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【祝!復刻】ファミコン少年が驚愕した、ゲーム機「PCエンジン」の衝撃

マグミクス / 2019年6月24日 19時41分

【祝!復刻】ファミコン少年が驚愕した、ゲーム機「PCエンジン」の衝撃

■当初は「ドラクエIII」発売に注目が?

 1980年代後半から1990年代半ばに人気となった「PCエンジン」が、復刻ミニゲーム機「PCエンジン mini」としてコナミデジタルエンタテインメントから発売されることが明らかになりました。「PCエンジン」発売当時を知るゲームライターの早川清一朗さんに、ゲームファンに与えた衝撃や、今も記憶に残るゲームタイトルについて語ってもらいます。

* * *

「PCエンジン」は、1987年10月30日にNECホームエレクトロニクスから発売された家庭用ゲーム機です。翌1988年には、家庭用ゲーム機としては世界初となる大容量CD-ROMを採用した「CD-ROM2」が発売。家庭用ゲーム機の世界にアニメ映像やキャラクターボイスをもたらし時代の先駆者となりました。

 PCエンジンで発表されたタイトルには、『ときめきメモリアル』『天外魔境』『超兄貴』など、個性的かつ先鋭的なソフトが多数存在し、今なお高い人気を誇っています。PCエンジンオリジナルのタイトルではありませんが、当時パソコンゲームとして極めて高い評価を受けていた『イースI・II』のアニメ―ション・ボイス付き移植は、当時のゲーマーに大きな衝撃を与えました。

 果たして「PCエンジンmini」にどんなタイトルが収録されるのか、今から楽しみで仕方ありませんが、発売がコナミデジタルエンタテインメント様ということなので……。

『ときめきメモリアル』は是非お願いします! 買いますから! 絶対買いますから!

 しかし、今でこそ筆者もPCエンジン大好き人間ですが、発売当時の筆者はそうでもありませんでした。それはなぜかと言いますと……。

「なんか新しいゲーム機出るんだ。それより『ドラゴンクエストIII』だ!」と、1988年2月発売のファミリーコンピュータ版『ドラクエIII』しか目に入っていませんでした。

 実際、学校でのゲームの話題も『ドラクエIII』がメインだったのをよく覚えています。またPCエンジンは子供が簡単に買える値段では無かったので、興味はあっても、貴重なお年玉はファミコンのゲームソフトに使いたい……という理由もありました。

 当初はPCエンジンにあまり興味がなかった筆者でしたが、ある日訪れた友人宅で、想像を絶するPCエンジンの性能を目の当たりにし、驚愕することになったのです。

■ファミコン少年を圧倒した、グラフィックと音声

アニメーションとボイスつきでPCエンジンに移植された『イースI・II』。復刻される「PCエンジン mini」にも収録予定 (C)Nihon Falcom Corporation. All rights reserved./(C)Konami Digital Entertainment

 筆者が初めてプレイしたのはメサイアの『改造町人シュビビンマン』でした。よく動くキャラクター、豊かなBGM、クリア時の「シュビビーン!」というキャラクターボイスは、ファミコンに慣れた筆者にとって大きな衝撃でした。当然PCエンジンを買おうと思い立ちましたが、CD-ROM2込みの値段を知り、諦めるしかありませんでした。

 そうこうしている内に、PCエンジンは次々と新しい機種を発売していきました。自分の手が届かないところで動いていく世界をもどかしく感じていた筆者でしたが、新機種の登場は思わぬ形で幸運をもたらしてくれたのです。

 ある友人から「PCエンジンDuo買うから古いのいらない?」と持ちかけられ、わずか2000円でPCエンジンとCDROM2を譲り受けた筆者は、『ワルキューレの伝説』『ワンダーモモ』『ドラゴンスピリット』『R-TYPE1・2』『グラディウスII』など、さまざまなタイトルをやり込みました。

 他にも、未完成のPC版を補完し完結させた小島秀夫氏の初期の名作『SNATCHER』や、今なお根強いファンを持つ『風の伝説ザナドゥ』、異色のRPG『リンダキューブ』など、記憶に残るタイトルはたくさんあります。

 こうして数々の名作を世に送り出したPCエンジンですが、その終わりは当然のごとく訪れます。1994年11月には「セガサターン」、12月には「プレイステーション」と、高性能なハードが次々登場し、PCエンジンのハード面での優位は消え失せました。後継機である「PC-FX」も不調に終わると、PCエンジンとその系譜は役割を終えたかのように静かに消えて行きました。

 しかし、PCエンジンで発表されたタイトルには今なおシリーズが続いているものや、後世のゲームに大きな影響を与えたものが多数存在しています。果たして、現代のゲーマーたちが「mini」をプレイした時にどのような感想を持つのか? それを聞くのも、今の筆者の楽しみのひとつです。

(早川清一朗)

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