『ガンダム』「TVでは放送しづらい」ララァ・スンの秘められた過去
マグミクス / 2023年4月17日 6時25分
![『ガンダム』「TVでは放送しづらい」ララァ・スンの秘められた過去](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_149984_0-small.jpg)
■ララァはアムロとシャアにとって青春の過ちのシンボル
アムロとシャアの人生に大きな影響を与えたララァ・スン。彼女が登場してから一気に『ガンダム』のニュータイプ神話が加速しました。そんなララァはシャアと行動を共にするまで何をしていたのでしょうか?
この記事ではララァの過去に迫ります。
●ミステリアスなニュータイプ
1979年に放送が始まったTVアニメ版『機動戦士ガンダム』はもちろん、1981年から1982年にかけて上映された劇場版三部作においても、ララァの過去は全くの謎に包まれています。作品から彼女の生い立ちを推察することは出来ません。
しかしそれから20年ほどが経過した2000年、富野監督による小説『密会 アムロとララァ』(初出は1997年に全2巻で発売された角川mini文庫)が発売されました。そこにはララァの驚くべき生い立ちが描かれています。
●高級娼婦ララァ・スン
『密会』におけるララァはインド地区ディリーの擁護院で育ち、9歳の時に養女に出されています。彼女を引き取ったのは高級娼館「カバス」の主人。彼はララァに恋人としての規範や振る舞いなどを教育しました。ララァは17歳で初めて客を取り「女」になります。
その後、ザンジバル級機動巡洋艦の受領のためにインドを訪れたシャアが、ジオン軍人としての素性を隠してララァの前に現れました。シャアが「カバス」を訪れた理由について、小説版では「呼ばれた」など曖昧に書かれており、断定的な記述はありません。
しかしこの時のシャアは「心が荒んでいてジオンなどは眼中にない心境だった」と発言しています。シャアは一目で彼女の素質に気づき、宇宙に来るよう誘いますが、ララァは申し出を受け入れませんでした。
■「カバス」を脱走するララァ
モビルアーマー、エルメスのパイロットを務めるララァ。画像は『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 』21巻(KADOKAWA)
シャアの手を取らなかったララァですが「カバス」での生活に満足していたわけではありません。ひとりベットで目覚めたある日の朝、突如として脱走を試みますが失敗、連れ戻されそうになります。
しかしその瞬間、赤いモビルスーツが現れて追手を蹴散らしました。シャアはコクピットから金塊を詰めたトランクを投げ渡し、ララァの身柄を贖(あがな)います。全体的にテレビでは放送しづらい過去ですね。
ただし富野監督の作品とはいえ、小説版が「正史」かどうかは難しいところです。なにしろ富野監督による小説版『ガンダム』ではアムロが戦死しています。
小説版『ガンダム』3巻のあとがきにおいて「ビジュアルの仕事に対応するために、自分にはこうしかできなかった」と述べていることから、小説版が富野監督の初期構想であることが分かります。
しかし一切の制約なくアニメが制作され、アムロが戦死するシナリオが採用されていたら『ガンダム』はここまで巨大なシリーズにならなかったに違いありません。
●ルーレットの出目を予知させられるララァ
2001年から2011年まで安彦良和先生により連載された『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』では、ララァの素性が大きく変更されています。ララァはディリーの擁護院ではなく、ムンバイの大家族の元に生まれました。
しかしもって生まれた予知能力が知れ渡ったのか、悪人に連れ去られ、ジャブローのカジノでルーレットの出目を予知させられていました。その様子を目にしたシャアはララァを匿うことに。
その後、商売道具を取られた悪人がララァを奪い返しにやってくるのですが、シャアはスコップを武器に生身の格闘で撃退。この時、ララァの危険予知により、見えるはずのない背後からの攻撃に気づいてかわせた、という体験が後のニュータイプ能力覚醒へとつながります。
『密会』とは違ってこの時のふたりは若く、ララァは13歳、シャアは16歳です。
●ララァ「永遠にあなたたちの間にいたいの」
ララァ・スンという女性はアムロとシャアにとって、まさにファムファタル(運命の女)です。ララァとの出会いと別れは、ふたりの心に深い傷を刻みました。その傷は14年が過ぎても全く癒えておらず、29歳になってもアムロはララァの夢を見てうなされ、34歳のシャアはネオ・ジオンの総帥となって他の女性とベットを共にしているときも「ララァ・スン」と寝言を言う(ギュネイ・ガス談)とのこと。
もしもアムロがララァを手にかけていなかったら、シャアとの関係はどうなっていたのでしょうか。歴史のifに思いを巡らせます。
(レトロ@長谷部 耕平)
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