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ファンが絶句した二大「全滅エンド」アニメ 視聴率不振で打ち切り?

マグミクス / 2023年4月26日 6時25分

ファンが絶句した二大「全滅エンド」アニメ 視聴率不振で打ち切り?

■視聴者「唖然」のラスト

 主人公が死んだり、負けたりするだけでは飽き足らず、敵も味方、さらには人類までも「全滅」させてしまったアニメ作品があります。今回、ご紹介したいのは「全滅エンド」の両巨頭と言ってもいい2作品、『伝説巨神イデオン』と『宇宙戦士バルディオス』です。この両作品には、ある驚きの共通点がありました。

●ラスト1分の衝撃『伝説巨神イデオン』

「全滅エンド」といえば、真っ先に多くの人が思い出すのが『伝説巨神イデオン』でしょう。富野由悠季監督は「皆殺しの富野」という異名がありますが、その恐ろしさがアニメファンの間に知れ渡ったのは本作品あたりからだと思います。

 地球人とバッフ・クラン人によるちょっとした行き違いから始まり、誤解が積み重なって、不幸すぎる星間全面戦争が描かれた本作品の最終回は39話「コスモスに君と」。すでにコスモたち地球人類が乗るソロシップ・クルーのフォルモサ・リンや、敵側バッフ・クランから寝返ったギジェ・ザラルらが絶命していましたが、最終回ではついに「イデ」の力が顕現。ヒロインであるカララ・アジバとソロシップのメカニックであるイラ・ジョリバが、バッフ・クランの巨大戦艦にテレポートさせられてしまいます。

 カララから妊娠の事実を知らされたカララの父、ドバ・アジバ総司令は激昂。カララの危機を察知したジョーダン・ベス(カララを妊娠させた人)はソロシップを巨大戦艦に特攻させます。激闘の末、カララとジョリバはイデオンによって救出されましたが、ドバが追撃の指令を出した瞬間、「イデ」が発動。宇宙は光に包まれ、地球の人々もバッフ・クランの人々もひとり残らず滅亡して終わりました。

 唐突な「全滅エンド」の原因は視聴率低迷による打ち切りです。39話の脚本の最後の1分を富野監督が書き換えて完結させたのです。最終回の脚本を書いた松崎健一さんは富野監督から書き換えを告げられていたものの、テレビの前でラスト1分を見て「えーっ!」と驚いたそうです(『イデオンという伝説』より)。

 その後、スタッフが制作を主導、ファンからも熱望された劇場版『THE IDEON 接触篇』と『THE IDEON 発動篇』が公開。最終回の完全版とも言える『発動篇』では、少女のキッチ・キッチンが爆発して四散、幼女のノバク・アーシュラが頭を吹き飛ばされて死亡するなど、徹底した殺戮が行われました。ラストは「イデ」が発動、すべての人間が「因果地平」へと飛ばされていきました。

■30億人が死亡する衝撃の「全滅エンド」最終回

「MODEROID 宇宙戦士バルディオス バルディオス」(グッドスマイルカンパニー)

●「完」の衝撃『宇宙戦士バルディオス』

「全滅エンド」アニメのもうひとつの雄といえば、『宇宙戦士バルディオス』でしょう。放射能で汚染された星の人々と地球の人々、その両者の狭間に立ちながら合体ロボ・バルディオスで戦うマリン・レイガンの姿を描きます。

 最終回は31話「破滅への序曲」。侵略者・アルデバロンは、ついに地球人抹殺作戦を開始します。地球を核の放射能で汚したくないアルデバロンは、人工太陽を使って北極と南極の氷を溶かす作戦を実行します。

 全世界で大津波が発生。バルディオスは何もすることができません。エンディングテーマ「マリン、いのちの旅」に乗せて、都市が崩壊し、人々が死んでいく様子がえんえんと映し出されます。こうして地球は水没し、30億の人々が死んでしまいました。真っ赤な背景にでかでかと現れた「完」の文字に、小学生の頃にリアルタイムで視聴していた筆者は呆然とするしかありませんでした。

「全滅エンド」の原因は視聴率不振による打ち切りです。「破滅への序曲」は実は32話で、34話まで完成していましたが放送することはできませんでした(後にLD、DVDに収録)。その後、劇場版『宇宙戦士バルディオス』も公開されています。こちらは中盤で大洪水が発生、さらに50万メガトンの核兵器で地球が汚染されてしまうという、より悲しい展開になっていました。

 さて、打ち切りによる「全滅エンド」から劇場版での完結という似通った運命をたどった『伝説巨神イデオン』と『宇宙戦士バルディオス』ですが、もうひとつの大きな共通点として、放送期間が完全に被っていたことが挙げられます。

 まず、両作品とも放送されていたのは、1980年半ばから81年1月にかけてのことでした。『機動戦士ガンダム』の大ヒットを受けて、ティーン向けにハードな設定のアニメが模索されていた時期だったのです。

 関東地方で『バルディオス』の最終回が放映されたのは81年1月25日。『イデオン』の最終回が放映されたのは同年1月30日でした。『バルディオス』の最終回で呆然とした視聴者は、わずか5日後に、『イデオン』の最終回でまた呆然としたはず。きっと、当時のアニメファンは心が強かったのでしょう。

 ちなみに『バルディオス』が放送された直後に『イデオン』が放送されるというすさまじいプログラムになっていた地方もいくつかありました。はたして最終回が連続放送された地域はあったのでしょうか。想像するだけで恐ろしいです。

(大山くまお)

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