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料理の話題入ってこない? 『クッキングパパ』の「一味の部下」たちのやらかし

マグミクス / 2023年6月28日 20時25分

料理の話題入ってこない? 『クッキングパパ』の「一味の部下」たちのやらかし

■荒岩と夢子の関係は不倫なのか?

 うえやまとち先生が描くマンガ『クッキングパパ』は、仕事も家事も完璧にこなすサラリーマン・荒岩一味が家族や仲間、同僚に料理をふるまい、美味しい笑顔を広げていくハートフルな作品です。ただ、週刊マンガ雑誌「モーニング」での連載が始まったのは1985年5月のことで、初期では今は考えられないような、衝撃のエピソードも当たり前にありました。

 そこで今回は、料理の話が入ってこないような、『クッキングパパ』の一味の部下たちが騒ぎを起こした衝撃の回を振り返ります。

●カレーうどんよりウニが記憶に刻まれる!?

 数ある『クッキングパパ』の人間ドラマのなかで、金丸産業の一味の部下・木村夢子の「不倫願望?」にまつわるエピソードはとくに印象的です。初期の夢子は、既婚者の荒岩に密かな恋心を抱いており、熱烈アピールも事欠きませんでした。

 たとえば一味の隣でお弁当を食べているときには「こんなとこ知らないひとが見たら私たち夫婦と思っちゃうかも知れませんネ」と冗談交じりに好意を匂わせたり、一味の奥さんの帰りが遅くなると知った際にも「今日遊びにいこうかなー」「主任さんちにーっ」と危うい発言を見せたりしています。片や一味もまんざらでもないような態度をみせ、浮気のような浮気ではないような、淡い関係を築いていました。

 なかでも衝撃的だったのが、第45話「食欲倍増!! カレー焼きうどん」です。会社の同僚と博多の新宮海岸へ遊びに来ていた夢子は、その先で息子を連れた一味とばったり遭遇します。彼らも交えてみんなで焼きうどんを食べるまでは良かったのですが、問題はそのあとです。他のみんなが遊びに夢中になる一方で、一味はその場でみつけたバフンウニをさばいて夢子にふるまいます。

 ウニの身は一味の指先に乗っており、夢子はためらうことなく直接「チュバッ」と食べました。彼女の唇が一味の指に触れて何とも言えない雰囲気になり、しかもその一部始終を一味の子供・まことに見られていたというオチまでつきます。カレーうどんよりも、ウニが記憶に刻まれる回だったことは言うまでもありません。

● 子供よりも己の趣味を優先するメガネさん

 第118話「天下一品 牛どん!!」も、現代なら波紋を呼びそうなエピソードです。一味の部下で20巻までは金丸産業にいた本名不明のキャラ、メガネさんは休日とあらば海へ出かけるほど大の釣り好きです。しかし同エピソードでは、釣りに行く日と息子・正治の誕生日が重なってしまいました。

 もちろん彼の奥さんは、「もう約束しちゃったもんな……」のひと言で釣りを優先しようとするメガネさんを責め立てますが、当の本人はまったく悪びれる様子はありません。それどころか「大鯛でも釣り上げて持って帰れば うちのもなんとかかんべんしてくれるだろう」と勝手に思い直し、家族が寝ているうちに釣りへ出かけてしまうのです。

 しかもそういうときに限って釣果はゼロ。メガネさんは帰るに帰れなくなり、日付が変わるまで荒岩宅へ逃げ込み、息子は父親のいない誕生日を過ごすハメになりました。作中にはメガネさんが「荒岩流牛どん」をご馳走になり、夫婦の思い出を語る姿も描かれていたものの、奥さんと子供に同情してしまうエピソードです。メガネさんは翌日、たんこぶや傷を作って出社しています。

●子供のプレゼント代をパチンコで溶かす!?

 息子の誕生日より釣りを優先する父親がいる傍らで、息子の誕生日プレゼント代をパチンコにつぎ込む父親もいました。第588話「かんぴょう冷麺でお疲れさん!!」は、「パチンコの闇」の一端が見えるお話です。

 前述の木村夢子と結ばれ、息子に恵まれた荒岩の部下・田中一は、無類のパチンコ好きでした。夢子から息子の誕生日プレゼントを買ってくるように頼まれ、3万円を手渡された日の夜、田中はパチンコで人生最悪の大負けをしてしまい、自分のお小遣いどころか、誕生日プレゼント代まで使い果たします。偶然居合わせた後輩から半ばカツアゲする形で資金を調達するも、一向に勝てる気配はなく、しまいには号泣しながら台を打ち続けていました。

 しかも一文無し目前となった田中は、このまま勝てなかったら「町を出てどこか人知れず のたれ死にするさ」と、もはや妻も息子も捨てる覚悟の精神状態となります。結局、駆けつけた上司・一味からダメ押しの数万円を借り、ようやく勝ちが舞い込んだものの、読者にとってはメインの「かんぴょう冷麺」よりも田中の情けなさの方が印象的だったかもしれません。

 ネット上でも「息子のプレゼント代をパチンコに溶かすのはさすがにどうかと思う」「田中一とかいう作中屈指のクズキャラ」「田中は『カイジ』の世界へ行け」といった声が上がっていました。また、一味が田中に行った「こうなったら5万でも10万でも100万でも使ってそれで(当たりが)来なかったら死ねっ!!」という強烈なセリフも有名です。

 心温まる話だけでなく、人間のダメな部分の現実的な生々しさもエッセンスとして加えられているのが『クッキングパパ』の魅力です。長年多くの人から愛され続けている秘訣は、そうした点に凝縮されているのかもしれません。

(ハララ書房)

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