大谷選手もお手上げ? どう考えても理不尽だった昭和の「野球ゲーム」たち
マグミクス / 2023年4月25日 21時10分
■作り手も遊ぶ側も「手探り」だった? ファミコン時代の野球ゲーム
野球好きであれば、一度は野球ゲームをプレイした人も多いでしょう。1980年代はファミコンがブームとなり、野球ゲームが多く誕生した年代でした。しかし、なかには野球のルールを完全に無視したシステムや、調整が不十分なゲームバランスの作品も存在します。理不尽なバグにより、メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手でも「お手上げ」なのでは……と思えるゲームもありました。
最初に紹介するのは、現在のリアル志向の野球ゲームの先駆けともいえる『燃えろ!!プロ野球』です。当時熱中した方も多いはずですが、「ゲームシステムに多くのツッコミが入ってしまうクソゲー」として認知されていました。
もっとも有名なのが、強打者ならバントの構えでバットにボールが当たるだけでホームランになってしまうという「バントホームラン」です。野球を根底から覆してしまうこの仕様は、ある意味後世に語り継がれる伝説となり、今なおSNSでも「当時、バントホームランは衝撃でしたね」など、多くのコメントがあがっています。
同作品は動作や演出で野球のリアルな魅力を再現しようと工夫しており、この点はとても評価できます。しかし、これが逆にプレイのテンポを悪くしてしまう原因に。たとえばキャッチャーがピッチャーにボールを返す演出や、ピッチャー交代時にリリーフカーでゆっくり登場してくる演出など、あらゆる動作に時間がかかり、プレイヤーを困らせました。
多くの人からクソゲーと呼ばれたゲームですが、現在はネット上で「昔はイライラしたけど今は憎らしいほど愛おしい」「燃えプロ、イライラしながらプレイしたい」など前向きなコメントが多く、多くの人に愛されている野球ゲームだということがわかります。
続いて紹介する『プロ野球ファミリースタジアム』(ファミスタ)は、現在も新作が登場続けるヒット作です。しかし、1986年に発売された初代『ファミスタ』はまだ完璧ではなく、プレイした人をイライラさせたこともありました。
酷評が集まったのは、守備選手の足が極度に遅く、下手するとランニングホームランが連発してしまうほどの「バランスの悪さ」です。また、外野のポール際に謎の穴があり、その穴にボールが入るとなぜかホームランになってしまいます。このバグは「ポール下の穴」と揶揄されるほど話題を集めました。
そして、「タイム」のタイミングによってはピッチャーが画面から消えてしまい、「投球が全てボールになって延々と得点し続ける」というバグが発生したこともありました。SNSでも「ファミスタで友達と遊んでいたらバグが発生して敗北。ストレスが溜まった思い出がある」など、バグにイライラした経験を語る人も。
しかし、そうしたバグやバランスの悪さを差し引いても、秀逸だったゲームシステムは評価され、最新作に至るまで大きくかわらずに引き継がれています。「初代ファミスタは設定がかなり雑だったが、今でも神ゲーム」という評価も少なくありません。続編ではゲームバランスの悪さやバグが改善し、今では名作シリーズといってよいほどの知名度を誇る野球ゲームとなりました。
■「リアルさ」をとことん追求した結果は?
リアルさを追求しすぎてクセが強くなったファミコン野球ゲーム『スーパーリアルベースボール』(バップ)
多くの野球ゲームがファミコンで誕生するなか、野心的な作品だったのが『スーパーリアルベースボール』(バップ)です。最大の特徴は、登場する球団名と選手名が実名だったことでした。他のゲームに比べ、リアルさを打ち出したからこそ、ファンの期待も高い野球ゲームだったのです。
しかし実際にプレイしてみると、操作にとんでもなくクセがあることを実感するのです……。投球は投げる動作だけでなく、球を離す瞬間にもボタン操作が必要で、変化球を投げる際には短い時間で十字キーを連打しなければいけませんでした。
またバッティングでは、投手が1球投げるたびにボタンを押してバットを構え直さなければバットを振ることができません。クセの強さは守備でも健在で、ボタンを押しっぱなしにしないとボールをキャッチできず、さらにベースにいる野手にボールを投げた際にも、タイミングをあわせてボタンを押さないと捕球できない……といった具合です。
ネット上では、「野球ゲームの単純な操作系統を複雑にしたことが致命的」「リアルベースボールと謳いながら、変化球は打者の背中を通過するありえない曲がり方」など、評価は散々です。あまりにもリアルな野球ゲームを追求しすぎた結果、ズッコケてしまったのでした。
野球好きなら、憧れの選手をゲームで動かして好プレイが出たときは喜びもひとしおです。現在遊べる新しい野球ゲームからは想像がつかないファミコン野球ゲームの不完全さが、今では懐かしく愛おしいと感じる人も多いようです。
(LUIS FIELD)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
日本人が熱狂する「野球」はこうして生まれた…大谷翔平が活躍するアメリカで「ベースボール」が誕生した“知られざる経緯”
文春オンライン / 2024年5月30日 11時0分
-
【阪神】失投を長打にできるかどうか「4番のバッティングの差」...負け越した"伝統の一戦"を掛布雅之氏が振り返る 28日に始まる『交流戦』の注目ポイントも解説
MBSニュース / 2024年5月27日 23時19分
-
「チャンスに強い人」は、なぜ強いのか…実力は王貞治以下だった長嶋茂雄が圧倒的人気を誇った本当の理由
プレジデントオンライン / 2024年5月24日 16時15分
-
なぜ今メジャーでは「大きい変化球」が流行りなのか メジャー9年目・前田健太が指摘「以前とは全く違う」
J-CASTニュース / 2024年5月22日 17時8分
-
【阪神】完封の才木投手は「進化の途中。まだまだ伸びる要素あり」 失点した虎の守護神2人は大丈夫?能見篤史氏が解説
MBSニュース / 2024年5月13日 23時25分
ランキング
-
1iPhoneへの「マイナンバーカード」にまつわる誤解を解く プラスチックカードより安全だが課題もある
ITmedia PC USER / 2024年5月31日 18時0分
-
2DMMからビットコイン482億円分が不正流出
ITmedia NEWS / 2024年5月31日 22時35分
-
3「僕らが何を言われてもいい」仮面ライダー俳優、余命1カ月の少年の下に訪れる ディケイド俳優も「君の世界に通りすがりに行きます」
ねとらぼ / 2024年5月31日 14時13分
-
4Xで収益得るユーザーに本人確認求める通知 身分証の写真や“自撮り”提出が必要に
ITmedia NEWS / 2024年6月1日 6時30分
-
5ハイネケンがSNS不可な世界一退屈なケータイを発売! デジタルデトックスに最適だ!
ASCII.jp / 2024年6月1日 12時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください