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『ガンダム』の知られざる大ヒット商品、2億個売り上げた「森永おまけプラモデル」とは

マグミクス / 2023年6月24日 6時25分

『ガンダム』の知られざる大ヒット商品、2億個売り上げた「森永おまけプラモデル」とは

■担当者の独断で企画が決定した「森永おまけプラモデル」

 1979年に放送されたアニメ『機動戦士ガンダム』は視聴率低迷とスポンサーによる玩具の売上低迷で打ち切りを余儀なくされましたが、放送終了後にバンダイから発売されたプラモデル「ガンプラ」の爆発的ヒットで一躍国民的な知名度を得ました。今でもガンプラは世界中で発売されており、『ガンダム』シリーズの人気を支えています。

 その一方、ガンプラ並の精巧さを誇り、ガンプラ以上のマニアックなラインナップでファンをうならせ、さらに2億個以上という怪物的な売り上げを記録したマスコットがありました。それが「森永チョコスナック」「森永キャラメル ミルクコーヒー」のおまけプラモデルです。

 本放送時はノータッチだった森永(当時、お菓子の権利を持っていたのはカバヤ)が「ガンダム」に目をつけたのは、ガンプラブームの始まりの頃。当時の森永の商品企画を担当していた方が、自分の子供がガンプラに夢中になっていたのを見て、すぐに企画を立てたのだそうです。すぐさまチョコレートとキャラメルの商品化権を取得した森永は、おまけのプラモデルをバンダイに発注しました。すべて担当者の独断だったというのだから驚きです。

 チョコスナックにはモビルスーツ(MS)、キャラメルにはモビルアーマー(MA)のプラモデルを入れました。チョコスナックのマスコットのスケールが1/300なのは、箱のサイズから大きさを決めたところ、偶然そうなったのだとか。

 当初はそこそのヒットでしたが、モビルスーツバリエーション(MSV)を発売しはじめてから売上が劇的にアップ。これまで「ザク」とか「グフ」だったのが、いきなり「レッドドルフィン(水中用ザク)」「YMS-08A(高機動型試作機)」「マ・クベ大佐用カスタムグフ」などの激渋なラインナップになったのだからたまりません。箱絵を描き下ろしにしたり、成型色をわざとくすんだ色にしたりするなどの工夫も随所に凝らしました。

■ガンダム上級者でもわからない? 脅威のラインナップ

貴重な図版と関係者インタビューが収録されている『ガンダム・エイジ』(洋泉社)

 ピーク時の出荷数は1日20万個。工場を24時間フル稼働させても品切れになったそうです。2億個という総売り上げは、森永のおまけプラモデルが発売された82年7月から『機動戦士Zガンダム』が放映されるまでの間に叩き出したもの。森永の売上全体の1/4をマスコット商品が占めていた時期もあったといいます。

 どんどん商品化を進めていきましたが、ある重大な問題が起こりました。バンダイのガンプラの商品化を追い越してしまったのです。そこでガンプラでは商品化されていないものまでマスコット化されていきました。

 圧巻だったのは84年に発売されたキャラメルのPART6とPART7です。PART6が「パブリク」「ファンファン」「コミュ」「セイバーフィッシュ」「ザクレロ」「MSN-02(パーフェクトジオング)」の6種、PART7が「RMV-1(量産型ガンタンク/ガンタンクII)」「ファットアンクル」「シーランス」「フライダーツ」「TINコッド」「キュイ」の6種でした。

 とても子供向けのおまけプラモデルとは思えないマニアックなラインナップです。ガンダム上級者を自認していても、すべての機体を知っている人はなかなかいないのではないでしょうか?

『ガンダム』が好きで好きでたまらなかったという担当者の熱意で誕生した「森永おまけプラモデル」。現在はオークションサイトなどで1個数百円から数千円で取引されているようです。99年には「モビルスーツセレクト」として復刻版が出ましたが、いつか全種類復刻してほしいものです。

(大山くまお)

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