能力者は使えないようにすべきだった？ 『ワンピ』いまだ多い覇気への様々な意見

■覇気がないと海賊の話なのにカナヅチだらけになっちゃう？

『ONE PIECE』には数多くの強者が登場し、なかでも「覇気使い」たちの強さが特に強烈で、最終章でも話題になっています。しかし、あまりにも強い覇気使いが多いためか、ネット上では今でも「覇気はない方がよかった」という声も出ています。作中に本格的に登場するようになってから10年以上が経ち、今となっては「覇気は必要」という意見の方が多いようですが、「いらない派」の意見はどのようなものなのでしょうか。

※この記事は『ONE PIECE』の単行本未収録の内容に触れています。

　覇気とは、全世界の人々に潜在する「意志の力」のことです。「気配」「気合」「威圧」など目に見えない感覚を操ることで相手を気絶させたり、身体を硬化させたり相手の気配を強く感じることが可能です。ただし覇気を目覚めさせるには厳しい鍛錬が必要なため、実際に習得できる者はごく一部と言われています。

　しかし「新世界」に入ってからは、「当たり前」というくらい多くの海賊が覇気を習得しているようです。海軍においても、中将に昇進するには「武装色の覇気」と「見聞色の覇気」の習得が不可欠となっているほどでした。

　覇気の種類は武装色、見聞色、覇王色の3色があります。なかでも覇王色の覇気を習得できる者は「王の資質」を持つ者とされ、数百万人にひとりしかいないと言われています。

　各種類の覇気に長けた覇気使いたちは、悪魔の実のなかで最強と言われている「ロギア系」の能力者にも対抗可能です。かつては海賊王の右腕だった「冥王」シルバーズ・レイリーが「ピカピカの実」の大将・黄猿を食い止め、最終章ではガープ中将がかつての弟子で「ヒエヒエの実」の能力者のクザン（元海軍大将）の攻撃をものともせずに勝利しました。さらにシャンクスは、こちらもロギア系の「モリモリの実」の能力者で海軍大将の緑牛を、遠くから覇王色の覇気をぶつけるだけで退散させています。

　大将たちを中心に、「チート級」と言われていた悪魔の実の能力者たちをも超える覇気使いたちの強さに、ネット上では「強さのインフレ化が進みすぎ」「悪魔の実の魅力が薄れちゃったよね」など、覇気はなかった方がよかったという声も出ています。かつての「スナスナの実」のクロコダイル戦や、「ゴロゴロの実」のエネル戦のように、「ロギア系の能力者を工夫や相性で倒す」という展開に魅力を感じていた人たちの一部は、ずっとその路線で戦ってほしかったと思っているようです。

　その他、悪魔の実の能力者は覇気がなくても強力な力があるため、「悪魔の実と覇気のW使いは反則」「能力者は覇気が使えないようにすれば良かったんじゃないかな」「能力発動中は覇気が鈍るとかくらいならちょうどいいのでは」といった声も上がっていました。

　とはいえ、「覇気は必要」派もの意見も当然多く、「覇気がないと『悪魔の実ガチャ』だけで強さが決まっちゃう」「巻数や物語の展開的にしょうがないでしょ」「覇気があるからこそ、黄猿のようなチート能力者キャラも遠慮なく出せるんじゃん」「海賊世界の強者が全員泳げなかったらおかしいし、覇気だけの無双キャラは大事」というファンも多くいました。確かにゾロやコビーといった悪魔の実の能力者ではない者にとって、覇気は能力者に対抗する大きな手段になります。

　また、覇気が登場したからと言って、悪魔の実の存在感が薄れたというわけではなく、最終章では黒ひげ海賊団を中心にさまざまなキャラの悪魔の実の能力が判明し、どれほどの強さなのか日々考察が盛り上がっています。また、黒ひげことマーシャル・D・ティーチやジュラキュール・ミホークなど、作中トップクラスの強者たちが「覇王色の覇気」を持っているのかどうかも注目を集めているため、覇気の登場によって「バトルの見どころがひとつ増えた」と考えてもいいでしょう。

（マグミクス編集部）