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子供と一緒に見づらい『まんが日本昔ばなし』の悲劇回 「夫婦仲」が悪くて娘が!?

マグミクス / 2023年4月18日 7時25分

子供と一緒に見づらい『まんが日本昔ばなし』の悲劇回 「夫婦仲」が悪くて娘が!?

■正しいことをしたのに!少女に起きた悲劇

 1975年から94年にかけて放送された『まんが日本昔ばなし』では、たまに「子供の頃に見てトラウマになった」という人が続出する、容赦のない恐怖、悲劇のエピソードもありました。今回は、ネットで「子供には見せられない」という声もある、何の罪もない少女が主人公の悲しすぎる「昔ばなし」を3つご紹介します。

 まずひとつ目は『幽霊祭』というお話で、海産物問屋を営む夫婦と、その娘の「お菊」の物語です。仲が悪い両親の喧嘩を見て心を痛めるお菊は、仲直りをしてほしいと思い、朝の暗いうちからお寺に通って「両親が仲良くなりますように」と願い続けました。

 寺の和尚には「気を長く持つように」と言われ、お菊は毎日のようにお寺へお参りをしたものの夫婦の仲は良くならず、梅雨のある日、お菊は無理がたたって倒れてしまいます。病床で「仲良くしてほしい」と両親に頼むお菊でしたが、彼らはそれでも変わりませんでした。そして、お菊はそのまま病でどんどん弱り、帰らぬ人になってしまうのです。

 亡くなった夜、お菊は幽霊になってお寺に現れると、「両親をよろしくお願いします」と和尚に告げました。それを聞いた和尚は、幽霊のお菊の姿を絵に残します。その後、お菊の両親が、娘の死を伝えにお寺へやってきます。和尚はお菊が幽霊になってお寺に現れたことや彼女の願いを伝え、不仲の両親を戒めました。

 自分たちのせいで娘を死なせたことを悔いた両親は、この出来事をきっかけに仲良く過ごしたそうです。そして、お寺では毎年のご本尊の御開帳と一緒に「お菊の幽霊の絵」を公開し、和尚が「夫婦仲の大切さ」を説くようになり、この行事は「幽霊祭」と呼ばれるようになりました。

『幽霊祭』は両親想いの娘が、悩みを抱えたまま亡くなってしまうという悲しいお話でした。夫婦が亡くなる前に娘の想いに気づき、仲直りをしていれば違う未来があったかもしれません。

 続いて紹介するお話は、『雪むかし』です。むかしむかし、この時代の北国では降り続く雪が「本当の白色」ではなかったそうです。ある時、大きな庄屋に遠い村から小さな娘が奉公に出され、娘はその庄屋の家で一生懸命働いていました。

 ある日、夜の宴会に向けた準備がひと段落して下働きの者たちが昼食を食べていたところ、旅のお坊さんが吹雪のなかで訪ねてきます。お坊さんは何か食べ物を恵んで欲しいと頼みますが、庄屋の女将さんは「すまねえがよそへ行ってくれ」と、戸を閉めてしまったのです。それを見ていた娘はこっそりとお坊さんの後を追いかけ、自分の昼ご飯を握り飯にしてお坊さんに渡します。そのお礼に、お坊さんは紅い布と鈴を娘に渡して去っていきました。

 その夜、宴会が終わって後片付けを押し付けられた娘は、片付け中にお坊さんにもらった紅い布を茶碗の上に落としてしまいます。すると汚れていた茶碗が洗ったかのように綺麗になり、別の皿も拭いてみるとその皿も綺麗になりました。そして、布の力で片付けを終えた娘が、さらにその布を顔に当てると、彼女の顔が美しくなったのです。

 その話を聞きつけた器量自慢の女将さんは布を娘から取り上げますが、鏡を見ながらその布で顔を拭くと女将さんの顔はしわだらけになってしまいます。気がおかしくなった女将さんは、娘を家から追い出してしまいました。

 吹雪のなかを鈴を鳴らしながらさまよっていた娘でしたが、自分の村ははるか遠く、雪に埋もれるように力尽きてしまいます。すると娘が持っていた紅い布から、真っ白な雪が広がっていきました。

