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昔憧れたアニメキャラの髪型は再現できる? 現役美容師「ありえないけど無理じゃない」

マグミクス / 2023年4月24日 17時25分

昔憧れたアニメキャラの髪型は再現できる? 現役美容師「ありえないけど無理じゃない」

■ゴージャスな巻髪は、少女たちのあこがれ!!

 オスカル、お蝶夫人、峰不二子、ラムちゃん……昭和世代が子供の頃、あこがれたアニメキャラクターは数多くいます。彼女たちみたいになりたいと、ファッションやヘアスタイルを真似してみたことはありませんか? 今や、アニメキャラクターなどのコスプレは日本が世界に誇る文化となり、ハロウィンだけでなく、イベントやお祭りでは、老若男女、誰でも気軽に仮装できるようになりました。

 そこで今回は、子供の頃にあこがれたアニメキャラクターのヘアスタイルを実現するにはどうすればいいのか、エレガントでゴージャスなヘアスタイリングとメイクを得意とする美容師のTanieさんにお話を伺います。

 Tanieさんは、「Hair&Make OFFICE TANIE」(大阪・心斎橋)の、オーナースタイリストです。「一期一会」と、お客様との出会いを大事にするTanieさんは、ご自身もさまざまなウイッグを使ったヘアスタイリングを披露しています。

ーーTanieさんは、つい先日、ご自身も、オスカル(『ベルサイユのばら』のキャラ 著:池田理代子)の格好でパーティに参加したそうですが、アニメキャラクターのヘアスタイルをする際の一番の注意点は何ですか?

Tanieさん(以下、敬称略)「アニメキャラクターのヘアスタイルを現実化しようとすると、実は、とても大きな問題があるんです。それは、『毛量』。一般的な人の毛量では、全然ボリュームが足りません。」

ーー解決策はありますか?

Tanie「ウイッグや付け毛を使えばいいんです! それなら、髪の毛の量も長さも自由自在ですから。ウイッグを1個、頭にポンと乗せておしまいってことじゃないですよ。前髪と後ろで2個使ったり、左右で1個ずつ使ったりします。それに、キャラクターによっては、髪の色も大切なポイントなので、いちいち染めたり、スプレーで色付けたりするより、ウイッグや付け毛を使うほうが手軽だし、なにより完成度が高くなります。」

ーーでは、幼い頃に多くの人があこがれたキャラクターの髪型について、個別でうかがっていきます。まずは、ゴージャスな巻髪にあこがれた『エースをねらえ!』の、「お蝶夫人(竜崎麗香)」のヘアスタイルにするには?

Tanie「本当にお蝶夫人に似せようと思ったら、一般的な毛量ではとても無理です。ただ単に髪を縦ロールにしても、ボリュームがないと貧相になってしまいますからね。でも、やり方を考えれば、付け毛を使ってできないことはありません。」

ーーぜひ、そのやり方を教えてください。

Tanie「後ろでくくって、大きなリボンを付けているヘアスタイルなら作りやすいと思いますよ。大きな縦ロールに巻いた状態でも、後ろ髪が背中までかかっているでしょ? つまり、髪の毛の長さとしては、腰まで必要ということなんですよ。だから、リボンの部分から先は、付け毛にするのが現実的です。」

ーー縦ロールはどうやって再現すればいいですか?

Tanie「これは、前も横も後ろも、全体を『内縦巻き』にします。ヘアアイロンで、顔側に向かって巻いていくんです。あと、大切なのが前髪と横の髪。これ、重要です。」

ーー縦ロールだけじゃなくて?

Tanie「そうです。前髪を作らないと、老けて見えるんですよ。ちょっとだけでも、おでこにかかっていないと。お蝶夫人も、センターにくるくるっと、やはり前髪に巻き毛があるでしょ。」

ーーあと、横の髪の毛というのはどの部分を指しますか?

Tanie「耳の前、頬にかかっている髪の毛のことです。これは、1970年代の人気アイドル、麻丘めぐみさんがやって流行した「お姫様カット」と呼ばれるものです。ただのおくれ毛じゃなくて、カットしてワンポイントを作っています。お蝶夫人の場合は、その横の毛も縦ロールにしていますけどね。」

ーーなぜ、横の毛が必要なんですか?

Tanie「かわいいでしょ~。最近の若い子たちの、『触覚ヘア』も同じですよね。前髪の横の髪を顔に沿うようにたらすことで、輪郭や目の横の部分を隠して、小顔にするために作っているんです。あと、アニメやマンガだと、横の髪の毛があったほうが、「動き」が付けられるからでしょうね。お蝶夫人も、あの横の髪の毛や縦ロールがなびくから、テニスの試合でも躍動感や迫力が出ています。」

■浅倉南のヘアスタイルは案外難しい!?

