意外と遊べた? 「クソゲー」の汚名を返上したファミコンソフトの続編3選
マグミクス / 2023年6月27日 21時25分
■名誉挽回に命をかけたクソゲーの続編ソフト
2023年で生誕40周年を迎えるファミリーコンピュータ(以下、ファミコン)は、俗に「クソゲー」と呼ばれる作品が多数発売されたことでも知られています。
そのなかには、クソゲーとされながらもソフト売上を伸ばし、単発では終わらず次回作へバトンを繋げた作品もいくつか見受けられました。
今回は前作の汚名を返上し、次作でクソゲーから普通に遊べる作品へと生まれ変わったファミコンソフトを3本ご紹介します。
●『スペランカーII 勇者への挑戦』
少しのミスも許されない主人公の虚弱体質ゆえ、ファミコン屈指の「死にゲー」として知名度が高いアクションゲームが『スペランカー』です。その正式な続編(ファミコン版)が、1987年9月18日にアイレムが送りだした『スペランカーII 勇者への挑戦』(以下、スペランカーII)でした。
本作は第1作目で形作られた「アクション+洞窟探検」というフォーマットをベースにしつつ、プレイアブルキャラクターを新たに追加しています。プレイヤーはそ能力がそれぞれ差別化された「探検家」「聖職者」「エスパー」のなかからひとりを選び、危険がはびこるステージ攻略にチャレンジするのです。
キャラクター選択にはじまり、各ステージのグラフィック、道中で紡がれるストーリー……などなど、『スペランカーII』は第1作目とは全く別物と考えて良いほど、さまざまな部分が変化を遂げています。その最たる例が主人公の耐久力です。一発ミスではなくライフ制が採用されたことで、本作の主人公はちょっとやそっとのミスでは力尽きることがありません。「段差から落ちただけで即死」といった事故が発生しにくくなり、『スペランカー』から装いを新たに、2Dアクションゲームへと転生しました。
●『燃えろ!!プロ野球’88 決定版』
ジャレコが手掛けた『燃えろ!!プロ野球』(以下、燃えプロ)と言えば、「ソフト売上100万本突破」「バントホームラン」など、現在でも語り草になるほどの逸話を持ったスポーツゲームの迷作ではないでしょうか。
しかし、同社が1988年8月10日に発売した『燃えろ!!プロ野球’88 決定版』(以下、燃えプロ88)は、『燃えプロ』で見られた数々の欠点を補いつつ、まさしく「燃えプロの決定版」と言うべき内容へパワーアップを果たしました。具体的にはバントホームランをはじめとするバグ技や不具合が修正され、現実のプロ野球選手に基づいたキャラステータスも違和感のない数値へと調整が施されたのです。
さらに、『燃えプロ88』からの新要素「バイオリズム」が導入されたことで、「各選手の調子を見ながらバッティングオーダーを考える」という遊び方も可能になりました。「燃えろ!!プロ野球」シリーズはファミコンだけでも複数ラインナップされていますが、『燃えプロ88』は前作の問題点を解消しつつ、次回作へ上手くたすきを繋げています。
●『トランスフォーマー ザ・ヘッドマスターズ』
意気揚々とスタートしたはずが、米粒のような敵弾が直撃してあっという間に死んでしまった……。人気玩具「トランスフォーマー」を題材にしたアクションゲーム『トランスフォーマー コンボイの謎』(以下、コンボイの謎)は、あまりに唐突な死亡シーンが後年までネタにされているインパクトの強い一作です。
そんな『コンボイの謎』に続いて登場したのが、1987年8月28日発売の『トランスフォーマー ザ・ヘッドマスターズ』(以下、ザ・ヘッドマスターズ)でした。『コンボイの謎』と類似したストーリーラインを採用しつつ、本作では3つの惑星(EARTH・CYBERTRON・JAIL)を舞台に、サイバトロンとデストロンの戦いが描かれています。
『ザ・ヘッドマスターズ』も『コンボイの謎』と同じく難易度が高めです。出現する敵キャラの行動パターンを把握した上で、的確な対処を求められます。とは言え単に難しいだけではなく、前作には無かった「キャラチェンジ」要素が登場し、シチュエーションに合わせたキャラクターの使い分けが楽しめるようになりました。
手放しで良質なアクションゲームとは言えないものの、『コンボイの謎』からプレイバリューは確実に高まっているのが、『ザ・ヘッドマスターズ』です。話題性の強さや注目度では前作に劣りますが、本作も「トランスフォーマー」ゲームの歴史に名を残したという点では言及すべき一作と言えるでしょう。
(龍田優貴)
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