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「今はもう見ることができない」貴重な作品たち テープの使い回しで映像が消滅?

マグミクス / 2023年4月30日 20時40分

「今はもう見ることができない」貴重な作品たち テープの使い回しで映像が消滅?

■見られない理由自体も「驚愕すぎる」

 過去に制作・放送され、多くの視聴者に愛されていた映像作品のなかには、さまざまな事情から「もう見ることができない作品」がありました。今では幻となった特撮、人形劇、アニメ作品を紹介します。

●突撃!ヒューマン!!

 1972年に放送された『突撃!ヒューマン!!』は、二度と見ることができない特撮番組として有名です。関東地方の市民会館などで上演した舞台劇を録画する形で放送されるという、独特なスタイルの作品で、変身ヒーロー作品が絶大な人気を獲得していた時代に『仮面ライダー』に対抗する企画として生み出されました。

 舞台劇のため、「ヒューマン」への変身シーンは極めて独特で、主人公の岩城淳一郎がピンチに陥ると、客席の子供たちや視聴者に赤と青の円盤「ヒューマン・サイン」を回すように呼びかけが行われ、ステージが暗転してヒューマンが登場する……という演出でした。

 全13話が放送されましたが、フィルム撮影ではなくVTR収録だったのが不運となりました。当時のテレビ局で使用されていた2インチVTRのテープは極めて高価であり、他の番組を収録するため上書きされて、映像が消失したとされています。

 現在本放送を見る手段は存在しない『突撃!ヒューマン!!』ですが、当時盛んに行われていたヒーローショーに登場したヒューマンの雄姿が、わずかに残されています。2009年に発売されたDVD『懐かしのせんだい・みやぎ映像集 昭和の情景』に収録されていますが、現在ではそれ自体がプレミア価格となってしまっているようです。

●ネコジャラ市の11人

 1970年4月6日から1973年3月16日までNHKで全668回が放送された人形劇『ネコジャラ市の11人』も、視聴はほぼ不可能な作品です。

 主人公の黒猫・ガンバルニャンはネコジャラ市の初代市長。しかし土地を乗っ取られてしまい、周囲に助けを求めたことから物語は始まります。

 当初はサイケデリックでシュールな作風の物語が展開されましたが、不信任を突き付けられたガンバルニャンが化け猫に変身し、その怨念を吸い込んだ妖怪・火の玉がネコジャラ火山に飛び込んだことから火山が爆発してしまいます。噴火に巻き込まれた登場人物の多くが行方不明となり、復興を中心とした物語へとシフトするという大転換を行ないました。初期のオープニングが発掘され公開されていますが、非常に個性的な演出が行われており、作風をうかがい知ることが出来ます。

 本編映像は第255回の冒頭4分48秒だけが発見されていますが、これは日本テニス協会がある試合中継を録画した際に中継終了後もそのまま録画を続けてしまい、結果として記録されていたという、偶然が生み出した産物でした。

●キャンディ・キャンディ

『キャンディ・キャンディ』(正式には、・はハートマーク)は、1976年10月から1979年2月にかけて全115話が放送された、当時の子供たちに絶大な人気を誇ったアニメです。本放送終了後も何度も再放送が行われたため強く記憶に残っている方が多く、今でも思い出の作品としてしばしば名前が挙がるタイトルでもあります。

 しかしながら、原作で作画を担当したいがらしゆみこ氏が現・著作者である水木杏子氏の権利をたびたび侵害し、あまつさえ奪い取ろうとしたため訴訟となり、いがらし氏が全面敗訴するという事態を引き起こしました。敗訴したにも関わらずいがらし氏は自身の主張を曲げず、海外での出版許可を無断で行うなどの権利侵害を繰り返し、さらに事態は悪化。現在では原作も絶版となり、アニメの配信や再放送、ソフトの販売もできない状況となりました。

 名作が生み出す名誉とお金は絶大です。『キャンディ・キャンディ』はそれを独り占めしようとした結果、作品の断絶を招いてしまった例として大きな教訓となりました。極めて難しい問題ではありますが、いつかまたキャンディの元気な姿を拝める日が来ることを願っています。

(ゆうむら)

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