「新作マクロスの制作はサンライズ」が意味するものとは? 期待すべき理由と一点の「懸念」
マグミクス / 2023年6月22日 6時10分
![「新作マクロスの制作はサンライズ」が意味するものとは? 期待すべき理由と一点の「懸念」](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_164968_0-small.jpg)
■「ロボット」と「歌」 どちらも強いサンライズ
2023年6月4日、マクロスシリーズの新作アニメーション企画が始動したことが発表されました。最新TVシリーズ『マクロスΔ』で活躍した戦術音楽ユニット「ワルキューレ」による公演「ワルキューレ FINAL LIVE TOUR 2023~Last Mission~」の最終日に発表され、大きな話題となりましたが、『マクロス』ファンを最も驚かせたのは、制作がサンライズだったことでしょう。
アニメの世界ではしばしば「制作」と「製作」という非常に似ている言葉が登場しますが、「制作」は実際にアニメーションを作る会社、「製作」は資金調達や宣伝などプロデュース全般を担当することを意味します。つまり、新作マクロスはサンライズが直接作るということです。
サンライズといえば、1970年代から80年代にかけて『機動戦士ガンダム』をはじめとする数々の名作ロボットアニメを手掛け、90年代には『勇者シリーズ』で一世を風靡したスタジオとして知られており、当時の少年たちの心のなかでは「サンライズはすごいロボットアニメを作っている会社」と認識されています。期待が高まるのは当然といえるでしょう。
また、2010年代には大ヒットした『ラブライブ!』シリーズを手掛けており、アイドル作品についても確かな実績とノウハウがあります。「歌とロボット」を作品の軸に据える「マクロス」シリーズを手掛けるにあたり、サンライズほど安心感のある名前は、他にそうそう見当たるものではありません。
しかしながら、今の「サンライズ」は「かつてのサンライズ」ではないのも、また事実です。1990年代前半までは「株式会社サンライズ」として独立した存在だったのですが、1994年にバンダイのグループ企業となり、2022年にはグループ内の再編によって映像事業を担う新会社「バンダイナムコフィルムワークス」へと移行。「サンライズ」の名前は法人としては消滅し、現在では商標・ブランド名として使用されている状況となっています。
■「マクロス」が「ガンダム」と並ぶ新しい柱に?
『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』キービジュアル (C)2021 BIGWEST/MACROSS DELTA PROJECT
新作マクロスをサンライズが手掛けることに果たしてどのような意味があるのでしょうか。
現在、バンダイは『機動戦士ガンダム』を軸としたビジネスを展開しています。最新作である『機動戦士ガンダム 水星の魔女』は最新話が放送されるたびにSNSで大きな話題となるほどの人気で、発売されるガンプラは飛ぶように売れています。しかし万が一「ガンダム」シリーズの人気に陰りが見えれば、瞬(またた)く間に転落することもあり得ない話ではありません。今は絶好調でも、数十年後はわからないのです。
バンダイには90年代後半に「たまごっち」で大ブームを巻き起こしたにも関わらず、大量の在庫を抱え巨額の赤字を出してしまった苦い経験があり、特定のコンテンツに依存する危険性をよく理解している企業でもあります。2本目、3本目の柱を求めるのは当然の流れといえるでしょう。「マクロス」シリーズを新たな柱にしたいと考えても、おかしくはありません。
むろん、権利元である「ビックウエスト」と二人三脚となるでしょうが、新作発表が行われたワルキューレ最終公演の制作をビックウエストが担当していることから見ても、両者の関係は良好と思われます。
いずれにせよ、歌とロボットに関する膨大な実績とノウハウを持つバンダイグループであれば、新たな「マクロス」を素晴らしいものに仕上げてくれるでしょう。
ただ、ひとつだけ懸念があります。これまで『マクロスF』や『Δ』を制作してきた「サテライト」が新作にどのように関わるのかが見えていないのです。サテライトの特別顧問を務め、長くマクロスシリーズの顔として活躍を続けている河森正治氏は2025年に開催される日本国際博覧会(関西・大阪万博)のテーマ事業プロデューサーに就任しており、シグネチャーパビリオン「いのちめぐる冒険」を手掛けることが明らかになっています。河森氏も今年で63歳。複数の重責を担うのは体力的にも厳しくなってきているはずです。
今まで通り河森氏がガッツリと関わった新作「マクロス」が見られるのか。それとも、文字通り新世代の「マクロス」を見ることになるのか。新たな一報を、楽しみと緊張の中で待ちたいと思います。
※本文の一部を修正しました。(2023.6.23 12:25)
(ゆうむら)
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