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ジブリ新作『君たちはどう生きるか』はどんな話? 宮崎監督が大好きな本から考察!

マグミクス / 2023年6月26日 18時5分

ジブリ新作『君たちはどう生きるか』はどんな話? 宮崎監督が大好きな本から考察!

■カギは外国の児童文学にあり?

 2023年7月14日(金)に公開されるスタジオジブリの最新作『君たちはどう生きるか』は、宮崎駿監督の10年ぶりの長編アニメーション作品です。ただそのプロモーションは、今のところポスター1枚が発表されているのみで、具体的な内容は公開1カ月前を過ぎた今でも、一切明かされていません。

 しかし、熱心なジブリファンの間では、とある一冊の文学作品が元ネタになっているのではないかと噂されています。今回はそんな推測をもとに、『君たちはどう生きるか』の内容を予想します。

 まず、あくまで推測の域は出ないものの、『君たちはどう生きるか』はジョン・コナリー氏のファンタジー小説『失われたものたちの本』(2006年発表)が元ネタである可能性が高いと言われています。同書は宮崎監督が三鷹の森ジブリ美術館の図書室でおすすめしていた本で、2021年に同作が東京創元社より文庫化された際の帯の推薦文にも、「ぼくをしあわせにしてくれた本です。出会えてほんとうに良かったと思ってます」と絶賛のコメントを寄せていました。

 さらに2017年に刊行された『ジブリの文学』(著・鈴木敏夫)のあとがきには、アイルランド人の作家が書いた児童文学に宮崎監督が刺激を受け、オリジナル長編映画企画が進行している……といった内容が綴られています。

 当時はまだ『君たちはどう生きるか』の制作は発表されていないので、ここで言うオリジナル長編映画企画が何を指しているのかは定かでありません。しかし同書には「エヴァンゲリオン」シリーズを手がけた本田雄氏が作画監督を務めるとも書かれており、2023年6月16日に発売された『スタジオジブリ物語』(責任編集・鈴木敏夫)においては「(君たちはどう生きるかの)作画監督に本田雄を起用」と明記されています。

 そして『失われたものたちの本』の作者、ジョン・コナリー氏はアイルランド出身の作家です。このことから『ジブリの文学』のあとがきで触れていた企画と『君たちはどう生きるか』が同一であり、最新作の元ネタが『失われたものたちの本』である可能性は高いと考えられるでしょう。

 ちなみに『スタジオジブリ物語』で鈴木氏が語ったところによると、吉野源三郎氏の同名小説『君たちはどう生きるか』はあくまでタイトルの元ネタであり、内容との関連性は一切ないそうです。また、2017年時点で鈴木氏は『君たちはどう生きるか』の内容は、「冒険活劇ファンタジー」であることを発表しており、ネットニュースでも話題となりました。そのため内容自体の推測には、『失われたものたちの本』を宮崎監督がどう解釈するのか、という点に絞って考えるのが一番の近道かもしれません。

■舞台は第二次世界大戦期の日本?

スタジオジブリ最新作の「元ネタ」とささやかれている小説『失われたものたちの本』(著:ジョン・コナリー 、訳:田内志文/東京創元社)

 では『失われたものたちの本』はどのような物語なのかというと、舞台は第二次世界大戦下のイギリス。本の声(=物語の声)が聞こえる12歳の少年・デイヴィッドが、美しくも残酷な物語の世界の王国で冒険を繰り広げていくお話です。戦争と子供、そして異世界……。これらはジブリ映画にもよく見られる要素であり、新作にも反映される可能性は十分に考えられます。

 また『ジブリの文学』のあとがきには、宮崎監督が「この本には刺激を受けたけど原作にはしない。オリジナルで作る。そして、舞台は日本にする」と語っていた、と綴られていました。

 幼少期に戦争体験があり、さらに人生を創作活動に捧げてきた宮崎監督作品で、『失われたものたちの本』の要素が部分的に残されるとすれば、「第二次世界大戦期の日本を舞台に、本の声が聞こえる少年が異世界を行き来する物語」という設定で、オリジナルの冒険活劇が繰り広げられるのではないでしょうか。

 また、過去の講演などで鈴木氏は『君たちはどう生きるか』について「宮崎監督の自伝的要素が強い」ことを述べていたそうです。そのためジブリで長く映画制作をともにしてきた鈴木氏や、高畑勲氏などを想起させるキャラクターが多く登場する可能性も考えられます。

 実際、『失われたものたちの本』には主人公を物語の世界に閉じ込めつつ、彼の身を守るアンビバレントなトリックスターや、主人公の行く先を照らす洞察力に優れた騎士など、個性豊かなキャラクターが登場します。もしかしたらそうした登場人物(に被る別のキャラの可能性も)が、スタジオジブリでの人間関係と重ねられるような形で活躍するのかもしれません。

 いずれにせよ『君たちはどう生きるか』が、宮崎監督の創作人生の「集大成」的作品となる可能性は高いです。彼が紡ぎ出した渾身の一作を観客がどう受け止めるか、期待は高まるばかりです。

(ハララ書房)

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