1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. 面白ネタ

今のジャンプは「友情・努力・勝利」じゃない? 今の時代に沿ったキーワードとは

マグミクス / 2023年4月28日 19時25分

今のジャンプは「友情・努力・勝利」じゃない? 今の時代に沿ったキーワードとは

■「友情・努力・勝利」に変化?

  1968年に「少年ジャンプ」として創刊された「週刊少年ジャンプ」は、半世紀以上経つ現在も多くのファンを獲得し続けています。「ジャンプ」は創刊当初から「友情・努力・勝利」の3大原則をスローガンに掲げ、飛躍を遂げてきました。現在もそのスローガンを元に邁進し続けているのかと思いきや、時代の変化と共に「時代に合わなくなってきた」との意見もあります。現在の「ジャンプ」スローガンを歴代編集長・編集者たちのコメントと共に紐解きます。

 まずジャンプ三大原則は、創刊当初から貫く「アンケート至上主義」と密接に関わっています。とくに初代編集長の長野規さんは、「ジャンプ」を作るうえで「読者の頭の中からポケットの中身まで全部を知らないとダメ」というポリシーの持ち主であったそうです。そういった考えから、毎週アンケートをとっており、読者に「心温まる言葉」「大切だと思う言葉」「嬉しいと思う言葉」の3つ質問のアンケート結果によって、「友情・努力・勝利」という「ジャンプ」の代名詞が生まれたといいます。

 三大原則のひとつ「努力」については、4代目編集長の後藤広喜さんが興味深いコメントをしています。読者への意識調査で「悩み」について聞くと「進路」「学校の成績」「おこづかい」「運動能力」の、4つの答えが毎年上位にランクインしていたそう。この結果から後藤さんは、「平等とはいかない『運動能力』『成績』はその能力を持ちたいと思っている証拠で、裏返せば諦めない努力が必要」と語っていました。

 また「友情・努力・勝利」については、「編集方針に合っているうえに分かりやすい」とも語っているように、創刊初期のころは時代とマッチしたスローガンとして重宝されていたようです。

■『ドラゴンボール』では「努力」をさせなかった!?

『キン肉マン』こそ「友情・努力・勝利」にふさわしい?「キン肉マン Vol.1 [DVD]」(東映)

 ジャンプ黄金期には欠かせない『Dr.スランプ』や『ドラゴンボール』などの名作を、作者の鳥山明先生とタッグを組んで世に送り出した「ジャンプ」の元編集者・鳥嶋和彦さんです。鳥嶋さんはジャンプのスローガンについて、以前アンケートをしっかり取った結果「友情・勝利・健康」だったと語ります。これに「努力」は入っていません。「子供は『努力』が大嫌い。なので『ドラゴンボール』では『努力』はさせずに『修行』をさせた」と話しています。

 さらに近年のジャンプでも三大原則に変化があるようです。2019年に行われた歴代ジャンプ編集者によるトークイベントにおいて、『キャプテン翼』などを担当した鈴木晴彦さんは、「友情・努力・勝利」に違和感を覚えていたと明かします。「友情と勝利はセットで少年マンガでは自然なことだが『努力』は、ネタにならない」と発言し、「マンガはキャラクターありきで今の時代は『友情、個性、勝利』が適切」とも語っていました。

 ちなみに、「少年ジャンプ漫画賞」公式Twitterは2021年1月、「編集部が友情努力勝利を入れろと言ったことはありません」と明言しています。「週刊少年ジャンプ」が誕生してから半世紀が過ぎましたが、時代の変化に合わせながら、夢を与える作品が生まれ続けています。

(LUIS FIELD)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください