「原作改変」が物議をかもしたアニメ 「鬱展開が弱くなった」「現代的になりすぎ」
マグミクス / 2023年4月26日 12時15分
![「原作改変」が物議をかもしたアニメ 「鬱展開が弱くなった」「現代的になりすぎ」](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_151634_0-small.jpg)
■監督はキャラを死なせたくなかった?
現在放送されている多くのアニメ作品は、原作マンガ、小説などをベースにして制作されています。オリジナル作品を制作するよりも、人気のあるマンガやライトノベルなどをアニメ化することで、ストーリーを最初から考える手間を省けるだけでなく、需要も高まります。しかし、こうしたアニメ作品であっても、原作とは異なる展開や構成が採用され、原作を知っているファンからは、賛否を呼ぶ展開になることも少なくありません。
一例を挙げると、2007年にTVアニメ化された『ぼくらの』は、原作を改変して賛否を呼んだアニメ作品です。原作は鬼頭莫宏先生によるSFマンガで、平成22年度(第14回)「文化庁メディア芸術祭マンガ部門」で優秀賞を受賞した人気作品でした。主題歌の「アンインストール」も、有名です。
物語の舞台は近未来で、15人の少年少女たちが巨大ロボット「ジアース」に乗り、パイロットの命を犠牲にしながらも地球を守るために、地球を襲う巨大な敵と戦うという過酷なストーリーです。勝つか負けるかによって地球の存亡がかかるだけでなく、一度ロボットを操縦すればどのように転んでも、命を落としてしまう状況に置かれるという鬱展開も話題になりました。
『ぼくらの』は原作とは後半の展開が異なり、例えばパイロットとしてジアースを操縦する順番が違ったり、登場キャラの死亡原因が変更されていたりと、ストーリー展開などにさまざまな相違が見られます。アニメ放送中には内容の改変に対し、原作ファンから「原作者に失礼」「改変して面白ければいいけど」など、多くの意見がアニメ監督である森田宏幸氏のブログに寄せられました。
森田監督はブログに「原作が嫌い」と原作を否定するようなコメントをしましたが、後に「原作ファンの人たちの気持ちを考えずに発言し深く反省しました」と謝罪することになりました。森田監督には、作中に登場する子供たちを「全員は死なせたくなかった」意図があったようです。良くも悪くも多くの反響があるのは、『ぼくらの』の人気ゆえなのでしょう。
続いて、アニメの完結が近付く『進撃の巨人』においても、2014年に放送されたアニメ第1期でのワンシーンに、賛否がありました。第23話で、主人公・エレンたちの同期・アニ「が「女型の巨人」の正体だったと発覚します。ここでミカサに問い詰められたアニは、恍惚の表情を浮かべて高笑いをし、突然狂ってしまったかのような反応を見せました。
ところが原作で描かれているアニは、同じシーンで「薄笑いの表情を浮かべるだけ」という全く対照的な反応を示しています。このアニのワンシーンの改変を提案したのは、原作者の諫山創先生自身で、諌山先生のブログによると、単行本が世に出た後に「もっとこうしたかった」という心残りから描写が変更されたようです。監督からは原作の感じが好きだと言われたものの、諫山先生は「アニはもともとは『普通の人間」だった」という描写にしたかったそうです。
問題のアニのシーンは多くの賛否が飛び交っていましたが、ネット上では「また違う楽しみ方ができて新鮮でした」「アニメオリジナルも随所に出てきたら、世界観も広まり楽しく見られそう」など肯定的な意見も散見されました。
岩明均先生の『寄生獣』は、1993年には講談社漫画賞、1996年には星雲賞コミック賞を受賞し、実写映画も公開された90年代を代表する名作マンガのひとつです。2014年から『寄生獣 セイの格率』のタイトルでアニメ化された際に、キャラクターや世界観が90年代の舞台背景から現代的に変えられたことが、賛否を呼ぶきっかけとなりました。
例えば主人公の高校生・泉新一は原作ではキリッとしたイケメン男子ですが、アニメの新一は眼鏡を掛けていて、性格も暗くなっています。制服も原作は学ランですが、アニメはブレザーです。新一の彼女・村野里美の髪型も、アニメではおでこを出していて、原作とは違う髪型になっています。さらに原作にはないスマートフォンが出てきたり、パソコンが登場したりと、時代に合わせて原作を改変したため、原作ファンの間で「90年代設定のままでもよかったのでは」という意見も出たようです。
アニメ放送中は、賛否の声がネット上にもありましたが、最終的には「最終回は原作にほぼ忠実で良かった」「最終回の作画はキレイだったなぁ」と好評のうちに終わっています。最終回の満足できる仕上がりに、納得したファンもいたようです。また、新一のビジュアルも、寄生生物・ミギーとの融合や成長に合わせて原作に近付いていっており、変化を現すために最初は原作と変えていたことが分かってからは、「いい改変」とも言われています。
(LUIS FIELD)
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