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元を辿ればディズニーとの共通点も 映画『もののけ姫』ヒロイン「サン」の由来

マグミクス / 2023年6月24日 20時10分

元を辿ればディズニーとの共通点も 映画『もののけ姫』ヒロイン「サン」の由来

■初期設定では、まったく違うキャラだった?

 1997年に公開された映画『もののけ姫』は、タタリ神の呪いによって村を追われた少年「アシタカ」と、人間でありながら山犬に育てられた少女「サン」の物語です。運命的な出会いを果たしたふたりが、自然と人間の対立と共生の難しさに向き合っていく姿が描かれています。そのテーマの深さと重さから、スタジオジブリ作品のなかでも幅広い年齢層に愛されています。

その『もののけ姫』が 2021年8月に日本テレビ系「金曜ロードショー」で放送された際、スタジオジブリの公式Twitterでは、視聴者からの質問を募集し、スタッフがこれに答えるという企画が開催されました。回答者はプロデューサーの鈴木敏夫さんや宮崎吾朗さんといった顔ぶれです。

 そのなかで、「登場人物の名前はどうやって決めましたか?」という質問に対して、「サンは『もののけ姫』の初期設定版の主人公『三の姫』から来ています」との回答がありました。

「サン」のもととなった「三の姫」とは、1980年に宮崎駿監督が企画し、1993年に出版された絵本『もののけ姫』に登場する姫のことです。絵本の表紙には、笠を被り緑色の着物をまとった「三の姫」と、その姫を背負う「もののけ」の姿が描かれています。武士の末娘である「三の姫」が、父の命と引き換えに山猫のような姿をした「もののけ」に嫁ぐ、というところから始まるお話でした。

 公式からの回答で名前の由来を知った、当時のファンからは「知らなかった」「そうだったんだ」と驚きの声があがっていました。また、絵本を読んでから映画を観たファンからは「あまりの違いにびっくりした」と、両者が別モノになっていることに衝撃を受けたという感想が多く見られました。

 実は絵本『もののけ姫』には、さらにもととなった作品が存在します。それは、ディズニー映画のなかでも広く知られる『美女と野獣』です。ボーモン夫人による同名原作『美女と野獣』は、ヒロインのベルがバラを盗んだ父の代わりに野獣のもとで暮らさなければならなくなる、というところから始まるお話です。

 絵本『もののけ姫』は、そのボーモン夫人版の翻案といいます。つまり映画『もののけ姫』と映画『美女と野獣』は、元は同じ作品から出発しているといえるわけです。

ところが、両者のストーリーは大きく異なっています。映画『美女と野獣』は、野獣に姿を変えられてしまった王子様と、村で変わり者扱いされていた美女が恋に落ちるラブロマンスです。それに対して、映画『もののけ姫』は自然を破壊する人間とそれを食い止めようとする動物や神たちとの戦いを主軸に、差別問題や主義主張の違いによる対立などを描き、問題提起するような物語でした。

 出発点は同じでも、映画『もののけ姫』と映画『美女と野獣』は、最終的に作品として伝えたいメッセージが大幅に異なっています。その変化した部分こそ、ファンの胸に刺さる要因なのかもしれません。

(LUIS FIELD)

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