが、その人の雰囲気が出せればいいなと思っていた次第」と語っているので、あくまでも雰囲気をモデルにしたのでしょう。

　その他にも、57巻のSBSでは、尾田先生は海軍大将の青雉は松田優作さん、黄猿は田中邦衛さん、赤犬は菅原文太さんと、日本を代表する名優たちがそれぞれモデルであると尾答えています。モデルにした理由は「単純に僕が好きなだけです」と言っています。また、その後登場した新しい海軍大将・藤虎に関しても、尾田先生は74巻のSBSで「座頭市」を演じていた時の俳優・勝新太郎さんがモデルであることを明かしました。

　その他、まだ非公式であくまで「ネット上での予想の範囲」ですが、実在の人物に似ているキャラクターもいます。前述したキャラは俳優がモデルですが、「（多分尾田先生が好きな）有名ミュージシャンがモデルではないか」と言われているキャラも多いです。

　例えば、ピープリー・ルルはウォーターセブンの造船会社・ガレーラカンパニーに所属する職長のひとりで、曲がったことが嫌いな性格が仕事ぶりにも表われている人物です。サングラスと口ひげ、腕や胸の刺青が特徴的なピープリー・ルルですが、彼のモデルはロックバンド「クイーン」のボーカル、フレディ・マーキュリーなのではないかと噂されています。

　もちろん寝癖の部分は似ていませんが、筋骨隆々な身体、髪型・口ひげや、顔の輪郭はとてもよく似ています。特に、1985年のフレディ初のソロアルバム「MR.バッド・ガイ」の表紙のサングラス姿は、ピープリー・ルルそっくりです。フレディは胸毛の濃さが特徴的でしたが、ピープリー・ルルは胸毛の部分を刺青で表現しているようにも見えます。

　そのほか、「空島編」でルフィと戦った「自称」神・エネルは、太い眉毛と金髪、白いバンダナが特徴的で、世界的人気を誇るアメリカのラッパー・エミネムがモデルではないか、と推測されています。現在のエミネムは黒髪で口ひげも生やしているため、あまり似ていませんが、金髪だった頃の容姿にとても似ています。

　尾田先生はエネルのモデルを明言していませんが、SNSでは「エネルとエミネムが似すぎ」「本当にエネルはエミネムにしか見えないな」などのコメントがありました。名前の響きも、「エ」と「ネ」が被っており、モデルの可能性は高そうです。

■ジャンゴのモデルはふたりいる？

ドフラミンゴのモデルと言われているのは？『ONE PIECE Log Collection“DOFLAMINGO”』DVD（エイベックス・ピクチャーズ）

　他にも実在ミュージシャンを連想させるキャラとして、ジャンゴの名が上げられています。海賊として登場したジャンゴは、現在は海軍本部に所属する軍人です。容姿はウェーブのかかったグレーの長髪と厚い唇に、大きめの帽子をかぶっています。そんなジャンゴのモデルと噂されているのが、アメリカのロックバンド「エアロスミス」のボーカル、スティーヴン・タイラーです。

　見た目の特徴が両者とも非常に似ており、SNSでも「よく似ている」などの声が見られます。しかし同作でジャンゴがムーンウォークする姿を見せていることから、モデルは歌手のマイケル・ジャクソンだと考える人も。ジャンゴに関しても正式な見解がないので、どの人物がモデルなのかは、あくまで憶測でしかありません。

　最後に紹介する「Mr.5」は、元バロックワークスのオフィサーエージェントのひとりで、本名はジェムです。サングラスと厚い唇、ボンバーヘッドと、特徴的な容姿を持っています。そんなMr.5のモデルと推測されているのが、アメリカのシンガーソングライター、レニー・クラヴィッツです。

　特に外側に広がっている髪型が似ている気がします。このキャラも公式にはモデルは明かされておらず、推測の域を出ませんが、この他にも「ドンキホーテ・ドフラミンゴのモデルはミッシェル・ポルナレフだと思う」「ポートガス・D・エースはスティーヴィー・レイ・ヴォーンそっくり」など、海外ミュージシャンをモデルにしたと思われるキャラクターは多数おり、Mr.5のモデル予想は良いところをついているかもしれません。

　公式にモデルとして認められている人物でなくても、誰が元ネタなのかを推測して楽しめるのも『ONE PIECE』の魅力なのではないでしょうか。これからも新キャラクターが登場したら、モデルを考察してみると楽しいかもしれませんね。

（LUIS FIELD）