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『世界名作劇場』の胸クソ悪い鬼畜キャラ3選 「最後まで改心しない極悪人も」

マグミクス / 2023年5月13日 12時15分

『世界名作劇場』の胸クソ悪い鬼畜キャラ3選 「最後まで改心しない極悪人も」

■視聴者もドン引きするほどの嫌なヤツ

 かつて日曜夜のフジテレビ系列の人気アニメ枠だった「世界名作劇場」シリーズ。日本アニメーションが制作した同枠の良質アニメは主にファミリー層から支持され、高い視聴率を誇りました。世界の名作文学を原作とする感動的な作品が多く、この枠から生まれた人気キャラは、現在もグッズ展開されているほどです。

 しかし、名作にはシリアスな展開がつきもの。最近の子供向けアニメでは想像もできないような過酷な運命を辿(たど)る主人公も珍しくありません。そこで今回は、筆者が大嫌いだった悪人キャラに焦点を当てて、その所業をご紹介します。

 なお、原作とアニメでは一部設定が異なるものがありますが、本記事はアニメ「世界名作劇場」版の内容に準拠しています。

●最後まで和解できなかった嫌なヤツ

 世界名作劇場の21作目は、身売りされ煙突掃除の仕事に就いた少年たちの友情を描いた『ロミオの青い空』。同作の悪人と言えば、人身売買を行っていた「死神ルイニ」がいますが、個人的に胸クソの悪くなる卑怯なキャラとして印象的だったのはアンゼルモという少年です。

 アンゼルモは、主人公のロミオを買い取った煙突掃除の親方の息子。嘘つきな上に性格がねじ曲がっており、事あるごとにロミオに嫌がらせをします。そのアンゼルモの義理の妹は、天使のように心優しい女の子だっただけに、余計に彼の卑劣さが際立ちました。

 ロミオを敵視し、泥棒の濡れ衣を着せるなど、さんざん悪事を働いたアンゼルモですが、アルフレドが亡くなった時は、彼のお墓を買うためのカンパに協力。改心したのかと思いきや、アンゼルモは一貫して嫌なキャラを貫きます。

 掃除夫としての契約が切れたロミオが旅立つ前、最後に仲直りの手を差し伸べますが、アンゼルモはそれを拒絶。ロミオのことをずっと邪険に扱ってきた親方夫人ですらロミオとの別れに涙を浮かべていましたが、アンゼルモは最後まで憎らしいキャラのままでした。

●語り継がれる悲劇を生んだ要因

 世界名作劇場の第1作目は『フランダースの犬』で、画家を志す少年・ネロと老犬パトラッシュを中心に描かれた作品です。そのラストシーンは、長いアニメ史のなかでも屈指の感動シーンとして語り継がれています。

 ネロとパトラッシュは、ルーベンスの絵の前で天に召されることになりますが、その悲劇を生むに至った、心無い人物が多数存在。なかでも、とくに許しがたい人物がハンスという男です。

 村一番の有力者コゼツが所有する風車小屋が火事になり、村人にとって大切な粉挽きができなくなる場面があります。本来、火の気のない風車が燃えたことで放火が疑われ、ハンスはたまたま外を歩いていたネロを見かけたことをコゼツに告げます。それをきっかけに村人の間で「ネロが放火犯」という噂が広まり、唯一の収入源だった牛乳運びの仕事まで失うことになるのです。

 もちろんネロは潔白でしたが、村の有力者であるコゼツが彼を疎んでいることは村人に伝わりました。そのため大半の村人は、幼いネロに味方することなく孤立。祖父の死、村人からの拒絶、そして絵画コンクールの落選がトドメとなりネロは絶望し、あの悲しい結末へと向かいます。

 ハンスは火事の一件だけでなく、ネロに対してたびたび理不尽な仕打ちを行ってきた悪人です。また、彼の言葉を鵜呑みにしたコゼツや、流されてネロを爪弾きにした大半の村人も、ある意味では同罪と言えるのかもしれません。

 ちなみに火事の本当の要因は放火ではなく、風車の適切なメンテナンスを怠ったことによる発火と判明します。これは風車小屋の管理を任されていたハンスと、風車の所有者であるコゼツの重大な過失であり、その当人がネロが村にいられなくなる要因を作ったことも許しがたい部分でした。

■あまりにも過酷な仕打ちに衝撃

健気なヒロインの頑張りに多くの視聴者が涙!『世界名作劇場ジュニア・ノベルシリーズ 世界名作劇場/小公女セーラ』(竹書房)

●可憐な少女に対する非道な振る舞い

 世界名作劇場の11作目にあたる『小公女セーラ』は、10歳の少女セーラ・クルーが主人公。イギリスの寄宿学校「ミンチン女子学院」に入学した富豪の娘セーラが、過酷な境遇に落とされるというストーリーです。

 なかでもひどかったのが、女子学院のミンチン院長の言動です。例えばセーラが実は語学堪能と知った時、自身のコンプレックスのせいなのか、突然ヒステリックに怒り出し、生徒だけでなく、フランス語の講師までドン引きさせるほど理不尽な態度を取りました。

 そんなミンチンは、セーラの父の死と破産を知った瞬間、本性をあらわにします。父の死という重すぎる現実を10歳の少女に突きつけた上で、即座に学院から追放しようとしました。

 結局セーラは学院の使用人として無償で働くことになり、一見ミンチンの温情のように思えますが、実は世間体を気にしてのもの。以後はセーラに対して、大人とは思えない心無い発言や冷酷な態度を露骨に見せるようになります。

 セーラの部屋を屋根裏から馬小屋に移したり、その馬小屋が火事になった時は、無実のセーラを放火犯扱いして追い出したりする始末。学院にはセーラをイジメる少女・ラビニアなどもいましたが、それよりも大の大人が少女にツラくあたる場面に心を痛めた視聴者は多かったはずです。

 一応作中では、ミンチンは幼い頃、貧困に苦しんでいたという背景が明かされますが、それを加味してもセーラへの仕打ちは到底許容できるものではありませんでした。

 最終的にセーラは莫大な資産を継承し、再び大富豪になりますが、それを知ったミンチンは泣き崩れます。これは反省や改心をしたというワケではなく、学院支援のチャンスを自らの振る舞いでふいにしたことへの後悔の涙だった点も見逃せません。

 セーラは、いろいろミンチンにヒドい仕打ちを受けたにもかかわらず、学院に巨額の寄付を申し出る聖人っぷり。イジメっ子のラビニアとも和解しますが、最後までミンチンが本当の意味で改心する機会は訪れませんでした。

* * *

「世界名作劇場」シリーズは、その名の通り、世界の名作文学が原作になっているだけに、なかには壮絶なイジメ描写や悲しい展開も多数ありました。しかし、今観ても素晴らしい作品がたくさんあるので、自分が子供の頃に観た感動作を、我が子と一緒に見直してみるのも良いかもしれませんね。

(竹部晴信)

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