 今の雪が真っ白なのは、この『雪むかし』に出てきた紅い布があったからかもしれません。またお皿が綺麗になったのも、顔が綺麗になったのも、娘が雪のように真っ白な心を持っていたからでしょう。悲しいお話ですが、「くすんだ白色」の雪が「純白」に変わっていく美しいアニメーションが、人気のエピソードです。「心の醜さが顔に現れることを教えてくれた作品」と、物語に含まれた教訓も評判ですが、正しいことをした娘が死んでしまうこのお話は、小さい子供にはまだ見せられないかもしれません。

■「リメイク」でより悲しくなったエピソード?

『もの言わぬお菊』のリメイク元『キジも鳴かずば』が収録された「まんが日本昔ばなし BOX第7集」(東宝)

 3つ目は『もの言わぬお菊』です。1992年9月26日に放送されたこちらのエピソードは、1976年5月15日放送のお話『キジも鳴かずば』のリメイクで、少女の名前(お千代→お菊)が変わり、少女の親も片親(父)から両親に変わっています。

 貧しい家に育った「お菊」は流行り病にかかり、幾日も高熱で命も危ぶまれる状態になってしまいました。病で娘の先が長くないことを察した母が、「欲しいものはないか」と聞くと、お菊は自分がこの世で唯一知るおいしい食べ物、「赤いまんま(小豆ご飯)」を食べたいと答えます。それを聞いた父は家を出て、一握りの小豆をもって遅くに帰宅し、小豆ご飯を食べたお菊の体調はみるみると回復しました。

 その後、元気になったお菊が「『小豆まま』食べた」と口ずさみながら遊んでいると、村の役人に「お前、小豆まま食ったのか?」と質問されます。そして、お菊が両親のもとへ走って逃げると、後を追ってきた役人はそのまま父を連れて行ってしまいました。

 実は父から「小豆ままを食べたことを外で言ってはいけない」と口止めされていましたが、お菊は元気になってつい歌でバラしてしまったのです。お菊が食べた小豆は父が地主様の蔵から盗んできたもので、父が小豆を盗んだという噂はたちまち村中に広がってしまいました。しかも、父は本当はひとすくい程度の小豆しか盗んでいなかったのですが、地主は「一俵分を盗んだ」と、大げさにしてみんなに伝えてしまうのです。

 お菊の家は、村中から白い目で見られるようになります。そんなある日、大雨で村にある橋が流されてしまうという出来事が起きました。そして、これ以上橋が流されないよう、地主の占いによる提案で、生きたままの人を柱の下に生き埋めにする、「人柱」を立てることになったのです。盗みを犯したお菊の父は村人の総意で人柱に選ばれ、生き埋めになってしまいました。

 自らが歌ったことをきっかけに父を失ってしまったお菊は、この日を境に一切口を開かないまま成長します。母が口を聞くように頼むも、お菊は喋らず、歳月が流れて彼女は15歳の美しい娘になりました。

 ある日、お菊が山へ薪を拾いにいくと、銃声とともに1羽のキジが目の前に落ちてきました。お菊は銃で撃たれてしまったキジに、「お前も鳴かなかったら、撃たれはしなかったものを。おら、口で歌ったばっかりに、おっ父が人柱にされただよ」とつぶやきます。お菊は、その一言を残し、その後再び口を閉ざしてしまったそうです。

『もの言わぬお菊』の大まかな話は、『キジも鳴かずば』と同じです。ただ、『キジも鳴かずば』は父が死んで娘の身寄りがなくなるのに対し、『もの言わぬお菊』の方はまだ母親が一緒に暮らしているのに娘が口を聞かなくなってしまう、『キジも鳴かずば』では娘が最後にしゃべってから姿を消してしまうのに対し、『もの言わぬお菊』ではその後もお菊は村で黙ったまま暮らし続ける、などの違いがあります。

 どちらも人気のエピソードですが、人によっては「残されたお母さんが不憫」「ずっと村で暮らし続けるという点が、よりリアルで想像するとキツい」など、『もの言わぬお菊』の方が悲しい、という意見もあるようです。

(LUIS FIELD)

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