特殊な事情抱えた、韓国アニメの「美少女キャラ」 ぶっ飛んだ設定のヒロインも?
マグミクス / 2019年6月22日 11時0分
■「ロボットと一緒に乗り込んで戦う」美少女たち
日本のアニメーションにおける美少女キャラは百花繚乱ですが、韓国アニメではどうでしょうか。そこには、日韓のアニメを取り巻く状況の違いがあります。
現在の日本のアニメに美少女キャラクターが頻出する背景には、ソフトの主な購買層である若者層のファンに受けるから、という事情があります。日本のアニメの大多数を占める深夜アニメは、近年までパッケージ販売を主なビジネスとしていましたから、ファン層に刺さる企画という意味で美少女キャラクターは不可欠だったのです。
しかし韓国アニメは、子供向けと大人向けに二極分化していて、若者向けがあまりないという状況です。子供向けアニメに登場するロボットやヒーローに興味を持つ男の子には、美少女はまだ早すぎるのかも知れません。
それでも、韓国アニメに魅力的なヒロインはいます。今回はそうした事情をご理解していただいた上で、いくつかの作品を紹介します。
まず、ヒロインの立ち位置が特殊な例として、1970年代から80年代にかけて作られていたロボットアニメがあります。『テコンV』シリーズのヨンヒの影響だと思うのですが、主役のロボットにヒロインが一緒に乗り込む作品が非常に多いのです。
『ロボット キング』(1980年)や『惑星ロボット サンダーA』(1981年)『スーパーマジンガー3』(1982年)『海底探検隊マリンX』(1982年)『スーパー特急マジンガー7』(1983年)『不死鳥ロボット フェニックスキング』(1983年)などの作品です。
もしかすると、この時期は女の子向けのアニメ作品が少ない時期でしたから、これらのヒロインは女子視聴者に向けて登場させていたのかもしれません。
この時期の女性キャラクターで注目しているのは、前出の『ロボット キング』に登場する敵の女幹部リナです。
重傷を負って主人公側に助けられたリナは、主人公と交流しデートをするまでになります。海辺でデート中、主人公にカニを見せられ怖がる姿がかわいらしいのですが、仲間を裏切った彼女は悲劇的な最期を遂げます。
一方、このようなサブキャラクターとしてではなく、美少女を主人公としたアニメも古くから存在していました。
■日本と同様、たくさん作られている「魔法少女もの」
キツネが少女に変身して戦う『ヨラン ヨラン』(画像:かに三匹)
例えば『飛べ ワンダー姫』(1978年)は、スーパーヒロインのはしりというべき作品です。主人公のワンダー姫が、悪人を相手に大活躍します。また、韓国初のテレビシリーズアニメ作品である『走れハニー』(1988年)は、ヒロインが陸上競技に挑戦する作品です。ソウルオリンピックに合わせてKBSで放送されたといいます。なお、姉妹編に『天方地軸ハニー』(1989年)があります。
また韓国でも、日本でも人気の根強い「魔法少女もの」が作られています。韓国TVのアニメの黎明期にスペシャル番組で放送された『妖精ピンク』(1991年)を嚆矢として、魅力的な「魔法少女もの」のヒロインが次々と登場しています。
『ヨラン ヨラン』(2003年)は、狐のヨランとカン・ヒョンという少年が主人公の作品。魔法の本を探しに人間界にやって来たヨランは、敵と戦うときに魔法の力で人間の少女の姿ヨリンに変身するのです。狐から少女の姿に変身するシーンも、いくつかパターンがあるという力の入れようです。
例えば、雪が降っている回の変身では冬服になります。ヨランはとても人気があったようで、魔法少女アニメ『プチプチミューズ』(2008年)にも登場しています。
『プチプチミューズ』のアニメの主人公はソン・アリとソン・アラの双子の小学5年生の姉妹です。双子とは一部のツボを押さえた設定ですね。恋愛要素も描かれます。恋の相手はオッパ(日本語で言えばお兄ちゃんにあたる)と呼ばれているのですが、見ている側も「オッパ」と呼ばれてみたくなる作品です。
『スーパーハムズバンド』(2009年)は、5人の女子中学生によるガールズバンドのメンバーが主人公です。コメディタッチで描かれたそのキャラクターは、宇宙人メロロ姫の力でハムスターに変身し宇宙人と戦うのです。「変身少女もの」の作品ですが、キャラクターの魅力以上に、その設定の奇抜さが抜きん出ています。
■女児向けのアイドルアニメも
『シャイニングスター』オリジナルストーリーブック
『フラワリングハート』(2016年)は日本のスタジオも制作に参加しており、日本人にも馴染みやすいキャラクターデザインです。小学5年生のジン・アリ、ウ・スハ、ソヌ・ミンが部活動として、人びとの悩みを魔法の力で解決していくというストーリーです。
フラワリングハート王国(魔法の国)のイケメン王子も登場します。敵の王子は困っている人から「絶望エナジー」を集めようとするのですが、主人公たちがそれを阻止し、「希望エナジー」を集めます。3人の主人公は優等生キャラやスポーツキャラなど、バラエティーにも富んでいます。
『チリンチリン シークレット ジュジュ』(2012年)は『トボット』などの玩具で知られる韓国メーカー「YOUNG TOYS」のドールを基にしたアニメ作品です。原作がドールであるため、登場キャラクターも人形的な造形になっています。そこが、好みが分かれるかもしれないところです(第8シーズンから造形が大幅に変更されています)。
とはいえ、多くのヒロインが登場するため、華やかな世界であることには間違いありません。しかもアイドル的な展開を狙っているのでしょうか、公式に多くのミュージックビデオが公開されています。
最後に、魔法少女アニメではありませんが、女児向けアイドルアニメ『シャイニングスター』を紹介します。シャイニングスター学園でスターを目指して頑張る候補生たちを描いています。
主人公のチェ・ナラは平凡な女の子ですが、努力することにかけては誰にも負けないというキャラクター。同作品にはスターの卵として、3DCGで描かれるかわいいキャラクターが大量に登場しますし、イケメンキャラも登場します。
子供向けと大人向けに大きく分かれる韓国アニメですが、こうしてじっくり見ていくと、お気に入りのキャラクターが見つけられるかも知れませんね。
(かに三匹)
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