「離脱勢は知らない」最終回が良かった2023冬アニメ・3選 「最高だった」「リコリコ以来かも」

■「やっぱりめっちゃ最高だった尊い（早口）」

　2023春アニメが続々と放送を開始していますが、2023冬アニメを見ていた皆さん、何作品完走しましたか？　春アニメの開始とともに、最終回手前で視聴が止まっているアニメもあるのではないでしょうか。しかし、2023冬アニメには、最終回こそ見てほしい名作が複数ありました。

　この記事では、最終回が良かった2023冬アニメを3作品ご紹介します。SNSでも「この感じ、リコリコ以来かも……..」「作画も神だった」と評判です。

※この記事には、最終回に関する内容が含まれます。

●『お兄ちゃんはおしまい！』第12話「まひろのおしまいとこれから」

　ぐうたらでポンコツなダメニート男子・緒山まひろ（おやま・まひろ）。引きこもりのまひろはもう2年も外に出ず、いかがわしいゲームばかり楽しんでいました。そんなある日、まひろが目を覚ますと、鏡には知らない女の子が。

　混乱するまひろの前に、天才科学者である妹・緒山みはり（おやま・みはり／CV：石原夏織）が現れます。みはりは怪しげな研究のために、まひろに怪しげな薬を盛り、女の子にしてしまったのでした。みはりは、まひろの「女の子生活」をサポートしつつ、ダメニートから卒業させようとして――？

『お兄ちゃんはおしまい！』は、同名マンガ（作：ねことうふ／一迅社）を原作としたアニメです。女の子になってしまい悪戦苦闘するまひろと、彼女を取り巻くクラスメイトたちが、楽しくドタバタする本作。最終回では、女の子生活に慣れてきたまひろに、まさかの展開が訪れます。

　最終回では、まひろたちは一泊二日の温泉旅行へと出かけます。食べ歩きや足湯を平和に楽しんでいた一行ですが、温泉旅行のメインといえばもちろん「温泉」。「女の子同士なんだから」と、どんどん脱ぎだす女子たちにあわてながら、まひろもなんとか離れて温泉に入ります。しかしそこで、まひろの身体にとある異変が。

　放送期間中もその作画クオリティの高さに定評のあった本作。最終回は特に作画に力が入っており、それだけでも「見ていて楽しい」と思えるでしょう。また、みはりの「お兄ちゃん改造計画」にも、ひとつの契機が訪れます。その行く末にも注目です。

　なお、最終回のエンディングとエンドカードには、これまで出てこなかった謎の女子が登場。このタイミングで新キャラが描写されたことに、「これは2期が楽しみ」と続編制作を期待する声も上がっています。この作品は、「dアニメストア」「Amazonプライム・ビデオ」「U-NEXT」などで見ることができます。

●『もういっぽん！』第13話「もういっぽん！」

『もういっぽん！』ビジュアル　(C)村岡ユウ（秋田書店）／もういっぽん！製作委員会

　青葉中学校柔道部、最後の試合に臨んでいた園田未知（そのだ・みち／CV：伊藤彩沙）と滝川早苗（たきがわ・さなえ／CV：安齋由香里）。「この試合で柔道をやめる」と決めていた未知でしたが、最終試合は無残にも一本を取られ、負けてしまいます。

　それから9か月後、未知と早苗は青葉西高校に無事合格。「高校では彼氏作って、甘酸っぱい3年間を送るんだ」と意気込んでいた未知ですが、中学の最終試合で負けた相手・氷浦永遠（ひうら・とわ／CV：三浦千幸）も青葉西に入学していたのでした。休止中の柔道部を再開させるため、永遠は未知と早苗を柔道部に誘って――？

『もういっぽん！』は、同名マンガ（作：村岡ユウ／秋田書店）を原作としたアニメです。高校で一から柔道部を再生した、女子高生たちの熱い青春を描く本作。恋愛要素も特になく、仲間たちとひたむきに切磋琢磨する様子は、王道少年マンガのようです。最終回では、高校柔道三大タイトルのひとつ「夏の金鷲旗」での試合が描かれます。

　柔道の腕を磨くだけではなく、柔道を通して内面を成長させていく未知たち。そのまっすぐさと一生懸命さは、見ているこちらも息をのむほどです。最終回では、「夏の金鷲旗」3回戦で、永遠が留学生のエマ・デュラン（CV：関根明良）との死闘を繰り広げます。

　エマはこれまで試合に出ていないため、その強さは未知数。ただ、その恵まれた体格と、会場の雰囲気を自分のものにする自由さは、強敵であることを感じさせます。そして、最終回にふさわしく作画のクオリティも上がり、試合の緊張感や躍動感も高まっています。果たして、永遠は勝利を勝ち取れるのでしょうか。

　勝ち負けだけではなく、「柔道って楽しい！」という気持ちに焦点を当てている本作。部員同士の友情や絆もまぶしく、心洗われる最終回となっています。エンディングテーマの映像が、第1話の伏線を回収している点にも必見です。この作品は、「dアニメストア」「Amazonプライム・ビデオ」「U-NEXT」などで見ることができます。

■超甘々展開の集大成は？

●『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』第12話「臆病だった自分にさようならを」

TVアニメ『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』新キービジュアル　(C)佐伯さん・SBクリエイティブ／アニメ「お隣の天使様」製作委員会

　とある事情からひとり暮らしをしている、高校1年生の藤宮周（ふじみや・あまね／CV：坂泰斗）。人づきあいが苦手な周がひとりで下校していると、雨の中、学校一の美少女・椎名真昼（しいな・まひる／CV：石見舞菜香）を見かけます。真昼は、傘もささず公園のブランコにひとり座っていたのでした。

　真昼に傘を貸した周でしたが、その結果周は、体調を崩してしまいます。見かねた真昼は、周のマンションに傘を返しに来ました。「借りは返します」と、看病のために自分の部屋に戻った真昼。彼女は、周のマンションの隣の部屋に住んでいて――？

『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』は、同名ライトノベル（著：佐伯さん、イラスト：はねこと※第2巻以降／SBクリエイティブ）を原作としたアニメです。「天使様」と呼ばれるほどの美少女・真昼とぶっきらぼうな周の、甘い学園ラブコメである本作。最終回では、ふたりの関係に決定的な変化が訪れます。

　傘の貸し借りから、交流が始まった真昼と周。最初はつっけんどんな態度を取る真昼でしたが、看病の際に周の自堕落な生活を見てから、何かと周の世話を焼くように。晩御飯を作って一緒に食べたり、周の部屋を真昼が代わりに掃除したりと、「押しかけ女房」も真っ青な甘い生活が始まります。

「クラスの人気美女がお隣さん」「しかもお互いひとり暮らし」という、うっかり砂糖を吐きそうなほど甘い設定ですが、ふたりの甘さはそれを超えてきます。しかしなかなか付き合わず、最終回まで悩む周。場面は運動会へと移り、借り物競争に出たふたりは、お互いを借りてゴールします。そしてお互いのお題が周知され、クラスメイトたちも驚くことになり――？

　昨今珍しいほどの甘々展開ですが、最終回も視聴者の期待を裏切らない展開に仕上がっています。真昼の歌うエンディングテーマが変わっていることも、彼女の心情を表しているといえるでしょう。この作品は、「dアニメストア」「Amazonプライム・ビデオ」「Netflix」などで見ることができます。

＊　＊　＊

　各作品の集大成である最終回。見逃している作品があった方は、春アニメの合間にぜひご覧ください。きっと、「見てよかった」と幸せな気持ちになれるはずです。

※配信状況は記事掲載時点のものです。

※本文の一部を修正しました。（2023.4.25 18:30）

（新美友那）