DVD『タッチDVD COLLECTION』2巻 (C)あだち充/小学館・東宝・ADK

ーー『ベルサイユのばら』のオスカルはどうでしょう? オスカルのブロンドの髪も躍動感があって、かっこよくてあこがれました。

Tanie「オスカルは、ロングレイヤーの金髪ですが、これも毛量がとても多くないとできません。宝塚歌劇団で上演するときも、ウイッグですよね。地毛ではかなり厳しいです。もし、地毛でやるなら、レイヤーという大きく段をつけたカットで、ランダムにカールを付けることになります。

 髪の毛の長さでいえば、オスカルも長いですよ! 背中まであります。カールを付けても背中まであるということは、腰までは必要ですね。もちろん、美しいブロンドというのもマストなので、ウイッグを使うのが現実的でしょうね。」

ーーその他、アニメやマンガのキャラクターで、実現するのが比較的簡単そうなのは、どのキャラクターですか?

Tanie「『銀河鉄道999』のメーテルは、毛量が少なくても大丈夫なので、やりやすいかもしれません。ただ、問題は長さですよね。膝くらいまでないと雰囲気出ないですから、付け毛で再現する方がいいと思います。メーテルも、ただのストンとしたロングヘアーじゃなくて、お姫様カットで横の髪の毛があるのがポイントですね。彼女の場合、衣装や帽子など小物で似せられるので、コスプレとしては初心者でもやりやすいと思いますよ。」

ーー他にはいますか?

Tanie「ほかに、『美少女戦士セーラームーン』の月野うさぎも、『毛量はいらないけど、長さがいる』タイプの髪型のキャラクターです。アニメで見ると、前髪というよりも、フロント部分にショートカットみたいにボリュームを付けてあります。『ショートのかわいさも出しつつ、ロングヘアのアレンジで躍動感をプラス』ということなんでしょうが、ただ、そこはあまり深追いしなくてもいいです。高い位置のツインテールとお団子があれば、セーラームーンに見えますよ。

 あとは、ツインテールの先に、思い切って長い付け毛をプラスして完成です。うちの娘にもよくやってあげました。子供の場合は、1mくらいの付け毛で十分ですが、大人の場合は、膝くらいまでの長さに調整してください。そのくらいあった方が、雰囲気が出ます。そして、金髪にすれば完璧です。」

ーー金髪じゃなくて、地毛でできそうなキャラクターはいませんか?

Tanie「髪の毛が多めの人なら、『ルパン三世』の峰不二子や、『タッチ』の浅倉南がやりやすいでしょうね。峰不二子は、厚めの前髪のあるロングのレイヤーカットで、無造作にカールを付けます。実写版で峰不二子さんを演じた黒木メイサさんは、前髪をおろしていなかったので、不二子ちゃんらしさが半減していた気がしますね。

 髪色は……そうですね、峰不二子の場合は色々と変装もするという設定だから、限定した色ではなくても、黒や暗い茶色、赤毛っぽいのも雰囲気が出るでしょうね。髪の毛のボリューム感がやや欠けるという場合は、逆毛を立ててフワッとさせるという方法もありますが、その場合も、髪の毛にハリがないとキープできません。スプレーを1本使いきるような覚悟で、よほどガチガチに固めるとかね。そしてやりやすいということで言えば、一番は『タッチ』の浅倉南ですね。」

ーー南ちゃんのヘアスタイルは、ソフトなおかっぱですか?

Tanie「いえいえ。これは、『聖子ちゃんカット』ですよ。ちょうど聖子ちゃんカットがはやった時代でしょ。でも、浅倉南は学生だし、優等生です。だから、サイドを過剰に流すようなセットはせず、『学生らしい聖子ちゃんカット』になっているんじゃないかと思いますよ。そういう当時のアイドルの流行りが盛り込まれているから、かわいいと人気が出たんでしょうね。

 肩のまでの長さのヘアスタイルは、一番ボリュームが出やすいので、毛量問題も緩和されますし。そして、浅倉南のヘアスタイルのポイントは、前髪を厚めにおろして、目のギリギリの長さにすることです。浜崎あゆみさんをお手本にすると、いいかもしれません。眉毛を隠して、目線ギリギリの長さにするんです。」

ーーやはり「毛量」が一番の問題なんですね。

Tanie「アニメやマンガで見ると分からないけれど、フィギュアで見ると、毛量の多さがよくわかりますよ。『うる星やつら』のラムちゃんのヘアスタイルはかわいいですけど、そもそも髪の毛が毛先に向かっていくにつれてボリュームがあるというのが、普通ではありあえないです。

 髪の毛は、乾燥などで下の方が広がる場合もありますが、基本的には毛先へいくほど少なくなって、細くなるのが当たり前。アニメやマンガのキャラクターみたいに、健康そうなツヤツヤの髪で、毛先にボリュームが出て膨らんでいるのはありえないんです。ちなみにラムちゃんの髪にしようと思ったら、ブルーのウイッグにツノのカチューシャを付けて、やはり横の髪の毛、彼女の場合は、『太い触角ヘア』を作るのがポイントですね。」

 アニメやマンガの女性キャラクターは、「当時の流行り」をうまく取り入れて、視聴者や読者から「愛されるキャラ」になるよう、作られていたのでしょう。また、顔の「横の髪の毛」の大切さは、新たな発見でした。これからアニメキャラの髪型を再現してみたい人は、ぜひ参考にしてください。

(山田晃子)

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