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『北斗の拳』はザコキャラもムキムキ!世紀末の意外な食糧事情とは?

マグミクス / 2023年6月29日 17時25分

『北斗の拳』はザコキャラもムキムキ!世紀末の意外な食糧事情とは?

■ちゃんとタンパク質は摂れるのか?

 国民的知名度を誇る「世紀末救世主伝説」を描いたマンガ『北斗の拳』は、2023年で40周年です。バイクやバギーにまたがったマッチョな無法者たち(通称ザコ)が暴れまわる「世紀末世界」で、北斗神拳伝承者のケンシロウが死闘を繰り広げます。

 しかし、舞台は食べ物どころか、きれいな水すら十分に行き渡らないように見える核戦争後の世界です。最強の男・ケンシロウやその他メインキャラはともかく、ザコたちはいったいどうやって、あの肉体を維持しているのでしょうか? 彼らの筋肉量維持にかかるコストから、『北斗の拳』の食糧事情について考察します。

●あの筋肉量を維持するのに必要なたんぱく質とは?

 作中では悪事を働いてはケンシロウにぶっ飛ばされるザコたちですが、あの肉体は簡単には作れませんし維持できません。フィジカルの才能の上に、努力と栄養管理があってこそのものです。

 諸説ありますが、筋肉量を増やす際は体重1kgあたり約2g、肉体を維持するだけなら体重1kgあたり約1gのたんぱく質が必要とのことです。見た目から、ザコの平均体重を100kgと想定しましょう。その肉体を維持するには、たんぱく質だけでも最低100gが必要です。部位にもよりますが、鶏肉100gには約20gのたんぱく質が含まれているので、換算すると1日の必要量は500g程度、増量期なら1日1kg必要です。

 鶏が1羽約2kg程度だとすると可食部は約50%なので、肉が取れるのは1kgほどでしょう。つまり、ザコはひとり1日0.5羽の鶏を食べます。

 また「全国食肉事業協同組合連合会」によれば、豚の可食部は内臓を除く肉の部分で43%とのことです。豚1頭100kgとするなら精肉は43kg取れる計算となります。豚肉100g当たり約14gのたんぱく質が含まれているので、ザコは1人1日あたり700gの豚肉を食べます。豚1頭で1日60人ほどのザコを養える計算です。

 これらは炭水化物などを除いた計算ですが、これ以下のたんぱく質量だとザコたちはあの筋肉を維持できず、痩せはじめてしまうでしょう。

●拳王軍の兵站

 世紀末の乱世を、暴力と恐怖で支配しようとするラオウが率いる「拳王軍」の正確な人数は不明ですが、ここでは仮に1000人として計算しましょう。軍団を維持するには、肉だけでも鶏換算で1日500羽、豚肉換算で1日17頭必要です。

 加えて、炭水化物も欠かせません。普通の成人男性が1日3合(約450g)の米を食べるとして、体重100kgのマッチョなザコが倍の1日6合(約900g)食べるとしたら、1000人で1日900kgも消費します。いつの時代も、軍隊は大喰らいですね。

 ザコ達が略奪行為に精を出していたのは、食糧調達に必死だったからだと思われますが、奪うだけでは毎日大変です。ガソリンを消費しながら、新たな略奪先を探して走り回る必要があるからです。食糧の安定供給のため、どこかで拳王農園や拳王牧場を運営していても不思議ではないと思います。

■意外にも食糧豊富な世紀末

『北斗の拳』における食糧事情の一端がうかがえるのは、聖帝サウザーのエピソードです。彼はテーブルいっぱいに豪華な料理を用意させ、飢えた子供たちが見ている前で「今日のは口に合わぬ」と言ってひっくり返していました。数えたところ、長いテーブルの上には18皿も並んでいます。きっと毎回残して、帝王としての支配力を見せつけているに違いありません。

 このシーンだけ見ると、「荒廃した食糧不足の世界で食べ物を粗末にするとは!」と思いますが、それは一般人の視点です。サウザーも聖帝軍を運営しています。配下が日々消費している食糧に比べれば、テーブルの上の料理など誤差でしかないと考えていることでしょう。

●強者が食糧を独占する

筋肉量もすごい紀末覇者・ラオウ。弟のケンシロウと死闘を繰り広げた。画像は『北斗の拳 究極版10巻』(徳間書店)

 大量の食糧を消費するマッチョ揃いの軍隊を維持できるほどの食糧がある一方、食べるものがなくて苦しんでいる人がいるのが『北斗の拳』の世界です。弱肉強食の世界になったせいで、強者のところに食糧が集まっていると思われます。

 そして、食べるものがあるところに人は集まるので、集団はますます強大化していきます。腕自慢だけでなく、バギーの整備ができるなどスキルを持った人材も集まるでしょう。世紀末の暴力集団は、ラオウのような傑出した個人の圧倒的武力やカリスマを中心にして形成されていますが、こういった現実的な事情もあったと思われます。

 以上、マッチョなザコたちの筋量維持のコストから、世紀末の食糧事情を考察してみました。やはり「暴力と集団化が大事」「あるところにはある」という、リアルで世知辛い結論になったのは残念です。平和な時代は「個人主義」でも何とかなりますが、やはり乱世では団結しないと生きていけないようです。

(レトロ@長谷部 耕平)

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