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細田守さんが当初監督予定だったジブリ作とは? 降板を「後悔」も、体験を反映した一作も

マグミクス / 2023年6月22日 19時25分

細田守さんが当初監督予定だったジブリ作とは? 降板を「後悔」も、体験を反映した一作も

■大ヒット映画を続出する細田守監督が経験した「後悔」とは

 アニメーション映画『時をかける少女』(2006年)で脚光を浴び『サマーウォーズ』(2009年)や『竜とそばかすの姫』(2021年)など、数々の大ヒット作を生み出している細田守監督。齋藤優一郎プロデューサーと共にアニメーション制作会社「スタジオ地図」を設立し、国内のみならず海外でも高い評価を受けている細田さんには、かつてジブリ映画『ハウルの動く城』の監督を降板した過去があったことをご存知でしょうか。そして、『ハウル』降板後には、あの有名アニメの劇場版を監督することになったのです。

 細田さんは元々スタジオジブリに入社することを目指していましたが、入社試験で最終選考に残ったものの、残念ながら不採用となってしまいます。その後1991年に東映動画(現在の東映アニメーション)に入社し、2000年には『ハウルの動く城』監督を要請され、スタジオジブリに出向する運びとなりました。

 しかし結果的に細田さんは監督を降板し『ハウルの動く城』はその後、宮崎駿さんが監督を引き継ぎ、2004年に公開となりました。降板の真相は公にはされていませんが、細田さんは2016年に行われた第29回東京国際映画祭でのトークイベントで、このときの経験を「何年もずっと後悔していました」と語っています。

 監督降板という、細田さんにとって悔やまれる経験を経て、ある有名マンガの劇場版アニメを監督することになりました。その作品とは、2005年に公開された『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』です。

 本作の内容について、細田さんは「WEBアニメスタイル」のインタビューにおいて「『オマツリ男爵』という映画は、僕のジブリ体験がね、基になってるの!」と語っています。どういうことなのでしょうか。

『オマツリ男爵』は、偉大なる航路(グランドライン)イチのリゾート地だという「オマツリ島」の地図を拾ったルフィたち麦わらの一味が、オマツリ島の住人であるオマツリ男爵によって数々の試練を受けることになる……という物語です。作中では、オマツリ男爵の罠にかかり、麦わらの一味が互いに疑心暗鬼になってしまうという心理的葛藤が描かれました。

 細田さんは、作中でルフィたちの葛藤や、オマツリ男爵が抱える孤独を描いた理由について「諸事情で、(『ハウル』の)プロジェクトが崩壊したときに、スタッフに公約を果たせなかった。(中略)もう誰も自分を信用してくれないだろう」と思ったことが『オマツリ男爵~』作りの基盤になったというのです。

■ダークなテイストの『オマツリ男爵』、ONE PIECEファンの反応は?

2005年に公開された『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』DVD(東映)

『ONE PIECE』と言えば、ルフィたち麦わらの一味の「仲間の絆」の強さが印象的な少年マンガです。それにもかかわらず、細田さんは『オマツリ男爵』のなかでルフィたちを互いに信用させず、仲違いさせる展開を作り出しました。

『ONE PIECE』シリーズには珍しいダークなテイストな本作について、当初ファンの間では「原作を否定している」「『ONE PIECE』で(このようなストーリー展開を)やる必要がない」などと言った厳しい意見もありました。一方で「メッセージ性が強く面白かった」「『ONE PIECE』っぽくないけどこれはこれで楽しめる」など、強いテーマ性に対する高評価の意見も多く見受けられました。

 賛否両論となったものの『オマツリ男爵』はファンへ強烈な印象を残しました。本作公開の1年後、細田監督によって筒井康隆さん原作の小説『時をかける少女』がアニメ映画化されます。アニメ映画『時をかける少女』は、公開時にはわずか6館での上映だったものの、口コミで評判が拡がり、ロングランを記録することになりました。

 監督降板という苦い経験をした細田さんですが、結果的にはその経験をも糧とした『オマツリ男爵』の制作を経て、以降『時をかける少女』など大ヒット映画を連発するに至りました。2021年7月公開の『竜とそばかすの姫』以降、長編アニメーション作品は発表されていませんが、多くのファンが新作を待ちわびています。

(LUIS FIELD)

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