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トラウマ描写? 超悪フザケ? いろんな理由で「R指定」になった衝撃アニメ映画

マグミクス / 2023年6月13日 20時25分

トラウマ描写? 超悪フザケ? いろんな理由で「R指定」になった衝撃アニメ映画

■可愛い絵柄に油断する人が続出!

 日本では特にヒット作が多く、毎年の興行収入ランキングの上位に入ることが多いアニメ映画には、セクシャルな表現やバイオレンスな描写で、「大人向け」にカテゴライズされる作品も多く存在しています。そのなかには、さまざまな理由で「R指定」となり、「大人向け」から「大人しか観られない」作品になってしまったものもありました。

●『パーフェクトブルー』

 国内外で高く評価されるアニメーター・今敏監督の初長編アニメーションとして知られる『パーフェクトブルー』は、アイドルから女優に転身した主人公が精神的に追い詰められていく過程を描いたサイコホラー作品です。アニメでサイコホラーを描くことが主流ではなかった1990年代後半、同ジャンルの洋画で描かれるのは「犯人の異常性」が中心でしたが、同作では「被害者の内面の崩壊」にスポットを当てています。

 主人公が経験する環境の変化や、現状への不満から生まれる漠然とした不安によって、現実と虚構の境界が曖昧になっていくアニメならではのアプローチで、観客を鳥肌が立つような恐怖へと陥れました。性描写やグロテスクな表現からR15指定となったため、地上波で観ることはできませんが、衝撃的な終盤の展開含め、コアなアニメ好き、映画好きからも支持されるトラウマ級の傑作です。

●『メイドインアビス 深き魂の黎明』

 Webコミック配信サイト「WEBコミックガンマ」にて不定期連載中の『メイドインアビス』(原作:つくしあきひと)はTVアニメシリーズが人気を博し、第1期の続編として劇場公開された『深き魂の黎明』がt暗れましたが、同作はR15指定となりました。2020年1月17日の映画公開前の2019年12月25日に、当初のPG12指定から「映画倫理機構による最終的な検定の結果」で、レイティングが変わったことが発表されています。

「人類最後の秘境」と呼ばれる巨大な縦穴「アビス」に挑む少年少女の姿を描いた同作は、可愛らしい絵柄からは想像のできない過激なグロ、ゴア、エロ描写が特徴的です。アビスの下層に降りれば降りるほど、上昇時に起こる「アビスの呪い」が強くなり、身体への負荷がかかるという設定から、全身の穴から血が噴き出す、人の姿を保てなくなる、最悪の場合は死に至るといった、衝撃の展開が待ち受けています。

 また、『深き魂の黎明』で描かれたエピソードからは、ボンドルドという非人道的なキャラクターが本格的に物語に関わってきました。「呪い」による残虐な表現だけでなく、ボンドルドから子供に対する卑劣な所業が描かれ、より酷たらしい描写が増えています。かわいらしい少年少女たちが悲惨な目に遭うため、観る人を選ぶ作品であることは否めませんが、残酷な世界を生きる彼らの物語には、強い信念や尊い輝きが詰まっています。

■設定の難解さも描写も大人向け!

●『ソーセージ・パーティー』

『ソーセージ・パーティー』DVD(ソニー・ピクチャーズエンタテインメント)

『ソーセージ・パーティー』は、とあるスーパーマーケットを舞台に、お客様に買われて巣立っていくことを夢見ている「食材」たちが主人公です。そして、彼らは自分たちが実は人間に食べられて死ぬ運命にあることを知り、反旗を翻します。一見すると子供向けに思えるCGアニメですが、日本版ポスターに書かれているように、「お子様は絶対に観ちゃダメ!」な下ネタ、暴力表現だらけのコメディ作品です。

 主要なキャラクターは食材がほとんどなので、『トイ・ストーリー』でおもちゃたちが会話をしているのと同じようなかわいらしさがあります。しかし、食材が食べられたり、切断されたりする場面では、大げさにソースや果汁が飛び散って「スプラッターシーン」へと成り代わっている他、食材同士の「性描写?」も生々しく描いており、「悪趣味」な笑いに満ちていました。また、実際に人間が痛い目に遭う、見ていられないようなシーンも……。

 一方で、ジェンダー、人種、宗教などの世界的な社会問題に触れている一面もあり、ただの「おバカ映画」ではない要素も垣間見られます。下品で悪趣味なシーンが多いのですが、ある意味で大人だからこそ面白がれるバカバカしさにあふれていました。制作陣の「全力の悪ふざけ」により、頭をからっぽにして楽しめる作品となっています。

●『虐殺器官』

 アニメ映画『虐殺器官』は、SF小説『虐殺器官』(原作:伊藤計劃)を原作に、世界の紛争地帯を飛び回るアメリカ軍特殊部隊隊員の主人公と、世界各地の紛争やテロの影に潜むという元言語学者が対峙していく様を描いた、「本格軍事サスペンス」です。

 元言語学者のテロリストが「言葉」を使って虐殺を行うという設定の根幹自体が難解な上に、「虐殺の文法」を用いる表現、固有名詞や比喩の多いセリフが目立ち、とっつきにくい印象を受ける人も多いかもしれません。しかし、現実と地続きになっている世界観、近未来的な「管理社会」の設定、言語学の奥深さなどが盛り込まれていて、気が付けば惹き込まれていく、まさに大人向けの作品です。

 アニメならではの非現実的な表現と、実写映画を見ているかのようなリアルな質感を楽しみ、分かりにくい点は原作小説で補完するのも楽しみのひとつといえるでしょう。主に戦闘中の暴力表現が理由でR15指定となっており、銃撃戦での死亡描写などむごい部分があるのは確かですが、SFならではの設定を活かした戦闘シーンも、大きな見どころとなっています。

(椎崎麗)

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