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アニメ『うちタマ』のトラウマ三部作 もはや「検索してはいけない言葉」扱い?

マグミクス / 2023年6月19日 19時5分

アニメ『うちタマ』のトラウマ三部作 もはや「検索してはいけない言葉」扱い?

■伝説のバッドエンド回「まつりばやし」

 1994年に放送されたアニメ『3丁目のタマ うちのタマ知りませんか?』は、飼い猫のタマと仲間たちが3丁目をかけめぐるハートフル作品です。元となったキャラクター「タマ&フレンズ」は、1983年に「うちのタマ知りませんか?」というキャッチフレーズでソニー・クリエイティブプロダクツのオリジナル雑貨としてデビューを飾り、80~90年代にかけて一世を風靡しました。

 アニメシリーズを見たことがなくても、小学校のドリルや動物病院の薬袋などで、タマたちを見て知っている人も多いのではないでしょうか。そんな『3丁目のタマ うちのタマ知りませんか?』のなかには、キャラクターたちの愛らしい見た目に反して、「生と死」や「戦争」など重いテーマを扱ったエピソードもあり、平成6年度の文化庁優秀映画部門「こども向けテレビ用映画部門」では、「最優秀TVシリーズ」を受賞しています。今回は「タマ&フレンズ」の公式サイトでも「トラウマ三部作」として紹介されている、衝撃のエピソードを振り返ります。

 特に有名なのが、第2期の1994年7月24日放送の「まつりばやし」です。こちらは、1匹の捨てられた子猫をめぐるお話でした。その子猫はひどく弱っており、タマたちは何とか子猫を救おうと飼い主を呼びに行きますが、あいにく今日は祭りの日。みんな遊びに出かけてしまい、猫たちの家には誰もいません。その後、タマの飼い主のたけしとモモの飼い主・エミがかけつけたときには時すでに遅く、子猫はすでに息を引き取っており、最期まで側で看病していた野良猫のノラが静かに涙を流して、物語は幕を下ろします。

 わずか10分程度の短い話でありながらも、少ないセリフで「生き物の死」を見事に表現したエピソードでした。また子猫のエピソードと並行して飼い主の女性が亡くなってしまったノラの過去も描かれており、回想シーンでは瞳孔が開いた女性の遺体が映り、唇から血を流すなど、子供向けアニメとは思えないショッキングな場面が登場します。

 そのためネット上では、「まつりばやし」は「検索してはいけない言葉」としてたびたび紹介されているものの、同エピソードを見た人からは「子供の心にもしっかり伝わるエピソード。むしろ子供の価値観を形作るための作品であるとすら思う」「死はいつもすぐ側にある。祭りの賑やかさとの対比が実に見事」「ただ命の大切さを教えてくれてるだけ」といった、称賛の声が後を絶ちません。

 ちなみに2020年に放送された同作の「擬人化」版のアニメ『うちタマ?! ~うちのタマ知りませんか?~』では、「まつりばやし」のリメイク版が登場します。リメイク版では死亡している女性の姿が穏やかに描かれているほか、子猫も無事に助けられる結末に変わっていました。

 物語の結末に胸を締めつけられるのは、「まつりばやし」だけではありません。「トラウマ三部作」のひとつ「パラダイス・オブ・カニカン」と呼ばれるエピソードは、「まつりばやし」の翌週に放送されており、こちらはカニ缶に釣られたノラとトラが屋敷に監禁されてしまうお話です。

 彼らを閉じ込めたのは、屋敷で飼われていたペットのオランウータンでした。しかも屋敷にはノラたちの他にも、たくさんの猫が閉じ込められています。ここで気になるのは、なぜオランウータンが猫たちを監禁していたのかということです。そもそも飼い主はどうしたのでしょうか。オランウータンは途中、屋敷内の飼主らしき女性の写真を見つめ、ソファに座る謎の人影の側で慟哭していました。その謎が明かされるのは物語終盤のことで、真実を知ると一気に切なく悲しくなります。

 そしてトラウマ三部作の3つ目のエピソードが、1994年8月14日放送の「さまよえる首輪」と「デビル・ポチの伝説」です。前編では、飼い犬・シロの首輪を探す少女の幽霊が登場し、その悲惨な過去が明らかになりました。一方、後編は少女の愛犬・シロがおぞましい姿で現れ、タマたちに容赦なく襲いかかります。

 同話では少女とシロの幽霊の物語を通して、戦争の悲惨もストレートに表現されていました。特にシロの「僕はね、爆弾で身体がバラバラになっちゃったんだ。首輪しか残らなかったのさ」「爆弾でバラバラになった身体じゃ僕の好きな人は抱いてなんかくれないだろ?」というセリフは、大人になってから聞くと、さらに心が痛むのではないでしょうか。

 全体的にホラーテイストで描かれているので、人によってはトラウマになるかもしれませんが、物語そのものはとてもいいお話です。ネット上でも「ただのトラウマ回じゃなくて、めちゃくちゃいい話だった」「ちょっとグロテスクではあるけど、結末はガチで泣ける」と、今でも支持されています。

 いずれも「トラウマ回」と呼ばれる一方で、人びとの興味を引いてやまない魅力的な物語ばかりです。子供の頃に恐怖心から見られなかった人は、改めて見返してみてはいかがでしょうか。

(ハララ書房)

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