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『ガンダム』デギン公王が謀殺されず、和平成立していたら…歴史はどう変わった?

マグミクス / 2023年5月4日 6時25分

『ガンダム』デギン公王が謀殺されず、和平成立していたら…歴史はどう変わった?

■ソーラ・レイを防げたとしても…

 アニメ『機動戦士ガンダム』で、地球連邦との戦いを進める、ジオン公国のデギン・ソド・ザビ公王は、息子であるガルマやドズルの死もあって、講和を望むようになります。

 デギンは第40話で、第3号密閉型スペースコロニー「マハル」を巨大なレーザー兵器「ソーラ・レイ」に改造するために、息子で独裁者のギレン・ザビが疎開を進めていることに対して「100万の一般国民を疎開させるということは、これは軍人の無能を示すことだ」と指摘しています。

 ギレンはデギンに「我がジオン本国にとって月とア・バオア・クーは最終防衛線です。それに対して地球連邦軍は三つのコースから侵攻することが考えられます。ここを突破されればジオンは裸同然です。その前にソーラ・システム(劇中ではそう言っています)で侵攻する連邦軍艦隊を討つ」と説明していますから、デギンはソーラ・レイの発射ポイントを把握しているはずです。

 デギンが慎重かつ冷静に「ギレンが講和交渉を御破算にするために、ソーラ・レイで自分ごと連邦軍艦隊を攻撃するかもしれない」と考え、地球連邦軍にソーラ・レイでは狙撃できない場所(月の表側の宙域など)を指定していたら、どうなっていたでしょうか。

 第41話のナレーションでは「デギン・ザビ公王は自らの意志に外れた局面を打開すべく、ジオン公国を発進した。無論、ギレン・ザビ総帥の知るところではない」と述べられていますが、その後でキシリアが「(ギレンは)ソーラ・レイの使用をなぜ急ぐ」と疑問に思っていますから、デギンの戦艦「グレート・デギン」の動きをギレンは把握していたのは間違いありません。

 とはいえ、ギレンは劇中で出港を差し止めることはしていません。デギンがサイド3(ジオン公国)を離れることは、妨げられないはずです。

 デギンは、自らの政治的意志を公に発していないまま、ソーラ・レイで消滅しています。デギンがギレンを警戒している、という仮定に立てば「デギン・ソド・ザビは、ジオン公国公王として、これより地球連邦との講和交渉に臨む」と出港後に政治的メッセージを発したものと考えられます(劇中でそうしなかったのは「老いていた」のでしょう)。

 ギレンとしては、デギンのこの動きは到底許容できるものではないでしょうから「公王は反体制派に拘束され、誤ったメッセージを発信させられている」といった大義名分を立て、グレート・デギンの拿捕(だほ)、あるいは撃沈を司令するはずです。

 デギンが警戒していれば「ソーラ・レイの存在を連邦に通報」し、ソーラ・レイが狙撃できない月の表面(サイド3は月の裏側にあります)などの宙域を、連邦との交渉場所に指定したと思われますので、ソーラ・レイでの暗殺は不可能でしょう。

 この場合、地球連邦艦隊はかなりの戦力をグレート・デギンの確保に差し向けたでしょうから、デギン奪還を目指すギレンの軍事力との戦いになったと考えられます。

 さらに、ソーラ・レイで連邦艦隊の1/3が壊滅していませんから、投入可能兵力は連邦側が有利です。とはいえ、ギレンは宇宙空母ドロスや宇宙要塞ア・バオア・クーの所属艦隊に加え、ジオン本国の艦隊兵力を動かせます。ア・バオア・クーの激戦ぶりを考えると、どちらが勝つかは不明です。

 とはいえ少数で多数を撃破できる、シャアのニュータイプ部隊や、エースパイロットを集めた最精鋭部隊「キマイラ」は、ギレンに批判的なキシリアが牛耳っていますから「キシリアがギレン側に付くかどうか」で勝敗が左右されるように思えます(そして、キシリアは父に逆らってまでギレンには付かないでしょう)。

 連邦軍が戦闘に勝利した場合、デギンは敗北したギレンが「対連邦戦争を主導した」と断定し、ギレン派を悪者にすることで事態の収拾を図ったのではないでしょうか。

 連邦軍もかなりの打撃を受けるでしょうし、グラナダのジオン軍やソーラ・レイは健在ですから、「戦争犯罪人の処罰」「デギンが公王を降りて、親連邦政権の共和国に回帰」「軍事力の制限」程度で、講和が成立すると思われます(連邦が勝利した劇中でも、ジオン共和国の存在は認められ、多額の賠償金も要求されていませんので)。

 とはいえ、和平に賛同しない勢力が相当数、アクシズなどに潜伏して、ゲリラ戦を進めたとも考えられます。この流れでギレンが戦死する展開も考えにくいため、決戦に敗北してもグワジン級戦艦などで脱出して、反連邦の戦闘を継続する可能性は十分にあります。

 なお、デギンがより慎重であったなら、娘のキシリアに和平の意志を事前相談していたかもしれません。キシリアはこの時点で「地球連邦に勝てる」と考えていますから、デギンの和平交渉には賛同しなかったと思いますが、ギレンが「ガルマやドズルの死に冷淡であったこと」や「専横が過ぎること」については、同意を得られるでしょう。

 この場合、キシリアの意見が優性なら「キシリアの軍事力(月面都市グラナダと艦隊兵力)をバックに、ギレンに政治的圧力をかける」ことになるものと思います。デギンの意見が優勢なら「連邦とはまず和平の上で、ギレンが和平に従わなかった場合は、反乱軍と見なして鎮圧する」となるでしょう。

 どちらにせよ、カリスマと独善性の塊であるギレンとその支持勢力が、デギン&キシリアに従うとは考えられず、ジオン公国は内戦に突入するものと考えられます。

 この場合、ジオンの軍事力は共倒れで大幅に減少し(連邦は「共倒れさせるのが最大の利益」と考え、恐らくは積極介入しないと思われます)、『機動戦士ガンダム0083』に登場する「デラーズ・フリート」や『機動戦士Zガンダム』に登場する「アクシズ」といった「組織的戦力を持つジオン残党」は相当に弱くなっていたと考えられます。

(安藤昌季)

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