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メディアミックス作品が次々登場、「同人ホラーゲーム」の勢いが止まらないワケ

マグミクス / 2019年6月21日 11時20分

メディアミックス作品が次々登場、「同人ホラーゲーム」の勢いが止まらないワケ

■「RPGツクール」で制作された「無料ホラーゲーム」の人気作

「07th Expansion(セブンス エキスパンション)」という同人サークルをご存知でしょうか。サークルの名前こそ知らなくても、今より15年前の2004年に無料配信された後、小説やアニメ、そして実写映画と、メディアミックスを果たした『ひぐらしのなく頃に』シリーズは、耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。

 同人(個人)制作の無料ゲーム作品が人気を獲得し、メディアミックスが実現するケースはさまざまな例がありますが、とりわけメディア展開が活発なのが、同人のホラーゲームなのです。

 無料でプレイできるホラーゲームからメディアミックスされた作品としては、『青鬼』や『魔女の家』、『ゆめにっき』などがあります。これら3作品はエンターブレインによるゲーム開発ソフト「RPGツクール」を用いて個人が制作した作品ですが、いずれもマンガ化やノベル化が行われ、ゲーム会社が改めてリメイク版を出すほどの人気を獲得しています。

 同人ゲームがメディアミックスされることは、作品が世間に知られるようになった指標のひとつと考えられます。当然ながら、最初からゲーム会社などの後ろ盾がないなかで有名になっていく作品はほんのひと握りですが、近年、同人ゲームの認知度向上を後押ししているのが、「ゲーム実況者」の存在です。

 特に、ホラーゲームの実況動画は、自分でプレイするのは怖いけれど、実況者のフィルターを通すことでゲームを疑似体験できます。また視聴者にとっては実況者のリアクション自体も楽しみのひとつとなるため満足度が高く、ゲーム実況における人気コンテンツのひとつとなっています。

■個人でも、アイデアやストーリーひとつで勝負できる

DANGEN ENTERTAINMENTから発売された『魔女の家MV』 (C)2017 Dangen Entertainment. All rights reserved.

 それではなぜ、同人ゲームのなかでもホラーゲームのメディアミックスが目立つのでしょうか。

 理由のひとつは、冒頭で紹介した『ひぐらしのなく頃に』のように、物語が進むなかでプレイヤーの選択がストーリーを左右する「ノベル系ゲーム」が多いことです。ノベル系ゲームは、作品の魅力をライトノベルや動画媒体などに違和感なく展開しやすいという強みがあります。

 また、ホラーゲームの核心を「プレイヤーに恐怖を感じさせることができるかどうか」と考えた場合、高度なゲーム機のスペックや、リアルでクオリティの高いスプラッター描写などが必ずしも必要とは限りません。現に、有名な無料ホラーゲームには、簡素なグラフィックの作品も多くあります。

 大きなゲーム会社と同じ土俵で勝負しようとすれば、個人にとって負担の大きい資金や技術が必要になりますが、「恐怖」を創り出すのであれば、ストーリーやギミックのアイデアひとつでも十分勝負できるという点が、同人ホラーゲームの大きな強みです。製作者側としても、そのような「アイデア勝負」に創作意欲がかき立てられるのではないかと考えられるのです。

 ノベル系ゲームにせよ、謎解きRPGゲームにせよ、人気の無料ゲームのなかでも人びとの興味を引くのは、やはり製作者の創意工夫です。アイデアに優れたホラーゲームであればなおさら、ゲーム実況などを通じて多くの称賛が集まることでしょう。同人ホラーゲーム製作者の熱意と、それを盛り上げる実況者、実況を楽しむ視聴者の間の好循環が、人気ホラーゲームのメディアミックスの背景にあるのです。

(マグミクス編集部)

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